中・大型獣の保護管理に関するワークショップ

主催・財団法人自然環境研究センター
期日・平成12年9月4日〜9月8日
会場・全共連ビル、中央大学駿河台記念館(東京都)


9月4日から8日まで「中・大型獣の保護管理に関するワークショップ」(主催・財団法人自然環境研究センター)が東京で開催され、全国から約200人の参加者がありました。鳥獣保護及ビ狩猟ニ関スル法律の改正に伴い、鳥獣の科学的・計画的な保護管理を具体的に進めることが益々求められています。その具体的な方法として、「
特定鳥獣保護管理計画」の制度が法律で定められました。そこで今回のワークショップでは、人との軋轢が深刻化しているサル、イノシシ、クマ類に関しての発表と議論が行われました。特にクマ類の保護管理の議論の中で、熊の胆を目的とした違法な箱罠が岐阜県や新潟県など中部・北陸地方などに数多く設置され、犯罪組織が関与している問題や、韓国への違法な熊の胆の持ち出しが横行している問題、法制化された「特定鳥獣保護管理計画」の効果に対する疑問点など様々な問題が、参加者から指摘されました。


9月7日
第3部 クマ類の保護管理

セッション1:特定鳥獣保護管理計画の概要

「クマ類の保護管理マニュアルについて」(野口明史/環境庁鳥獣保護業務室)

セッション2:狩猟管理ー春グマ猟と特定計画

「渡島半島ヒグマ保護管理計画」(間野勉・北海道環境科学研究センター)
「群馬県のツキノワグマ保護管理」(曲沢修・群馬県自然環境課)
「石川県のツキノワグマ保護管理」(野崎英吉・石川県自然保護課)
「クマ類の狩猟文化」(田口洋美・狩猟文化研究所)
コメンテーター/青井俊樹(岩手大学農学部)

セッション3:個体管理と生け捕り再放逐

「知床半島におけるヒグマの管理と現状と課題」(山中正実・斜里町役場環境保全課)
「長野県における保護管理の現状と課題」(中沢憲昭・長野県森林保全課)
「和歌山県における移動放獣の事例」(片山敦司・野生動物保護管理事務所)
「NGOによる取り組み〜岩手県の事例」(藤村正樹・日本クマネットワーク事務局)
コメンテーター/羽澄俊裕(野生動物保護管理事務所)

セッション4:保護ー絶滅危惧種個体群に対する取り組み

「下北半島における保護管理の問題点」(森治・下北野生生物研究所)
「岡山県の保護管理計画」〜東中国山地(藤長恭常・岡山県自然保護課)
「広島県の保護管理計画」〜西中国山地(豊田富雄・広島県森林保全課)
「四国における保護管理」(中村滝男・高知県生態系保護協会)
コメンテーター/片山敦司(野生動物保護管理事務所)


9月8日
クマ類の保護管理

セッション5:保護管理の担い手

「市町村現場担当者とサポーターの必要性」(栗栖浩司・戸河内町産業課)
「都道府県の研究機関作り」(赤坂猛・北海道環境科学研究センター)
「大学における人材教育」(大泰司紀之・北海道大学大学院)
「軽井沢における民間機関の取り組み」(南正人・ 星野リゾート・ピッキオ)
コメンテーター/三浦慎悟(森林総合研究所東北支所)

総合討論
 座長:三浦慎悟(森林総合研究所東北支所)
 鹿野久男(自然環境研究センター)

 議題:野生動物保護管理の担い手の問題、今後の優先課題など


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