Bear Gallery No.5


有限会社アウトバックはクマと人間との共存を模索した様々な活動を、国内と海外でおこなっています。

OUTBACK TRADING COMPANY LTD. does the various activities of searching for coexistence with the bear and the human being in our country and the foreign countries.



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  カレリアン・ベアドッグ


ロシアとの国境に近いフィンランドのカレリア地方で、およそ400年の間に優秀なクマ猟犬として改良され続けてきたのがカレリアン・ベアドッグです。
その優れた特性を利用して、カレリアン・ベアドッグを利用したクマ対策プログラム("Partners in Life" Program)を開発したのが、
米国ユタ州に本部がある民間団体”Wind River Bear Institute”の創設者 Carrie Huntさんです。
キャリーさんはまた、熊撃退スプレー「カウンターアソールト」開発チームの一員でもあります。
長野県軽井沢町は別荘地として国際的にも有名ですが、住宅や別荘・ホテルやペンションなどの残飯を食べに、
夜な夜な複数のツキノワグマが出没していることでも有名です。
そこで、軽井沢町からクマの調査研究とクマ対策を委託された星野リゾート・ピッキオのスタッフが、
現在24時間体制でクマ対策に取り組んでいます。
そして、星野リゾート・ピッキオがCarrie Huntさんと彼女のスタッフ、そして2頭のカレリアン・ベアドッグを招致し、
2003年8月には北米以外の地域で初めて、カレリアン・ベアドッグによるクマの追い払いが軽井沢町で行われています。

写真左/8月24日に軽井沢町中央公民館で開催された子供向けの講演会で、キャリーさんが子ども達にカレリアン・ベアドッグや、
人とクマとの共存についてなどを説明しています。脇にいるのはサッチモです。
写真右/8月24日午後9時頃から25日午前6時まで、別荘地の残飯に居着いた1頭のツキノワグマの追い払いを終えたときの写真です。
左から有限会社アウトバック代表の藤村、サッチモ、キャリー・ハントさん、タフィです。

(撮影日:2003年08月24日、2003年08月25日 撮影者:藤村正樹/有限会社アウトバック)


  

【Bear Den (ヒグマの冬眠穴)】


生まれて初めてヒグマの冬眠穴を見ました。
そして、生まれて初めてクマの冬眠穴の中に入りました!
このヒグマの冬眠穴は、2003年9月に北海道富良野市の山林で発見されたものです。
入り口は小さく、中は少し広くなっています。
入り口から奥まで約5メートルあり、地熱のせいか暖かで湿り気がありました。
この冬眠穴はまだ完成されていませんが、完成すると中に笹の葉が敷き詰められ素敵なベッドが出来上がります。
(写真左:ヒグマの冬眠穴の入り口。穴の前に残土が大量に残されていた。写真右:穴の内部から見た光景。)

(撮影日:2003年10月12日 撮影場所:北海道富良野市の山林 撮影者:藤村正樹/有限会社アウトバック)

This is the Bear Den of Hokkaido brown bear.
It was discovered in Furano City of Hokkaido in the wood near the farmer's road in September, 2003.
The right photograph is an entrance of the bear den. The diameter of the hole of the entrance is about 50cm (20inches)

( October 11, 2003 photography by Masaki Fujimura / owner of OUTBACK TRADING COMPANY LTD.)



   

【Bear House (ヒグマに侵入された民家)】


北海道には約3,000頭のヒグマが棲息しています。
知床旅情で有名な北海道の羅臼町には、
実際にヒグマに侵入された民家が観光スポットとして人気を呼んでいます。
民家の中はヒグマに侵入された当時の様子が再現され、無料で公開されています。
北海道新聞社のHPに公開されている関連情報→ 
http://www5.hokkaido-np.co.jp/nature/digest/61/kuma.html
(写真左:ヒグマに侵入され、中を荒らされた民家。写真右:クマは冷蔵庫の中の食糧や、日本酒などを食い荒らした。)

(撮影日:2003年10月15日 撮影場所:北海道羅臼町 撮影者:藤村正樹/有限会社アウトバック)


   

【阿仁町クマ牧場】


マタギの里・秋田県阿仁町には100頭ほどのツキノワグマを飼育している「阿仁町クマ牧場」があります。
クマ牧場の最初の場長は、打当マタギのシカリ(マタギの統率者)をしていた鈴木松治さんでした。
鈴木松治さんは『頭撃ちの松』とも呼ばれ、日本中にその名を知られたとても素晴らしいマタギです。
その鈴木松治さんからお聞きした話です。
保護された、春グマの予防捕獲で捕殺された母グマの子グマが増えていき、
そのクマたちを飼育する町営の施設として、最初は阿仁町クマ牧場が造られたそうです。
その後、秋田県内各地や県外からも、保護された子グマが次々と持ち込まれたり、
飼育している熊どうしが繁殖して数が増えていきました(現在は繁殖を制限)。
現在では阿仁町クマ研究所も設立され、観光目的のクマ牧場としてだけではなく、
クマの繁殖生理や遺伝子など研究の場として、
外部の研究者にも阿仁町クマ牧場を提供しています。
この日は、岩手大学ツキノワグマ研究会の学生達が研修に訪れました。
なお、現在は他からのクマの持ち込みはすべて断っているとのことです。

阿仁町クマ牧場についてのお問い合せ先:マタギの里観光開発(株) TEL:0186-84-2458
鈴木松治さんをはじめ、阿仁マタギについて詳しく知りたい方は、
『マタギ 森と狩人の記録』(田口洋美・著/慶友社)をお読み下さい。

(写真左:のんびりとくつろぐクマ達。写真右:今年2月に生まれたツキノワグマの仔グマ、遊び疲れて寝ちゃいました。)

(撮影日:2004年5月23日 撮影場所:秋田県阿仁町・阿仁町クマ牧場 撮影者:藤村正樹/有限会社アウトバック)




緊急クマシンポジウム

2005年1月29日に京都市の国際交流会館で『緊急クマシンポジウム』(主催:地球環境基金/企画:日本クマネットワーク、その他)が開催されました。
会場には北海道から九州までの全国各地から、定員(200名)を越える参加者が集い、終始熱気に包まれました。
画像は、講演者によるパネルディスカッションが行われている場面です。
なお、同シンポジウムについての詳細及びアンケート結果については、
日本クマネットワークのウェブページをご覧下さい。
(撮影年月日/2005年1月29日、撮影者/有限会社アウトバック 代表 藤村正樹)


  

全国鳥獣害のない里づくりシンポジウム


去る2005年2月15日(火)福井県福井市の福井市農協会館大ホールにて、
『全国鳥獣害のない里づくりシンポジウム』(主催:福井県/共催:北陸・東海・近畿農政局)が開催され、
会場は全国から集まった600人近い参加者の熱い熱気に包まれました。
基調講演として岩本昭夫氏(福井県鳥獣対策連絡会会長)の「福井県が取り組む鳥獣害のない里づくり」と、
仲谷淳氏(近畿中国四国農業研究センター 鳥獣害研究室長)の「イノシシに強い地域づくりの実線技術」が行われました。
続いてパネルディスカッション「地域で実線!『鳥獣害のない里づくり』」が仲谷淳氏のコーディネーターで行われ、
パネラーの寺本憲之氏(滋賀県東近江地域振興局農業振興課主幹)より「滋賀県における鳥獣害を受けにくい地域づくりの取り組み」や、
安田 亮氏(島根県邑智郡三郷町役場農業振興課)による「イノシシ肉を活用した町の特産づくり」、
田中靖彦氏(福井県美浜町興道寺集落獣害対策委員長)による「むらぐるみ防除・駆除で被害軽減」などの事例報告が発表されました。
その他会場では、鳥獣被害防除機器のメーカーによる製品の展示会(当社も展示)や、福井市や岡山県の団体によるイノシシ料理の展示・試食会が行われ、凄い人気を呼んでいました。
翌16日は、福井県教育センター大ホールにて、『平成16年度北陸・近畿・東海地区鳥獣害防止研修会』が開かれ、
三浦慎悟氏(新潟大学教授)の基調講演「野生哺乳類の生態から見た被害対策」や、各地の鳥獣害防止取組事例発表、市町村の取組推進検討会などが行われました。

(撮影年月日/2005年2月15日、撮影者/有限会社アウトバック 代表 藤村正樹)


クマの足跡 

ツキノワグマの痕跡

昨年の秋期に堅果類が比較的良作だった岩手県などの地域では、
着床遅延というクマの特別な発生生理によって妊娠率が高まり、冬眠中に仔グマを出産した雌グマが多いと推測されます。
1月中旬から2月にかけて冬眠穴の中で、仔グマは未熟児の状態で生まれます。
母グマの愛情と栄養価(脂肪分)の高い母乳に育てられた仔グマはすくすく成長し、
自力で歩き回れるようになる4月中旬から5月上旬にかけて、親グマと連れだって冬眠穴から外の世界へと旅立ちます。
ところが、外の世界はヒトや雄グマ、キツネなど危険な生き物が多いので、
子グマを連れた雌グマは警戒心がとても強く、危険を感じると我が子を守るために積極的に攻撃(防御)行動をとります。
春は山菜やタケノコ採りの季節。そして、たくさんの人々がクマの領分に入り込む季節でもあります。
春は1年のうちで、もっとも人身被害が起きる危険性が高くなる季節ともいわれています。
例年よりも、子連れのクマが増えている今年(地域)は、特に注意と警戒が必要になります。
不幸にして専門家の予想が的中した今年の岩手県では、5月8日時点で5件(5人)の人身被害が発生しています。
「自分だけは大丈夫」という気持ちは捨て、「山はクマの生息地、山にクマがいて当たり前」「山に入ればクマと遭遇して当たり前」という気持ちに切り替え、
クマに遭遇しない工夫と準備、クマと遭遇しても襲われない(攻撃を受けない)工夫と準備をしてから山に入らせてもらいましょう。

(●写真左/ツキノワグマの足跡/撮影者・黒瀬泰志/撮影場所・岩手県金ヶ崎町/●写真右/デントコーン畑に残されたクマの糞/撮影者・藤村正樹/撮影場所・岩手県遠野市)


 

ツキノワグマの子グマ

マタギの発祥地、阿仁町(現北秋田市)の阿仁町クマ牧場で平成17年に生まれた、ツキノワグマの子グマです。
今年3月に永眠された飼育係の鈴木学さんの祖父・鈴木松治翁は高名な打当マタギのシカリでした。
鈴木松治さんは、阿仁町クマ牧場の初代場長を勤めた方でもありました。
松治さんの後押しのお陰で、当社は阿仁町クマ牧場と協同で同クマ牧場のクマを使い、
日本で初めてのツキノワグマによる唐辛子スプレー(
元祖・熊撃退スプレー「カウンターアソールト」)の公開忌避実験を1991年11月に実施し、
カプサイシンによるクマ撃退の効果を確認することができました。


(●写真左/今年の2月に生まれたツキノワグマ子グマ/●写真右/阿仁町熊牧場飼育係の鈴木 学さんと岩大クマ研の学生と子グマ/撮影者・藤村正樹/撮影場所・秋田県北秋田市打当/2005年5月28日)

 

第16回国際クマ会議

2005年9月27日〜10月1日まで、イタリアのトレンティーノ・アルト アディジェ州にあるガルダ湖畔のリゾート「RIVA DEL GARDA」にて、
第16回国際クマ会議イタリア大会(The 16th International Conference on Bear Research and Management/IBA conference) が開催されました。
開催期間中には、多数の口頭発表やポスター発表が熱い熱気に包まれて行われたほか、
市民を交えたイベントや、400年前に建てられた中世のお城での晩食会、
水の都ベネチアやヒグマの生息地へのトレッキングなどのオプショナルツアー等も催されました。
第16回国際クマ会議イタリア大会の詳細は、
こちらの公式ウェブサイトをご覧下さい。

来年の10月にはアジアで初めての国際クマ会議が、長野県軽井沢町の星野リゾートで開催になります。
第17回国際クマ会議日本大会の詳細は、
こちらの公式ウェブサイトをご覧下さい
(●写真左/会場の前で日本から参加したクマの研究者達と記念撮影/●写真右/国際クマ会議の開催地:
ガルダ湖畔のリゾート「RIVA DEL GARDA」
/撮影者・藤村正樹/撮影場所:イタリア・RIVA DEL GARDA/2005年9月27日~10月1日)



 

“助っ人ベビーベア”と”リラックマ”

来年の10月に長野県軽井沢町で開催される、第17回国際クマ会議日本大会を支援するために、
WWFジャパン『“助っ人ベビーベア”を手に、クマと人との共存をめざす「国際クマ会議」を応援しよう!』と企画し
大反響を呼び発売即完売となった
“助っ人ベビーベア”(写真左)が、当社にも届きました。
“助っ人ベビーベア”が売れると、1頭当たり2,000円の寄付金が2006IBA日本大会の大会事務局に寄付されます。
用意した500頭は既に完売し、100万円がIBA日本大会事務局に寄付される見通しがつきました。

なお、当社はWWFジャパンの法人会員として、WWFジャパンの活動をサポートしております。

☆★☆★☆

東京へ出張した際に、原宿の表参道にあるキディランドの前を偶然通りかかると、
黒山の人だかりが出来ていました。
興味津々のぞいてみると・・・、キディランド1Fに11月23日オープンした”リラックマSHOP”の、
記念イベントでリラックマ撮影会が行われていました。(写真右)
子供よりお母さんの方が熱心なのが印象的でした。
「リラックマ」はサンエックスのキャラクターで、とても人気があるらしいです(よくわかりませんが)。
なお、リラックマは第17回国際クマ会議日本大会と、今のところ全く関係ありません。
「リラックマ」関係者および「リラックマ」ファンの皆さ〜ん、第17回国際クマ会議日本大会を応援してくださ〜い!!
寄付金の送り先(郵便振替)は下記の通りです。
なお、当社は第17回国際クマ会議日本大会の開催を応援しております。

【第17回国際クマ会議日本大会のカンパの振込先】
加入者名:IBA2006日本開催実行委員会
口座記号番号:0110−5−778478


(撮影者・藤村正樹/撮影場所:東京都原宿/2005年11月26日)



 

クマもマイアヒ〜!?

六本木ヒルズ森タワー53Fにある森美術館で、『東京ベルリン・ベルリン東京展』が5月7日まで開催されています。
たぶん、このクマ君はベルリンから来たのでしょう。
なお、展示会の詳細については
森美術館の公式サイトをご覧下さい。

(撮影者・藤村正樹/撮影場所:東京都港区六本木ヒルズ/2006年2月26日)

  
Spring has come.

写真左/事務所の裏山に毎年咲くヤマザクラ(2006年5月撮影)
写真右/3月3日にグランドオープンした、上野松坂屋(東京都・JR御徒町駅そば)の新キャラクター「さくらパンダ」(南館7Fレストラン街に鎮座)。
南館1Fの「上野広小路」コーナーで、「さくらパンダぬいぐるみ」(¥1,575
)と「さくらパンダストラップ」(¥504)を販売中。
特に「さくらパンダのぬいぐるみ」は超人気アイテムで、入荷即完売とか。(2007年3月21日撮影)




  

【ツキノワグマの痕跡】

今年もお誘いを頂いたので、岩手大学ツキノワグマ研究会の合宿に参加させていただきました(^_^)
場所は岩手大学の研修施設がある、岩手県雫石町の御明神演習林とその周辺の山々。
合宿中の4月28日〜30日は好天にも恵まれ、若い学生達と一緒に山を散策し、時には走り回り(?)、
地元の元熊撃ちハンターのHさんから、山のことやクマのことをいろいろと教わるなど、
とても楽しくて有意義な3日間を過ごすことができました。
これも、山の神様のご加護があったお陰でしょうか。

昨秋はブナやミズナラは凶作で、クマ棚ができていたのはクリの木だけでした。
2日目の定点観察の帰り道、雪の上に真新しいクマの足跡を発見!
途中から急に方向転換していることや、
成獣の割に歩幅が短いことなどから、昨年に続いて案内役をかっていただいたHさんは、
足跡の主は雌グマの成獣で、子熊を連れて私たちのいる方に移動してきたが、
人の気配を察知して方向を変えたのではないかと説明してくれました。
歩幅が短いのは、子熊の足跡の上をなぞるように母グマが歩いたからだとか・・・
我が子の安全を考えた、母グマの気配りでしょうか。

写真左/雪の上に残された、真新しいツキノワグマ(雌、子連れ)の足跡(2007年4月29日 岩手県雫石町の某所で撮影)
写真中央/ブナの幹に残された、ツキノワグマの爪跡(2007年4月29日 岩手県雫石町の某所で撮影)
写真右/クリの木を見上げながら林道を移動すると、昨秋作られたのであろうクマ棚が次々と見つかり大変驚かされた。(2007年4月28日 岩手県雫石町の某所で撮影)。






写真右/ニホンカモシカ(Japanese Serow)
 (撮影者・藤村正樹/撮影場所:岩手県盛岡市/2008年1月17日)
当社の事務所の裏にあるりんご園で撮影。この付近には数頭のニホンカモシカが生息しています。
ニホンカモシカは偶蹄目ウシ科の動物で、北海道と中国地方を除いた本州・四国・九州に生息している日本の固有種です。
狩猟圧の高まりなどから一時絶滅寸前まで生息数が激減し、1934年に天然記念物、1955年には特別天然記念物に指定され狩猟は禁止になりました。

現在、四国と九州のニホンカモシカは絶滅に近い状態ですが、本州のニホンカモシカは生息数が増え、各地の造林地や果樹園、農作物などに被害を発生させ問題となっています。



2009年元旦

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