Bear Gallery No.2

有限会社アウトバックは海外でも、クマと人間との共存を模索した様々な活動をおこなっています。


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1998 Tri Mountain in National Park of Korea
1999 Sakhalin of Russia
2000 State of Montana (USA)
Karelian Bear Dog NO.1
Karelian Bear Dog NO.2


'1998 TIRI MOUNTAIN NATIONAL PARK (KOREA)

  

(写真左)韓国の智異山国立公園で行った、日韓合同の「韓国智異山大型哺乳類初冬痕跡調査」に参加した際の写真(撮影者:韓尚勲博士)。右端の男性が智異山自然環境生態系保存会の会長・ウー・ドゥー・ソング氏。(写真右)1998年11月22日に大韓民国 全羅南道求礼郡求礼で開催された『国際クマシンポジウム』にて、智異山自然環境生態系保存会から感謝の盾を授与された米田一彦氏(日本ツキノワグマ研究所代表/撮影者:藤村正樹)。有限会社アウトバック代表の藤村も、日本のツキノワグマの実状について発表を行いました。(1998年11月)


'1999 SAKHALIN (RUSSIA)

  ca&bearfoot pict.

サハリン・日本・ヒグマ・シマフクロウ研究交流団に参加(1999年9月1日〜9月8日)。
体重500Kg近くヒグマの足跡と
熊撃退スプレー・カウンターアソールト
ロシア・サハリン州南部モブチ川上流にて(1999年9月5日 Photo by Masaki Fujimura)
Sakhalin of Russia.



'2000 STATE OF MONTANA (U.S.A.)


  

モンタナ州政府の狩猟官が設置したスネアートラップで、グリズリーベアの子グマと母グマと思われる成獣のクマが捕獲された。早朝、私たちは彼らを回収に向かった。
(2000年6月13日 米国モンタナ州ショートウ /Choteau in Montana Photo by Masaki Fujimura)

  

モンタナ州政府の狩猟官が設置したスネアートラップで、子グマと一緒に捕獲されたグリズリーベア(雌・13歳)。ショートウにあるモンタナ州野生動物保護管理局のファイルから、この母グマは過去に3回捕獲されていることが判明した。ただし、初回以外は今回も含め、被害を出していなかったので殺傷処分は免れている。米国では「種の保存法」によってグリズリーベアは絶滅危惧種に指定されており、狩猟は禁じられている。被害を出したグリズリーベアも、極力殺さずに再放逐されている。ただし、雄は2回捕まると動物園などの施設に送られるか、処分される。雌は被害を出して3回捕まると、同じように動物園などの施設に送られるか、処分される。
(2000年6月13日 米国モンタナ州 /Choteau in Montana Photo by Masaki Fujimura)

  

Truck of ontana Wildlife, Fish and Parks in Choteau
捕獲したクマを運搬する、モンタナ州政府野生動物保護局のトラック。
(2000年6月13日 米国モンタナ州ショートウ/ Choteau in Montana Photo by Masaki Fujimura)

  

This Grizzly Bear cub attacked and killed seven sheeps with his two brouther last week. So they were caught by Montana Wildlife, Fish and Parks in Choteau.
1歳半の子グマといえども、さすがGrizzly Bear、とても大きい。
(2000年6月13日 米国モンタナ州ショートウ/ Choteau in Montana Photo by Masaki Fujimura)

  

Montana Wildlife, Fish and Parks is Relocating a grizzly bear cub in Wildlife Management Area of Montana Dept..
今朝、母グマと一緒に、モンタナ州野生動物保護管理局の罠で捕獲されたグリズリーベア(雄・1歳半)を、野生動物保護管理局のグリズリーベア専門官によって、州立野生動物保護管理地域に移し、再放逐している瞬間。首には電波発信機付の白い首輪をしている。
このクマは他の2頭の兄弟のクマと一緒に放牧中の羊を襲って、7頭を殺した。既に捕獲された兄弟2頭は、べつべつの地域に離されて再放逐されている。
羊は電気牧柵(当社で販売しているものと同じメーカーの電気牧柵)で囲まれた放牧地にたときは安全だった。しかし、電気牧柵で囲んでいない草地に移した途端、グリズリーベアの被害にあってしまった。
(2000年6月13日 米国モンタナ州ショートウ/ Choteau in Montana Photo by Masaki Fujimura)

  

州立の野生動物保護管理エリア(WMA)でのクマの移動放獣風景。WMAは野生動物の保護区ではないが(猟期には狩猟も可能)、野生動物の保護繁殖地として重要なエリアを、モンタナ州政府が買い取り、管理しているエリアである。モンタナ州内には10カ所以上のWMAがあり、モンタナ州では100年前に最初のWMAが設置された。
(2000年6月13日 米国モンタナ州ショートウ/ Choteau in Montana Photo by Masaki Fujimura)

  

American Black Bear Cub
これはアメリカン・ブラックベア(1歳半)です。親グマがおそらく違法な狩猟で殺された子グマ5頭が、モンタナ州野生動物保護局で保護されていました。それらを6月13日に2カ所のモンタナ州立野生動物保護管理エリア(WMA)に放獣しました。写真はハンドリングする前に、麻酔で眠らされたアメリカン・ブラックベア(推定1歳半)です。
(2000年6月13日 米国モンタナ州ショートウ/ Choteau in Montana Photo by Masaki Fujimura)

  

麻酔を打って眠らしているアメリカン・ブラックベア(1歳半)の体長を、モンタナ州野生動物保護局のクマ専門官がハンドリングしているところです。ハンドリング(体重や体長などの計測)した後、電波発信機付の首輪を付けて州立野生動物保護管理エリアに放獣します。この日は、地元のテレビ局の取材がありました。同じ1歳半のクマでも、大きさに個体差が見られました。
(2000年6月13日 米国モンタナ州ショートウ/ Choteau in Montana Photo by Masaki Fujimura)



There are three cubs of American black bear. Maybe Their mother was killed by the illegal hunting.
Montana Fish, Wildlife & Parks (MFWP) bred the cubs untill they grow up.
Now they are sleeping with the anesthesia.

They were relocated to Wildlife Management Area (WMA) near Choteau of Montana U.S.A. by MFWP.
(June 13, 2000 photography by Masaki Fujimura / owner of OUTBAC TRADING COMPANY LTD.)




KARELIAN BEAR DOG

  

"THE WIND RIVER BEAR INSTITUTE"は20年以上もクマ対策の研究を続けてきた、キャリー・ハント博士(クマの研究者)が創設した、人とクマとの軋轢を防ぐ活動をする組織です。"Partners In Life" Programこそ、キャリー・ハント博士が提唱する、人とクマとの軋轢を防ぐための特別なプログラムで、米国やカナダでとても注目されています。
(2000年6月16日 米国モンタナ州ポールブリッジ/ Polebridge in Montana  Photo by Masaki Fujimura)

  

Grizzly Bear Cub in the box and I,
6月17日の早朝に捕獲されたGrizzly Bear (1歳半 メス)がこの檻の中に入っています。人間が生活する地域に出没したので、軋轢を防ぐために、国有林のある山に移送し、これから放獣するところです。
(2000年6月17日 米国モンタナ州西グレーシャー地域/ West Glacier Area  Photo by Masaki Fujimura)

  

グリズリーベアを放獣する少し前です。キャリー・ハント博士のチームメンバーもカレリアン・ベアドッグも、さすがに緊張しています。クマを放獣する前に、複数のカレリアン・ベアドッグを檻の中にいるグリズリーベアにけしかけ、犬の怖さをクマに教え込みます(嫌悪学習付け)。これを2回繰り返しました。
(2000年6月17日 米国モンタナ州西グレーシャー地域/ West Glacier Area  Photo by Masaki Fujimura)

  

放獣と同時に手前の男性がショットガンで威嚇弾を撃ち、人里に下りてこないようにクマを教育する。
そして、逃げていくクマをカレリアン・ベアドッグ・チームが追いかける。
射手が腰に下げているのは、弊社が日本で販売しているのと同じ
熊撃退スプレー「カウンターアソールト」である。
(2000年6月17日 米国モンタナ州西グレーシャー地域/ Flathead National Forest  Photo by Masaki Fujimura)

  

放獣後に、カレリアン・ベアドッグと一緒に人が'GO BEAR!"等と叫びながら、逃げたクマを追いかけていくのだ!ショットガンを持ったのは男性が2人だけで、キャリー・ハントさんと他のチームメンバーの女性3人は、
熊撃退スプレー(カウンターアソールト)を携帯しているだけだ。それだけ、カレリアン・ベアドッグは信頼されている。ただし、状況によっては引き綱から犬たちを放し、クマを追わせることもあるそうだ。
(2000年6月17日 米国モンタナ州西グレーシャー地域/ West Glacier Area  Photo by Masaki Fujimura)

  

"
WIND RIVER BEAR INSTITUTE"の創設者・キャリーハント(左)さんと、彼女のサポーターで、日本語を少し話すことができるケイス(右)さん、そしてカレリアン・ベアドッグ。キャリーさんは当社が輸入販売しているカウンターアソールト(熊撃退スプレー)を研究開発した、モンタナ大学の研究グループの一員だった。その後、クマによる被害防除の研究が、彼女の専門となった。東欧のカレリア地方でクマ猟犬として長い年月をかけて改良されてきたカレリアン・ベアドッグを利用した、クマの追い払いと被害防除、クマの教育などを目的としたプロジェクトを行政や民間団体と共同で実践し・普及・啓蒙に努めている。すでに、米国やカナダの国立公園などでとても効果を上げている。ただし、彼女たちの仕事は大変ハードで、1日14〜18時間働くこともざらである。

この日も、早朝に罠で捕獲された、里に出没していたグリズリーベア(雌・1歳半)をモンタナ州野生動物保護管理局のグリズリーベア専門官と一緒に回収し、夕方になってから山に運び、再放逐をした(事務所に戻ったのは真夜中!)。放獣の際にはカレリアン・ベアドッグを吠えさせてクマを恐喝し、さらに放獣の際には威嚇弾(ビーンバッグ弾、ゴム弾、花火弾)を散弾銃(ショットガン)で発射する。さらに逃げ去るクマを、複数のカレリアン・ベアドッグと"WIND RIVER BEAR INSTITUTE"がメンバーが追いかけていく・・・このようにして、クマに人間と犬の怖さを学ばせ、再び人間に近づいたり、集落に出没しないように教え込むのだ。事情を知らない人には、クマがかわいそうに見えるだろうが、そこまでしないと、彼女は殺される(コントロール・キル)かもしれないのだ。
(2000年6月17日 米国モンタナ州西グレーシャー地域/ West Glacier Area  Photo by Masaki Fujimura)

  

これが実際に使用した散弾銃(ショットガン)とビーンバッグ弾です。威嚇弾(ビーンバッグ弾、ゴム弾、花火弾など)を使用するには、12番のポンプアクションのショットガン、それもスラッグ銃身付を用います。ポンプアクションが良い理由は、セミオートだとほとんどのタイプは火薬のガス圧を利用して、次弾が装填される。火薬量が少ないゴム弾や花火弾の場合、ガスのパワーが小さくて、次弾が装填されません(注1)。ビーンバッグ弾のサイズは12番で、隣の青い布袋が中に詰められています。袋は重量があり、仁丹サイズの細かい鉛の玉がたくさん入っているようです。射程距離はゴム弾(射程距離20m~30m)よりも短いが、突進してくるグリズリーベアを止められるほどの威力があります。ただし、非殺傷用に開発された特殊弾です。日本ではまだ使用されていません。
(2000年6月17日 米国モンタナ州西グレーシャー地域/ West Glacier Area  Photo by Masaki Fujimura)

(注1)山中正実氏(斜里町役場自然保護課、ヒグマ研究者)が作製した、「威嚇弾によるヒグマの追い払い法」から引用させていただきました。

  

Kalerian Bear Dog (KBD)
子犬の時から特別なトレーニングを受けてきたカレリアン・ベアドッグ。中型犬だがとても力が強い。クマを恐れず、勇敢に立ち向かっていく。
(2000年6月17日 米国モンタナ州西グレーシャー地域/ West Glacier Area  Photo by Masaki Fujimura)
   
The Wind River Bear Institute's (WRBI's) のホームページ: http://www.beardogs.org/

  

Kalerian Bear Dog (KBD)
クマ猟犬として改良されてきたカレリアン・ベアドッグは、クマ猟に使われるアメリカン・ハウンド・ドッグとは異なる。まるで牧羊犬のようにクマを扱う。勇敢であり、優れた頭脳を持つ犬として、評価がとても高い。
(2000年6月17日 米国モンタナ州西グレーシャー地域/ West Glacier Area  Photo by Masaki Fujimura)


  

キャリー・ハントさん達の活動に興味を持った地元新聞の記者ラリー氏が、4輪駆動のATVに乗って、取材にやってきた。実は、昨日(6月15日)移動放獣したグリズリーベアを、彼女たちがモニタリングしているのを彼は知っているので、グリズリーベアを愛用のカメラ(Canon EOS)で撮影できるかもしれないと期待している。彼は地元でも有名なハンターで、グレイシャー国立公園の近くに私有地(プライベイトランド)を持ち、家族と2頭のラブラドールレトリバーと一緒にログハウスに住んでいる。キャリー・ハントと私たちは、約1時間前に彼のログハウスに寄って来たばかりだった。キャリーさんは初対面のラリーに、彼女の活動について、グリズリーベアの保護管理の大切さ、人とクマとの軋轢を防ぐためには地域住民の協力が必要であることなどを、1時間近く熱弁をふるってきたばかりだった。政府の方針を快く思っていない彼だったが、彼もキャリーさんの熱意と人柄に好意を感じたのだろうか、彼は私たちに好意的だったと私は感じていた(個人的には彼のようなタイプの人間が好きである)。とはいえ、ATVに乗って現れた彼は、現代のカウボーイか。ジャケットのポケットには、45口径のコルトガバメントが無造作につっこまれていた。「クマが出たらこいつが俺を守ってくれるさ。」と教えてくれた。写真は、ラリー氏からATVの運転操作を教えてもらっているキャリー・ハント博士。
(2000年6月16日 米国モンタナ州ポールブリッジ/ Polebridge in Montana  Photo by Masaki Fujimura)

  

Dr. Carrie L. Hunt (Bear conflict specialist & bear biologist) is driving ATV with her Kalerian Bear Dog.
ATVを気に入ったキャリー・ハントさんは、早速カレリアン・ベアドッグを乗せて走ってみる。ATVに乗ったカレリアン・ベアドッグって、たぶん彼が世界で初めてでは? キャリー・ハントさんの感想は、「これは使える」でした。クマ出没の知らせが入ると、早朝でも夜中でも彼女のチームはカレリアン・ベアドッグを連れて現地に急行する。昨年はスキーリゾートで有名な、ホワイトフィッシュ山の山麓にあるWhitefishという町で、住宅地に出没するグリズリーベアの追い払いを委託され、とても苦労したそうだ。真夜中にカレリアン・ベアドッグとカウンターアソールト(熊撃退スプレー)だけで、グリズリーベアに立ち向かったこともあるのよと、翌晩その現場を案内しながら、キャリー・ハントさんが僕に教えてくれた。そのような状況の時に、このATV(4WD)が役に立つのかも知れない。
(2000年6月16日 米国モンタナ州ポールブリッジ/ Polebridge in Montana  Photo by Masaki Fujimura)

  

THE WIND RIVER BEAR INSTITUTEの4WDトラック。FRP製のシェルで覆っている荷台が、カレリアン・ベアドッグ専用スペースに改造されている。
(2000年6月16日 米国モンタナ州ポールブリッジ/ Polebridge in Montana  Photo by Masaki Fujimura)

  

彼女の名前はFANCY。僕が散歩を任せられたカレリアン・ベアドッグだ。普通は黒毛に白の斑が混じるのだが、ファンシーは珍しいチャパツ(?)のカレリアン・ベアドッグなのと、他の犬よりも猟犬として優れた能力を持っているので、キャリーさんも気に入っている。
(2000年6月16日 米国モンタナ州ポールブリッジ/ Polebridge in Montana  Photo by Masaki Fujimura)

  
ファンシーとツーショット! 僕もカレリアン・ベアドッグがとっても好きになりました。近い将来、キャリー・ハント博士と彼女のスタッフ、そしてカレリアン・ベアドッグを日本に招待し、日本各地のクマ被害地を回りながら、カレリアン・ベアドッグを利用したクマ対策と、"Partners In Life" Programを日本に普及啓蒙するお手伝いをするのが、僕の夢です。
(2000年6月16日 米国モンタナ州ポールブリッジ/ Polebridge in Montana  Photo by Masaki Fujimura)


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gif. Gallery 1 (米田一彦氏の撮影したツキノワグマの写真 6点)

gif. Gallery 3 (米国ワイオミング州イエローストーン国立公園で撮影した写真 多数)

gif. Go BearInformation


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