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アイコン ヒグマとの遭遇時の対応に関するマニュアル 
アイコン 熊撃退スプレー“カウンターアソールト”
アイコン お知らせ
ヒグマの調査を元に書かれた本・ 『ヒグマの原野』(青井俊樹・著/フルーベル館・発行)が出版されました。
●北海道の滝を紹介したウェブ・サイトが1998年12月3日にアップされ*ました。

 「滝の飛沫」 
http://plaza2.mbn.or.jp/~haluca/

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gifヒグマ編 1998年4月〜1999年6月30日 photo.
ヒグマ情報の参考になるホームページ
北海道新聞社 
http://www.hokkaido-np.co.jp/
読売新聞(北海道版)
http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/

gif. Go BearInformation



99/06/30   iconクマ対応マニュアル/北海道斜里町知床自然センターで作成した、「ヒグマとの遭遇時の対応に関するマニュアル」をアップしました。今年のなるに北海道旅行を計画されている方は必ずご覧ください。また、このマニュアルはツキノワグマとの遭遇時にも有効です。

99/06/30   iconクマ対策フードロッカー/6月30日に北海道知床連山縦断登山道で、日本で2番目のクマ対策フードロッカー設置作業が行われます。
           第1号は、同じく同じく知床連山縦走登山道の三つ峰野営地に、昨年設置されたフードロッカーでした。本日の設置場所は、二つ池野営地です。斜里町が設計して環境庁が作成したロッカーを北海道(根室支庁)の協力でヘリコプター輸送し、現地では環境庁・斜里羅臼両町、山岳会のスタッフが協力して組み立て設置作業を行います。日本の登山では、テント内に食糧やゴミを保管したり、テント内で調理や食事をすることは、当たり前の常識ですが、北米ではクマの生息地でこの様なことをするのは「大ばか者の自殺行為」といわれても仕方のない「非常識」です。
         (コメント)
3年ほど前に大雪山では、人が中に入っているテントがヒグマに襲撃されています。長野県上高地の山小屋には、残飯を食べに5〜6頭のツキノワグマが集まってくるところがあります。クマが出没しているキャンプ場や野外施設が全国にたくさんあります(観光にマイナスだと考え、公表していない行政も少なくありませんが・・・)。
          
クマ対策フードロッカーについて詳しい説明を知りたい方は。ここをクリックしてください。

99/06/23   iconBooks/北海道の釣り総合誌「North Angler's」1999 Summer Vol.5(1999年5号/釣り人社 \900)に、"ヒグマの常識〜釣り人のための基礎知識Q&A"が掲載になっています。執筆者は前田菜穂子(のぼりべつクマ牧場・ヒグマ博物館学芸員)さんです。

99/06/23   
icon帯広市周辺でヒグマ出没中/取引先のフライフィッシングのプロショップ(帯広市)からの情報です。帯広市から30分圏内の河川では、ヒグマが多数出没しているそうです。今年は雪解けが遅く(現在も山に残雪がある)、ようやく魚が釣れだしたそうです。この方面に釣りに行く方は、ヒグマに注意してください。

99/06/01   
icon北海道で人身被害発生 Vol.4/5月11日に北海道木古内町で発生した、ヒグマによる3人の死傷事件についての続報が入りました。死亡した函館市内の男性は、行方不明なった5月8日の時点で既に死亡していたそうです。


99.06.01   5月11日に木古内町で発生した、ヒグマによる死亡事件に詳しい北海道の某アウトドアショップのオーナーからの情報です。
         被害にあった男性は5月8日に既に死亡していた。遺体の大部分がヒグマに食害されていた。現場付近に出没し、5月11日に射殺されたヒグマの胃から、人間の髪の毛や歯、骨などが見つかった。被害者を死亡させたヒグマと、食害したヒグマが同一の個体だったかは不明。現場は国道から200メートル入った林道で、林道から遺体が発見された川の近くまで約20メートルの距離しかない(車が頻繁に往来する国道の近く)。ただし、その林道の周辺にはゴミがたくさん捨てられており、それを食べにヒグマが常に出没している場所だった。今回の死亡事故は、人間がゴミを不法に投棄し、ヒグマを餌付かせていたことに問題がある。ヒグマの問題というよりも、憂慮するべき社会問題である。また、死亡した男性は熊鈴などは持っていなかった。


99.05.24   5月11日に3人がヒグマに襲われ死傷した事件は、不運な状況が重なったと考えられる。ヒグマが人を襲う可能性としていくつかの原因が考えられる。  
         1)確保した獲物を守る。
         2)偶然出くわす。
         3)子連れのメスの防衛反応
         4)若いオスの力試し・・・・・・・など。
 最初に襲われた男性の場合、2)か4)と見る関係者は多い。野生動物研究家の木村盛武さんや北大農学部の阿部永前教授は、「このヒグマは男性をの遺体を自分の所有物とみなし、そこに偶然近づいてしまった女性2人を攻撃したのではないか」と口をそろえる。
 木古内署は11日に現場近くに出没して射殺されたヒグマを解剖し、胃の中から人の髪の毛や骨片を確認した。遺体の損傷が激しく、死因の特定は難航している。一方、同所はここ数日、現場付近で山菜採りなどの入山者が増えていることから木古内町が要請し、同日午後、現場に通じる林道を入り口で封鎖した。(1999.5.12 北海道新聞)



99.05.11   ヒグマによる死傷事故で道が緊急通知!/釣りに出たまま行方不明になっていた男性が無惨な死体で発見され、山菜採りの女性二人が重傷を負った北海道渡島管区木古内町の山中は11日、地元の警察官や猟友会のハンターらで騒然となった。今回のヒグマの行動について、地元のハンターも「まさか、人が続けて襲われるとは。」と衝撃を受ける。道庁を含む渡島半島はヒグマの生息密度が道内でも高いとされる地域。
 道内では今春の雪解けが以降、ヒグマの目撃や足跡発見の情報が相次いでいる。1990年に春グマ駆除を廃止して以来、人間に慣れたクマが増えているとの指摘もあり、専門家は「春はオス、メスとも攻撃的になっており、特に厳重な注意が必要」と話している。ヒグマが人を襲い死傷させた事故は過去10年間で14件あり、2人が死亡、12人が重軽傷を負っている。
 ヒグマによる死亡事故を受け、同派11日、各支庁、市町村、道警、道猟友会に対し、山菜などで入山する道民にヒグマ出没に注意を呼びかける対策を取るように緊急通知した。(1999.5.11 北海道新聞)


99.05.11   5月11日の午前、北海道渡島半島の木古内町で、山菜取りの女性が2人がヒグマに襲われ、8日から行方不明になっていた男性(47歳、函館市役所職員)も遺体で見つかった。遺体にはヒグマに受けたとみられる傷が付いていた。

5月11日午前6時50分、「(恵山町の)尻岸内沢に釣りに行く」と妻に言い残し、8日から行方不明になっていた男性の乗用車が、木古内町大川の通称・トンガリ沢で発見された。午前7時40分頃、警察などが付近をパトロールしていたところ、山菜取りをしていた上ノ国町の女性が2人(39歳と50歳)がヒグマに襲われて助けを求めてきた。その女性は、車から降りてすぐにクマに襲われたと話している。

午前9時15分頃、近くで行方不明の男性と見られる遺体が発見された。遺体にはクマに襲われたような跡があった。衣服に残っていた車の鍵と、近くに落ちていた免許証から、遺体は8日から行方不明になっていた男性と見て、木古内署では確認を急いでいる。遺体の頭部にはクマに襲われたような傷が残っており、仰向けに倒れていたそうだ。

道警函館本部のまとめによると、道南でクマによる人身事故は1990年9月に森町でキノコ採りの男性(75)が死亡。同年10月には上ノ国町で花を摘んでいた男性(85)がクマに襲われ首の骨を折って死亡している。怪我だけで済んだ例は近年なく、人身事故は死亡事故に直結しているのが特徴。今年はヒグマの目撃情報が昨年の2倍のペースで増えている。北海道渡島支庁によると道南に棲息するヒグマは500頭と推定されている。(1999.5.11函館新聞)

99.05.11   北海道渡島半島で8日から行方不明になっていた男性のものらしい車を発見したと、11日午前50分頃に地元の住民から通報があった。午前7時すぎ、要請を受けた地元のハンター4人が出動。午前9時すぎ、車があった場所から約130m上流の川岸でクマを発見し、発砲したがクマは逃走。捜索を続け、約10分後にクマを射殺した。クマは3歳位の雄で、体長は約1.5m。その後、付近を捜索していたハンターの一人が草をかけられ、両足が出ている状態の男性の遺体を発見した。遺体を見たハンターの話では、顔や腹の部分をクマに食われたような痕跡があったそうだ。

これより先の同日午前7時40分ごろ、付近を捜索中の同署員らが、道道から約200m入った林道でクマに襲われ自力で下山した女性2人を保護した。

射殺されたクマは、解剖して胃の内容物などを調べるため近くの倉庫に運ばれた。木古内署などによると、男性の遺体の状況から一度襲ったクマが再度、遺体を襲った跡があった。道庁によると渡島半島には530頭のヒグマがいると推定され、これは全道の推定生息数の25%にあたる。ヒグマが人を襲い死傷させた事故は過去10年間で14件あり、2人が死亡、12人が重軽傷を負っている。(1999年5月11日 
北海道新聞社ホームページ

                
gif. 詳しい情報は北海道新聞社ホームページをご覧ください。

99.04.26   北海道環境科学センターのホームページに、ヒグマの足跡の写真が載っています。同センターは北海道のヒグマ研究の要です。         http://www.hokkaido-ies.go.jp/HIESintro/Natural/ShizenHP2/Wildlife/photo/photos.html

99.02.24   2月20日、21日に北海道江差町で、「'99クマ国際フォーラムin江差」、「ヒグマフォーラムinえさし」が開催されました。
        
会場の様子をデジタルカメラの映像で紹介するページをアップしました。
99.02.17  2月18日午後8時〜8時45分にNHK ETV特集でヒグマの番組が放送になりました。
       
ETV特集 「ヒグマを追う」
             −アイヌの狩人に学ぶ森の知恵−

       
千歳市在住の元ハンター、姉崎等さんはアイヌのヒグマ猟の伝統を受け継ぐ一人である。狩猟文化の長い伝統の中で蓄積されてきた、ヒグマの生態にも詳しい。しかし、荒廃してしまった山と、絶滅寸前のヒグマを憂えて、熊狩りをやめてしまった。そんな姉崎さんの助けを借りて、北大苫小牧演習林でヒグマの生態調査を続けている若い研究者がいます。彼の調査を通じて、知られざるヒグマの生態を番組では紹介していました。
 姉崎等さんには何度かお会いしたことがありますが、その若い研究者も私の知り合いです。今年の春から調査フィールドを、道南の渡島半島に移すことになったそうです。残念なことに、彼の調査フィールドを継ぐ研究者が、今のところ不在です。(藤)


99.02.16  2月16日午後10時からの「ニュースステーション」(テレビ朝日系列)で、現在問題となっているワシ類の鉛中毒とワシ類鉛中毒ネットワークの活動についての特集が放送されるました。これはヒグマにも関係する問題です。
【コメント】
 番組を見た感想です。北海道では増えすぎたエゾジカを間引く目的もあって、狩猟と有害鳥獣駆除によってたくさんのエゾジカが捕獲されています。射殺されたエゾジカの多くは、角、背肉(ヒレ肉)、もも肉だけ持ち去られて、残りの大部分はそのまま山に捨てられているそうです。こうした事実は、今までも何人もの人から聞いたことがあります。投げ捨てられているシカの死骸には、鉛の弾がたくさん残留しています。オオワシやオジロワシがそのシカの肉を食べるときに、鉛の弾も一緒に食べてしまい、やがて鉛中毒にかかって死んでしまいます。実は、ヒグマの研究者からの報告によると、ハンターに射殺されて捨てられたエゾジカの死骸を食べるヒグマが増えているそうです。つまり、ヒグマも鉛中毒にかかって死ぬ可能性もあります。心配なことはまだあります。鉛中毒で弱ったヒグマが、餌を求めて人里に出没したり、人に危害を加えるかもしれないのです。ヒグマは雑食性で、食べ物の90%以上は植物質ですが、肉の味を覚えたクマが、積極的に家畜を襲うようになる危惧もあります。いずれにしても、災いの種は人間が蒔いたものです。シカの死骸が山に散乱している白糠町では、昨年の11月にクマによる人身被害が既に発生しています。エゾジカの多い地域では(有害駆除で捕殺され、投げ捨てられたシカの死骸が多いので)ヒグマに遭遇する可能性も高くなるので、注意と警戒が必要です。


●98.12.07 北海道白糠町泊別で11月23日に起きた、ヒグマによる人身被害事故の続報です。
 当日はハンターが6名で、シカの巻き狩り猟を行っていた。シカが囲みから逃げてしまい 囲みをとこうとしていたときに、勢子をしていたハンターAの付近からヒグマが走り出した。そして、別のハンターBの目の前約15メートルの所に、ヒグマが飛び出してしまった。ハンターBは発砲したが、その直後にクマに組み付かれ、30メートル下の沢に転落した。転落後にハンターBは物陰に隠れ、仲間のハンター達に救助された。ヒグマは現場付近の笹藪に隠れていたところを、救助後に見つけられ、射殺された。ハンター達はヒグマに注意して、ヒグマがいなさそうな場所をえらんで猟をしていたそうだが、結果的にはヒグマを巻いてしまったようだ。(事故後に現地で事故調査をした、友人からの私信)

●98.12.03 北海道の白糠町と新得町で先月23日に発生した、ヒグマによる人身被害について新しい情報を、北海道在住のハンターから入手しました。それぞれハンターがヒグマと遭遇した場所は、付近に鹿を解体する場所があり、死体を食べに以前からヒグマが居着いていたそうです。そのような場所に不注意に人が近づけば、クマと遭遇しても不思議ではありません。さらに、白糠町で発生した人身被害の場合には、ハンターがヒグマを見つると、ヒグマが回避行動をする前にハンターが先に発砲してしまったそうです。もしもそれが事実だとすれば、非は人間の側にあると思います。この話しをしてくれたハンターは、「ほとんどのマスコミはヒグマがハンターを襲ったことだけを強調し、何が原因だったかを伝えていない。それでは正しい報道とは言えない。」と、マスコミの報道のあり方に憤慨していました。
 それから、今年の猟期に入って、北海道では既に2件の暴発事故(一人死亡)が発生しているそうです。1件は猟銃(ライフル)に弾丸を装填したまま、知人の運転する自動車に乗っていたハンターが、車から降りた拍子に銃を暴発させた。弾丸はドアやシート、鉄板を貫通して運転手の腹部に命中し、その人は死亡したそうだ。もう1件の事故も、銃に弾丸を装填したまま壁に立てかけ、玄関で靴を履こうとしたハンターが、誤って銃を倒して暴発させてしまった。弾丸はドアを打ち抜き、部屋のソファーで休んでいた民宿のおばさんの肩に命中したそうだ。銃はやはりライフル銃だったそうだ。
猟銃・空気銃の使用、保管などについての準則には、「銃を運搬・携帯する場合には、使用状態にある場合を除いて、実包等を装てんしておいてはならない。」と明記されている。ハンターのマナーの悪さをマスコミも関係機関もまず問題にするべきではないだろうか。このようなマナーの悪い一部のハンターのために、他の多くの善良なハンターが迷惑を受けることになる。

●98.11.24 
ヒグマの山帰し運動(北海道斜里町)/北海道の知床半島にある斜里町で、ヒグマの奥山放獣が行われた。今年の10月末、知床の山中で、生態調査の目的で設置されたドラム缶罠に、「ソーセージ」と名付けられた雌のヒグマ(2歳、体重76キロ、体長130キロ)がかかった。このクマは今年の6月、知床国立公園の道路に出没し、観光客からソーセージをもらっているのが確認されている。その後も道路近くに出没していた(注1)。
 捕獲された「ソーセージ」は、知床自然センター(斜里町が運営している施設)の研究員によって麻酔で眠らされ、体重などが計測された後、首に発信器付きの首輪を取り付けられた。そして、捕獲地点から車で10数キロ離れた山中に運び、人間の恐さを学習させるための「お仕置き」をしてから山に放された。「お仕置き」の方法は、クマの入っている檻を木ぎれでガンガンたたいて驚かし、さらに当社が輸入販売している
熊撃退スプレー・カウンターアソールトを顔に浴びせる。スプレーからは強烈な赤唐辛子ガスが勢いよく噴射され、ヒグマはそれを顔に浴びると、目が痛いやら鼻や喉が燃えるように強烈に痛むやらで、目から涙、鼻から鼻水、口からはよだれと泡を吹いて、顔はグチャグチャなる(注2)。放獣された際も、爆竹を4発鳴らされたそうだ。 
 ツキノワグマの奥山放獣は、広島県や長野県をはじめ、各地で行われ、被害防除やクマの保護・管理計画に実績を上げているが、ヒグマの奥山放獣は今回が2回目である(1回目は3年前に斜里町で実施された)。斜里町は10数年前からヒグマの有害駆除を自粛している。観光名所や道路に出てきたヒグマを、ゴム弾や花火弾などの威嚇弾で山に追い返し、駆除数を減らしている。奥山放獣の効果はまだ検証中だが、放獣されたソーセージは、その後人里には出てきていないそうだ。(参考資料/朝日新聞 平成10年11月24日)

(注1)アメリカ合衆国の法律では、国立公園や国有林の中で、熊に餌を与えることを禁じています。それには、生ゴミを放置することも含まれます。生ゴミをきちんと始末しければ、罰金の対象になります。観光客に餌を与えられたクマや、残飯・生ゴミの味を覚えたクマは、だんだん行動が大胆になり、ついには人を襲ってまで人間の食料を得ようとします。そのようなクマは危険なクマとして殺されます。つまり、マナーの悪い人間のためにクマが殺されるのです。
(注2)カウンターアソールトに入っている
赤唐辛子ガスは、かなり強い刺激がありますが、動物や人体には害が少ないことが分かっています。刺激や痛みも(かかった量によるが)短時間で元に戻ります。

●98.11.23 北海道東部の白糠町と新得町で23日、エゾジカ猟をしていたハンターが相次いでヒグマに襲われ負傷しました。白糠町では泊別の山林で23日午前10時頃釧路市からエゾジカ猟に来た男性(44)が、ヒグマと遭遇して腹や足などを噛まれ、沢に転落した(3週間の怪我)。ヒグマは仲間のハンターによって射殺された。また、新得町屈足の山林でも23日午前10時10分頃、滝川市からエゾジカ猟に来た男性(51)がヒグマと遭遇した。猟銃ををヒグマに向けて2発発射したが、突進してきたヒグマに体を押さえつけられた。幸いにもヒグマはそのまま息を引き取ったので、顔などに2週間の怪我で済んだ。(岩手日報 平成10年11月24日)
コメント)北海道では本州よりも15日早く、11月1日からエゾジカ猟が解禁になる。そして、地元はもとより、全国からたくさんのハンターがエゾジカを求めて、北海道東部にこの時期訪れる。猟場に近い空港には、銃を携えたハンターがうようよいて異様な風景だそうだ。そこで問題になるのは、エゾジカを射殺しても、角や背肉など価値の高い部分だけ持ち帰り、内臓などをきちんと処理せずに、そのまま投げ捨ててくるハンターが多いことだ。投げ捨てられた鹿肉や内臓を食べに、ヒグマをおびき寄せることになる。エゾジカとそれを狙うハンターが多い地域は、今回のようにハンターとヒグマが遭遇する危険性が非常に高いと断言できる。さらに、北海道でエゾジカ猟をする、ハンターのマナーの悪さをよく耳にする。(私は射撃だけでまだ実猟はしておらず、北海道の猟場に足を運んだことがないので、間違っていたら誤るが)北海道在住のハンターから、走っている車から発砲したり、一般道に停めた車の中から発砲するハンターの話や、人家や停めていた車のドアをライフル弾が貫通した話・・・を聞いたことがある。これら行為は全くの違法である(注1)。他にも蜂蜜でヒグマをおびき寄せて獲るハンターもいるそうだ。知り合いの秋田県阿仁町在住のマタギが、北海道で見たハンターのマナーの悪さにウンザリして、予定を早めに切り上げてシカ猟から帰ってきた事もあった。北海道在住のハンターから、「北海道の山の中は警察の目が届かないので、無法地帯と同じだ」という話しを聞いたこともある。環境庁では狩猟法の改正案を検討中だが、霞ヶ関にいても現場の実状は見えない。己の眼で実状をしっかり見届けた上で、狩猟法を改善してもらいたい。

注1)狩猟に関する法令では、公道や市街地での鳥獣捕獲を禁止しています。また、弾丸の達する恐れのある人畜、建物、汽車、電車又は艦船に向けての銃猟について禁止されており、これらの禁止行為に違反した者は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。それから、飛行中の飛行機や運行中の自動車並びに5ノット以上の速力で航行中のモーターボートの上から銃器を使用することも禁止されています。これに違反した者は、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。

●98.09.24 北海道在住のお客様から、今年は道南地方にヒグマの出没が多い。北海道爾志郡乙部町内でも、各地でヒグマが目撃されているという情報が寄せられました。そのお客様もヒグマを目撃されたそうです。貴重な情報をお寄せいただきまして、誠にありがとうございました。

●98.09.6 平成10年9月6付け読売新聞のサンデー・ビューに、「人里にヒグマ急増」という特集記事が組まれました。今年道内各地でヒグマが人里に頻繁に出没し、それにともなって有害駆除も相次いでいる。恵庭市から積丹半島にかけた道央県に生息するヒグマ個体群は絶滅の恐れのあると、環境庁のレッドデータブックにも載っているにもかかわらず、北海道では出没すれば有害鳥獣駆除するのが基本である。しかし、本州のでは、電気柵や奥山放獣、お仕置き放獣などで、殺さずにツキノワグマの被害や出没をくい止めようと努力する県や市町村が徐々に増えている。両者を対比しながら、ヒグマの出没とその原因、行政や住民の対処の仕方について、適切に書かれてある記事でした。実際に記者が知床でヒグマと遭遇したエピソードや、ヒグマの専門家3人のコメントを交え、今後のヒグマ対策、人間との共存策について提案がなされています。
     
関連ホームページ http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/

●98.09.2〜3 札幌市内にあるお得意先の従業員の方が、知床半島にあるカムイワッカの滝の近くにあるルシャ川の河口で、ヒグマと至近距離で遭遇したそうです。幸い事故にはなりませんでした。この時期は鮭鱒類が海から川に遡上し、それを食べにヒグマが河口に集まります。皆さんも十分注意しましょう。また、そのお店の近くを流れている、札幌市内の川の上流にもヒグマが出没し、人に目撃されているそうです。

●98.08.27 日高管内静内町御園の農水省家畜改良センター新冠牧場の敷地内で、出没したヒグマが、ハンターによって射殺された。クマは体長約1.3m、体重約80kgの雌。クマは約1月前から同農場のデントコーン畑で目撃されていた。(北海道新聞版1998年8月30日)


●98.08.27 小樽市の住宅街で続くクマ出没で
(24日に射殺されたヒグマは、別のクマが誤って殺されたのだろうか?)、小樽市と小樽署、北海道猟友会小樽支部は27日に合同対策会議を開いた。そして、イヌを使ってクマを捜す作戦を28日から展開することに決定した。具体的には、2頭の北海道犬を使って、午前9時から長橋小学校の目撃現場から、臭いを追ってクマの行動や餌場を調べ、今後の対策を検討する。さらに、地元消防団員も加わって、夜間や早朝に住宅街を巡回するなど、警戒態勢を強化する。「専門家を含めて検討するべき、クマを撃っても、また別のクマが出没し、騒動が繰り返されるだけだ」、「都市部での行政の、クマへの危機管理体制が欠如している。」、「クマをはじめ野生動物に詳しい人材が各自治体にいないことがネック」等、多数の専門家のコメントが載っている。(朝日新聞北海道版1998年8月28日)

●98.08.24 8月24日早朝、北海道小樽市に8月上旬から出没していたと見られるヒグマ1頭を、同市塩谷地区の山中で発見し射殺した。射殺されたクマは体重220キロの雄のヒグマで、これまでに残していた足跡とほぼ一致しているそうだ。(岩手日報1998年8月24日)

コメント)岩手日報では報道されていないが、射殺されたヒグマは括り罠(くくりわな、通常のクマ狩猟では許可されていない)に捕まって、ほとんど移動できない状態であった。現地に調査に行った友人からの報告によると、数年前から小樽市近郊で飼料を廃棄していた場所があり、それを食べに数年前からヒグマは出没していたそうだ。私も、そのクマが市内に接近したのではないかと思う。数年前からクマが出没している事実を知る立場にあった、小樽市や道庁など行政は、有害鳥獣駆除の許可を事前に出しておく以外に、特に対策を立てておらず、今回のように市内にヒグマが接近して、慌てて大騒ぎするという失態をしたのではないだろうか。クマは生ゴミや飼料、家畜の死体、自動販売機の空缶入れ、コンポスト、イカゴロ(海産物の加工工場から出る産業廃棄物)などに誘引されて出没する。それを防止するためには、誘因物を撤去するか焼却するか、あるいは電気柵で囲むかが、最初に取るべき対策である。このことは、北海道でも何度も問題になり、そのたびにマスコミで報じられてきたことである。今回の小樽市ヒグマ騒動は、行政の無策がまねいた必然の結果だと思う。それにしても、北海道には北海道自然環境研究センターという立派な研究所があり、優秀なヒグマの研究者もいるのに、小樽市や北海道庁は対策について相談しなかったのだろうか?

●98.08.24 8月15日からヒグマの目撃情報が相次いでいた小樽市で、24日午前5時頃、道猟友会小樽支部のハンターが同市塩谷地区の山中でワナに掛かったクマを発見した。足型や目撃情報をもとに推定した行動パターンなどから、出没していたクマとみられる。そして、ヒグマは射殺された。(北海道新聞8月24日)

(コメント)ヒグマ出没によって、付近の小学校や中学校では休校になったところがあるそうだ。学校側や保護者の立場に立てば理解はできるが、現在岩手県内でも、盛岡市や遠野市、野田村、沢内村、紫波町などで通学路にクマが出没しているが、学校が休校になった話は聞いていない。小樽市は札幌の隣にある大きな都市だし、ヒグマの出没はこれまでほとんどなかったそうだ。つまり、クマに対する免疫がなかったので、「ヒグマ出没」に過敏に反応したのかもしれない。あるいは、マスコミの報道が、それに追い打ちをかけたのかもしれない。
 実は、岩手大学ツキノワグマ研究会(現・岩手県ツキノワグマ研究会)で以前興味深い調査を行ったことがある。岩手県内各地の小学校の児童と父兄に、クマに対する意識調査を行った。その結果、盛岡市内の小学校の児童と父兄は、ツキノワグマの正しい知識(大きさ、食性など)に乏しく、逆に山間地やクマが毎年出没している地域の、小学校の児童と父兄は、ツキノワグマの正しい知識を備えていることがわかった。
 つまり、都市部の人間はリアルにクマと関わることがほとんど無く、マスコミの報道やマンガ、雑誌、テレビ番組等によって得たクマの情報(知識)によって判断していると推測する。よって、今回の小樽市民のように、クマに接したことの少ない都市部の住民(行政も含め)は、ヒグマに対する恐ろしいという気持ちが過剰に増大され、あるいは誤った知識や情報が流布され、そのために学校が休校されたりの大騒動になったのではないだろうか。
 それから一つ疑問がある。盛岡市内でも、今年の春から、人家付近を徘徊しているツキノワグマの親子がいる。最近は、畑の農作物を荒らしている。岩手県では、人身被害の可能性がない限り、有害鳥獣駆除は極力許可しない方針なので、今だに捕殺されずにいる。ただし、親子3匹なので、どのようにしたら殺さずに捕まえて山に帰せるかが、市民の話題になっている。小樽市のヒグマは罠で捕獲されたそうだが、射殺せずに麻酔で眠らせて、生きたまま山に捕獲放逐することはできなかったのだろうか? 行政意識と住民意識のレベルの違いか!?


●98.08.20 小樽市内にある取引先から、小樽市内にヒグマが出没したという連絡がありました。小樽市の近郊に丸山という山があるが、そこにはたまに出没ていた。小樽市内に出没することは滅多になかったそうだ。

●98.07.19 登山者に人気の高い、斜里岳と羅臼岳を結ぶ知床の縦走路にあるキャンプ地の一つ三峰に、日本で初めて「ヒグマ対策食料保管庫」が、環境庁によって設置された。人間の持っている食べ物の味を、ヒグマに覚えさせない事が目的である。(「山と渓谷」98年9月号p9/山と渓谷社発行) 知床では、今年に入ってヒグマの目撃情報が急増している。斜里町だけでも、7月中旬までに300件を越す情報があり、昨年1年間の目撃件数を既に超えている。詳しいことを知りたい人は、売り切れる前に書店に行って、「山と渓谷」98年9月号を購入しよう!

'98 ヒグマ情報: ヒグマの会からニュースレターが届きました。その中に掲載されていた今年のヒグマ情報を、一部ご紹介します。

98.02.26 渡島・檜山両支庁は新年度からヒグマの総合対策の立案に乗り出す。(朝日新聞)
98.04.14 北海道環境科学研究センターの出先機関「道南地区野生生物室」が江差町内に開設され活動を開始する。クマを対象とする公的機関は全国で初めて。(北海道新聞)
98.05.06 5月4日から5日にかけ山菜採りなどで山に入った人からの、ヒグマの目撃情報が全道で相次ぎ、道警では注意を呼びかけている。(北海道新聞)
98.05.12 北広島市にある後楽園ゴルフ場の近くでヒグマ2頭が目撃される。(苫民)
98.05.14 早来町にあるリレントゴルフ場北西部の豆畑にクマが出没し、猟友会で追跡するが見失う。(苫民)
98.05.17 樽前山7合目付近で推定5ー6才と見られるヒグマが登山者に目撃された。(苫民)
98.05.22 22日午後3時10分頃、千歳市中央番地の長沼町との境界に近い農村地帯の原野で、市の防除隊のハンターにより雄のヒグマを射殺した。(北海道新聞)

ヒグマの会・連絡先
事務局/前田菜穂子 エ0143-84-2225 のぼりべつクマ牧場 内線42・ヒグマ博物館


●98.04/北海道のお取引先の方が、北海道大学苫小牧演習林の中で、4月にヒグマを見たそうです。現在同演習林のヒグマの研究グループが、捕獲したヒグマ数頭に電波発信機付きの首輪を付け、テレメトリー調査を行っています。この調査によって、支笏湖の付近から苫小牧市外地を通過し、日高山脈まで移動する個体の存在が確認されています。昨年はゴルフ場に迷い込んだヒグマが射殺されいます。また、支笏湖の付近で冬眠したある個体は、4月23日頃に穴から出たことが、同研究グループの調査でわかりました。函館のお客様からも、今年はヒグマが例年よりも早く活動しているという情報が寄せられています。

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アイコン ヒグマのことに関した問い合わせ先
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1)北海道内各地域
  各市町村役場、もしくは各支庁の地域政策部環境生活課自然環境係に直接お問い合せください。

2)
北海道全域
  北海道環境生活部自然環境課野生生物室
  〒060-88
  北海道札幌市中央区北3条西6丁目
  TEL: 011-231-4111(代表)
  ※ヒグマについての基本的なパンフレット、資料などが用意されているそうです。

3)
知床(斜里町側)
  斜里町知床自然センター管理事務所
  〒099-4356
  北海道斜里郡斜里町岩尾別531番地
  TEL:01522-4-2114 FAX:01522-4-2115

  斜里町役場 環境保全対策室
  〒099-4113
  北海道斜里郡斜里町本町12番地
  TEL:01522-3-3131

4)
知床(羅臼町側)
  羅臼町役場
  〒086-18
  北海道目梨郡羅臼町栄町100−83
  TEL:01538-7-2111


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gif. 皆様からのクマの目撃情報をお寄せください。その他クマに関係する情報ならどんなことでもOKです!
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outback@cup.com