野生動物の被害防除機器

電気柵

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パワーフェンシングシステム(ガラガー社の電気柵)は

今までの電気柵と違います!

有限会社アウトバック
野生動物対策係
1998年1月
2000年3月一部更新
2001年9月14日一部更新

 

【世界で最も多く利用されている、ニュージーランドのガラガー社の電気柵です!

 最も大きな相違点は、パワーユニットの使用です。野生動物から畑や果樹園、養蜂場などへの被害を防ぐには、それ相応のパワー出力と、さらに野生動物対策のノウハウが必要です。従来の、家畜の囲い込みを目的とした電気柵では、外から侵入してくる野生動物を阻止することが十分にできません。家畜用の電気柵と、野生動物対策用の電気柵は異なるとお考えください。

 パワーフェンシングシステムで使用している、ニュージーランドのガラガー社(世界で初めて電気柵を製品化した企業※1)のパワーユニットは、100ヵ国以上で使用されている優れた製品です。たくさんの毛で覆われている羊には、普通の電気柵は効果がありませんでした。ところが、ガラガー社はパワーユニットによってそれを克服しました。羊といえども高電圧の電気ショック(パルス電撃:約1秒~1.1秒に1回の間隔でワイヤーに500mAの電流が流れる)を受けます。パワーユニットB160型(旧V2型の改良版、5,000〜9,000Vの電撃可能)1台で、延長1.0Kmまでの電気柵をカバーすることができます(メーカーのデータ)。

 上位機種のB260はワイヤー延長距離約5キロメートルを1台でカバーできます。さらに、B600型(10,000Vの電撃が可能)は、B160型の約4倍のパワーがあり、アフリカではアフリカゾウ対策として使用されています。また、延長100mまでの小面積の畑や養蜂場等なら、パワーユニット番兵B12型(単1アルカリ乾電池6本で約2ヵ月稼働する、世界最小のパワーユニット)が利用できます。

※1:ニュージーランドのガラガー社は、世界で初めて電気柵を製造・販売した会社として有名です。製造は1938年2月より始まり、同年7月から販売が開始されています。

 

【 電圧調整機能付なので漏電に強い 】

 今まで一般に使用されていた電気柵は、漏電しやすく、効果は不十分でした。つまり、碍子やポール等から漏電するし、さらに、下草や蔓草等がワイヤーと接触して漏電し、パワーが落ちてしまうわけです。降雨時はさらに漏電し、ワイヤーを手でさわっても、電気を感じないほどです。

 パワーフェンシングシステムは碍子を使用しません(注:専用ポールを使用する場合)。また、グラスファイポールとパーマネントポスト、マルチポールは絶縁体なので、そこから漏電することはほとんどありません。もちろん、雨が降っても十分な効果があります。

 さらに、植物等がワイヤーに接触しても、(植物の種類によりますが)ほとんど心配ありません。なぜなら、ワイヤーに触れた草を、パワーユニットによる高圧電流(通常5,000〜9,000ボルト)が枯らしてしまうからです。ただし、木の枝や水分の多い植物(蕗やイタドリなど)がたくさん接触した場合は、多少漏電のリスクはあります。仮に多少漏電しても、パワーユニットには電圧調整機能があるので、常に一定の電圧を維持できるので安心です。

 

【 リボンワイヤーの使用 】

 ワイヤーはリボンワイヤーと、ホワイトワイヤーの2種類が使用できますが、野生動物被害防除には普通リボンワイヤーが使われます。ホワイトワイヤーの方が電気抵抗は少なく、風による影響も少ないのですが、接地面積の広いリボンワイヤーの方が電撃ショックが大きく、動物に対してより効果があるからです。また、幅約10mmの白い帯状のリボンワイヤーは視認性が高く、遠くからよく見えます。よって、心理的な忌避効果も期待できます。パワーフェンシングシステムは物理的柵ではなく「心理柵」の効果を狙っているので、なるべく目立ったほうが相乗効果が高くなります。

 

【 設置と移動、撤収が簡単 】

 フェンスの取り付け、取り外しが簡単なので、移動の多い養蜂家の方にも最適です。システムや延長距離にもよりますが、養蜂用のシステムであれば、慣れれば1時間くらいで作業が終わります。

 

【 耐用年数が長い 】

 パーマネントポスト(オーストラリアの一部の地域にしか生息していない電気を通さない特殊な硬木)の耐用年数が30年以上、グラファイポールが10年、リボンワイーヤーとホワイトワイヤーが約3年なので、とても経済的です。グラファイポールやリボンワイーヤー、ホワイトワイヤー、クリップなどの消耗品を、あとで買い足しすることもできます。

 ただし電気柵を使用しない期間(冬期など)は、ワイヤーをはずして屋内で保管したほうが、紫外線や風雨による劣化が少ないので、耐用年数がさらに伸びます。

 

【 少ないメンテナンス 】

 電源は家庭用電源(機種によっては別売りのACアダプターが必要)、12V80A以上の自動車用バッテリー、ソーラー発電システム、単1アルカリ乾電池(B11のみ)の4種類が使えます。バッテリーはクマの場合、特に80A以上のものを使用してください。機能を維持するには、1週間〜2週間ごとに充電するだけです(新しいバッテリーの場合は、延長距離にもよりますが、約1ヵ月以上使用できたという報告もあります)。

 尚、標準セットの中に含まれておりませんが、管理機器のデジタルボルトメーターかネオンテスターを、できればご用意ください。B160のパワーユニットは、工場出荷時点で9,000ボルトに設定されていますが、システム設置後は電気抵抗のため8,000ボルト(スイッチを「高」にした場合)〜5,000ボルト(スイッチを「低」にした場合)に下がります。5,000ボルト以上の電気が流れていれば正常に機能しています。デジタルボルトメーターやネオンテスターがあれば、正常に機能しているかどうかを見て確認できます。また、漏電の有無やバッテリーの交換時期もチェックできます。

 

【 多くの実績 】

 このパワーフェンシングシステムは150ヵ国以上で、様々な野性動物(アフリカゾウ、キリン、グリズリー、シロクマ、アメリカン・ブラックベア、シカ、ヘラジカ、カンガルー、水牛、バイソンなど)の被害防除に利用され、その効果が高く評価されています。日本でもエゾジカ、ホンシュウジカ、ヒグマ、ツキノワ、ニホンザル、イノシシ、タヌキ、キツネなどの被害防除に、多くの実績があります。

 アメリカ合衆国モンタナ州政府の野生動物、魚類&公園局では、クマ対策として養蜂業者や酪農家に、このパワーフェンシングシステムの利用を奨励しています。

 日本でも特にエゾジカ対策用として既に高い実績があり、北海道では北海道農政部自ら普及に勤めています。北海道では平成2年3月より、農業改良資金適用の対象商品になりました。また、岩手県では平成3年度の県の事業として、五葉山山麓地域のホンシュウジカ被害防止の実験に使用され、その効果が確かめられています。クマ被害防除の先進地・広島県と戸河内町では、絶滅が危惧されている西中国山地のツキノワグマの保護管理と、農作物被害や出没を防止するために、延長約4.2キロのパワーフェンシングシステムを町内に設置し、侵出防止に効果を上げています。

 また、岩手県遠野市では、1994年8月に当社からパワーフェンシングシステム10基を試験的に導入し、市内の被害農家(デントコーンとリンゴ)に無料で設置(実証試験)したところ、被害をほぼ完全に食い止めることに成功しました。そのデータを元に、東北地方で初めてクマ被害防除を対象とした『電気柵補助制度』を1994年10月から施行しています。その後遠野市では、パワーフェンシングシステムを含めた各種電気柵が広く普及し、ツキノワグマによる農業被害を大幅に減らすことに成功しました。現在では岩手県をはじめ、本州各地で(※2)野生動物対策にパワーフェンシングシステムが普及しつつあります。

 このように日本でもパワーフェンシングシステムは、野生動物による農業被害、果樹被害、酪農被害、養蜂被害、造林被害の防除や、へい獣処理場、養魚場、ゴミ捨て場、山小屋等へのクマの侵入防止などに、着実に実績を延ばしています。

※2:クマ被害防除の目的では、岩手県内で7市町村、宮城県内では2町村が、補助制度でパワーフェンシングシステムを採用しています(2001年8月末現在)。この他にも、広島県内や長野県内でも、パワーフェンシングシステムはクマ対策事業に採用されています。また、岩手県のシカ対策事業や、栃木県のサル害対策事業や、下北半島のサル害対策の国の補助事業、福岡県内や滋賀県内のイノシシ被害防除でも、パワーフェンシングシステムが採用され、被害防除に効果を上げています。

 

【 クマ被害防除に経験と知識が豊富 】

 当社は、ツキノワグマ対策を平成元年から行っているエキスパートです。それぞれの経験と、実績、豊富な知識がパワーフェンシングシステムに活かされています。

 

【 安全性 】

 パワーフェンシングシステムに流れる電流は500mA(0.5A)です。一般家庭用の100V電源には、30Aもの電流が流れているのに比べて、極わずかの電流しか流れていません。リボンワイーヤーの視認性が高いのも、誤って触れる危険性を少なくしています。さらに、100ヵ国以上で使用され、事故の報告例がないということは、安全性がそれだけ高いからです。ニュージーランドのガラガー社では、各国のPL法にも十分対処できる万全の対策がとられています。ガラガー社のパワーフェンシングシステムは、「世界で最も安全な電気柵」と表現しても過言ではありません。

 とはいえ、触れると大人が尻餅をつくほどの電撃ショックがあります。また、B600やB1200のように1万ボルト以上の電撃ショック(※3)を発生させる機種もあります。安全のために(商用電源のAC100Vまたは200Vを使用する場合には)漏電遮断機を取り付け、ワイヤーには注意標示版を下げたり(※4)、電柵の付近に看板をたてて注意を呼びかけるなどの配慮は必要です。特に子供やお年寄りが電柵に触れないように注意を払ってください。

※3:パワーユニットB600は、アフリカでは象が畑や家を襲うなどの被害対策に使用されています。誤ってワイヤーに触れた牛が、泡を吹いてぶっ倒れたというエピーソードがあるほどの威力です。通常の電柵の電撃にも慣れてしまったクマに対しては、B600やB1200などのような、より強力なシステムが必要になります。
※4:商用電源のAC100Vまたは200Vより電源をとる場合、元電源に一番近いコンセントに「PSEマーク付き漏電遮断機(高速型)」を使用することが、法律で義務づけられました。弊社では「高速漏電遮断機」(税別4,200円)を販売しておりますので、興味のある方はお問い合せください。

 

【 パワーユニットについての補足 】

 強化プラスチック製絶縁体ボディーで作られているので、屋内、屋外のいずれでも設置が可能です。電源から得た電気を5,000ボルトから8,000ボルト(※)のパルス電撃(瞬間電流)に変え、1.2秒間隔でワイヤーに流します。最大の特徴は『電圧調整機能』が備わっていることです。普通の電気柵だと、漏電すると電圧が下り、効果も低下します。しかし、パワーユニットは常に一定の電圧を保つように作られているので、安心してご利用いただけます。

 

※平成8年に、専門業者に依頼して、アースを本格的に設置したある果樹園では、ワイヤーに9,000ボルトのパルス電流を流すことに成功しています。また、上位機種のB600は、10,000ボルト以上のパルス電流を流素ことができます。畑を荒らしたり、人家を壊す象対策として、アフリカでは利用されているほど強力です。

(追加情報)平成10年8月22日に設置した、岩手県沢内村の電気柵は、パワーユニットB160と通常のB160用基本アースセットを使用して、9,000ボルト以上のパルス電流を流すことに成功しました(ワイヤーの延長距離は約300m)。設置条件が良ければ能力を100%引き出すことが可能です。


写真
 
岩手県遠野市のデントコーン畑(写真左)/パワーユニットB160、リボンワイヤー3段張り。バッテリー使用。


※平成16年に、熊が出没して豚舎に侵入している某養豚場の周囲約2500メートルにクマ防除簡易電気柵(パワーフェンシングシステム)を設置しました。


 
クマの足跡が付いている養豚場の窓ガラス。


 
某所の養豚場(2004年9月)/パワーユニットB260を2台、リボンワイヤー2段張り。家庭用100V、ワイヤー延長距離約2500メートル、電源使用。
 写真説明:左下部分からスプリングゲートが延び、パーマネントポストにゲートハンドル(オレンジ色)で取りつけている。白い帯状のものがリボンワイヤーで、黄色っぽい棒状のグラファイポール。


高速漏電遮断機 gif

静岡県西伊豆町で2015年7月19日に、川遊びをしていた家族連れら7人が、土手に設置されていた違法電気ワイヤーが原因で、大人の男性が2人死亡し、5人が重軽傷を負った事故が起きています。近くに住む男性が、アジサイの花壇をシカから守るために違法電気ワイヤーを設置したのが事故の原因です。

通常市販されている電気柵では、このような事故が起きないように安全対策がとられているので、電気柵のワイヤーに触れても、感電死することはあり得ません。ただし、もしま万が一に電源を取っている商用電源から直接電流がワイヤーに漏電で流れた場合に、電流を瞬時で遮断する装置を取り付けることが法令で義務つけられています。

写真の「高速漏電遮断装置」(税別 4,200円)は、どのメーカーの本器にも取り付け可能です。弊社で販売しておりますので、ご興味のある方はお問い合せ下さい。


 

<資料作製:有限会社アウトバック 野生動物対策係>

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注意!

パワーユニットはクマ、シカ、カモシカ、サル、イノシシなどの野生動物の被害防除に効果があります。
ただし、弊社は主にクマ被害防除用のシステムを販売しております。
野生動物の被害防除の中でも、特にサル害対策は莫大な費用と多くの手間と時間が必要になります。
弊社はサル害対策の専門家ではございませんので、サル害対策のご相談についてはお断りすることがございます。予めご了承下さい。



有限会社アウトバック
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