重要なお知らせ(2021年6月25日)
叉鬼山刀の鍛造師 第四代西根正剛(西根登)さんは、今月病気の治療のために入院いたしました。仕事に復帰するまで約1年かかるとのことです。NHKの番組で叉鬼山刀が紹介されて以来、お問い合せが増えているだけに誠に残念です。病気が完治され元気に復帰されることを願っております。なお、既に袋ナガサ7寸は欠品しておりますが、他の叉鬼山刀も在庫が切れましたら、暫く入荷はございませんので宜しくお願いいたします。
2005年4月12日のNHKニュース「おはよう日本」で、叉鬼山刀が紹介されました。
●袋ナガサ(8寸、7寸)
●柄付ナガサ(8寸、7寸)
●4寸袋ナガサ、4寸柄付ナガサ
●価格表 (左用の価格についてもこちらをご覧下さい)2021年2月1日より新価格に移行します。
●6寸袋ナガサ 、6寸柄付ナガサ
●鍛造師・四代目西根正剛(西根
登)の叉鬼山刀
●幻の9寸5分袋ナガサが復活
●9寸5分柄付ナガサの取扱開始(受注生産)
・マタギ御用だつの叉鬼山刀
・究極のサバイバルナイフ
・最後の叉鬼山刀職人 三代目西根正剛
・叉鬼山刀と幻の鋼材
・天然秋田杉の鞘
・袋ナガサと柄付ナガサ
・伝統の技「裏打ち」についての説明
●故三代目西根正剛(西根稔)の叉鬼山刀と四代目西根正剛(西根
登)の叉鬼山刀の比較写真
●叉鬼山刀は秋田県優良県産品です
●叉鬼山刀を紹介している書籍
●マタギについて書かれている書籍
●その他の和式刃物
【お知らせ】
・2021年2月より新価格に移行します。
・2021年2月より、6寸袋ナガサ、6寸柄付ナガサにも革ベルト(脱落・落下防止用)が標準装備になります。
・2021年2月より、4寸5分寸袋ナガサ、4寸5分寸柄付ナガサにも革ベルト(脱落・落下防止用)が標準装備になります。
・『矛盾なき労働と食文化「マタギ」』(.田中康弘・著/.瑛(えい)出版社)が2009年4月10日に発売になりました。
・掲載中の画像に写っている「秋田県優良県産品」のシールは、現在貼られておりません。
●写真:上/8寸袋ナガサ、下/7寸袋ナガサ ●天然秋田杉の鞘が付属する
※画像に写っている「秋田県優良県産品」のシールは、現在貼られておりません。
マタギ御用だつの叉鬼山刀
古の昔より熊やカモシカ等の獲物を求め、北はカムチャッカ半島から、南は奈良県までの山々を駆け巡ってきた山の民〈マタギ〉。その歴史は450年とも、600年以上ともいわれている。そのマタギの発祥の地、秋田県北秋田郡阿仁町で、今もなお、日本古来の裏押刃物が一丁ずつ手打ちで作られていた。
マタギが使う山刀を、古来から『ナガサ』と呼ぶ。最近はあちらこちらでナガサを模した刃物や、いかにもマタギが使用していると、消費者が誤解を受けるような宣伝文句の狩猟刀のたぐいが、恥ずかしげもなく堂々と売られている。誠に嘆かわしい事である。ここに紹介する『叉鬼山刀』こそ、現役の阿仁マタギが今も使っている正統なナガサである。
●写真:上/8寸柄付ナガサ、下/7寸柄付ナガサ ●天然秋田杉の鞘が付属する
※画像に写っている「秋田県優良県産品」のシールは、現在貼られておりません。
究極のサバイバルナイフ
「山で迷っても、ナガサが1本あれば生きのびることができるのしゃ…」と、あるマタギのシカリ(統率者)が話してくれたことがある。生来のハンターであり、アウトドアのスペシャリストのマタギにとって、叉鬼山刀は必需品というよりも、命の次に大切な道具である。
ナガサが1本あれば、彼等はマタギ小屋(猟に使うシェルター)を作ることができる。枝を払う時は鉈の代用にもなる(注1)。ブッシュナイフのように薮を切り払うときにも使用するし、包丁代わりにナガサで山菜や岩魚も調理する。さらに、天然杉で作られた鞘は、まな板の代用にもなる。もちろん、ナガサは生粋の狩猟刀である。クマやシカ、兎などのどんな獲物でも、彼等はナガサ一本で楽々と解体する。緊急の際は、ナガサをハーケンがわりに岩に突き刺し、崖さえも登る。また、「熊に襲われたときに、ナガサを使ってどの様に戦うかは、先輩のマタギから後輩に伝えられている」そうだ。万能刀、そして究極のサバイバルナイフ─それが叉鬼山刀である。
最後の叉鬼山刀職人 三代目西根正剛
叉鬼山刀を作ることができる唯一の鍛冶師、故三代目西根正剛(本名:西根 稔)氏は、最後のナガサ鍛冶であった。ルーツは新潟県にあったさる藩の刀鍛治だそうだ。そして、阿仁町のマタギをはじめ、各地のマタギとも交流を持ち、自らも35年以上も熊撃ちを続けている優れたマタギであった。故西根稔氏の作り出す叉鬼山刀は、何十年もの間様々な条件の中でフィールドテストが繰りかえされ、常に改良を加えながら優れた叉鬼山刀を作り続けてきた。これは他の鍛冶職人には、けして真似のできないことである。
ナガサには、数百年来のマタギの魂が込められているという。故西根稔氏は若い頃よりマタギの家々を訪ね歩き、マタギの伝統や歴史について調査、研究を続けてきた。マタギの伝統や技、歴史を知らない人間に、叉鬼山刀を作ることはできない。
故西根稔氏は、日本古来の鍛造の技法と、経験と勘、彼独自の秘伝を持って、1本1本の叉鬼山刀を全て彼一人の手で作り上げていた。普通の鉈なら1日20本作れても、叉鬼山刀は5丁作るのが精一杯である。また、作業には長時間の精神集中が必要で、叉鬼山刀を作り上げたあとは心身共にフラフラになると生前話し聞かせてくれた。
故西根稔氏は日本を代表するカスタムナイフメーカーの諸氏や、大学の研究者とも交流を重ね、常に己の技に磨きをかけていた(注3)。彼は弟子をとらず、叉鬼山刀を一人で作り続けていた。叉鬼山刀はメンテナンスさえよければ、数代にわたって使える逸品である。
●写真:上/4寸5分袋ナガサ、下/4寸5分柄付ナガサ ●天然秋田杉の鞘が付属する
※画像に写っている「秋田県優良県産品」のシールは、現在貼られておりません。
※2021年2月より、6寸袋ナガサ、6寸柄付ナガサにも革ベルト(脱落・落下防止用)が標準装備になります。
叉鬼山刀と幻の鋼材
叉鬼山刀の鋼材は、日本刀の素材としても有名な島根県の安来鋼である。それも終戦前までに製造された鋼(はがね)をストックし、叉鬼山刀だけのために使用している。今でも日立金属はヤスキハガネを製造しているが、戦前のヤスキハガネとは全く別ものである。他社がこの鋼を手に入れることは、もはや不可能である。
その鋼に中軟鉄を鍛接している。ヤスキ鋼と中軟鉄を合わせ、何度も熱して打ちたたくことにより不純物を取り除き、純粋な鋼に鍛え上げていく。また、焼入れには、ある植物から抽出したエキスの入った、秘伝の油が使われている。
故西根稔氏の経験と勘に裏うちされた技術と、彼の天性によって、叉鬼山刀には作り上げられている。また、叉鬼山刀には、先達から引き継いだ日本刀の「裏打ち」の技と伝統が、今もなお生きている。
天然秋田杉の鞘
叉鬼山刀の鞘には天然秋田杉の一枚板が使われている。秋田杉は軽くて水濡れにも強いので、刃が錆びにくい。また、殺菌作用もあるので、まな板の代用にもなる。さらに、日本一の秋田県角館市の樺細工が、鞘の化粧帯に使われている。常に眞物を追い求める故西根稔氏の姿勢がうかがわれる。ただし、資源保護のために、あと数年で天然の秋田杉の伐採は中止になるそうだ。そうなると、この伝統工芸品とも言える鞘は、いつかは他の材に変わることだろう。
袋ナガサと柄付ナガサ
ナガサにはニつの型がある。ブレードとハンドルが、一体になった『袋ナガサ』。柄(ハンドル)が堅くて丈夫な樫材で作られた『柄付ナガサ』である。
袋ナガサは、マタギが古来より用いている、伝統的なナガサである。いざという時には、まっすぐな木を中空のハンドルに差し込み、目釘を打ってタテ(マタギが使う槍)として使う。昔の銃は弾込め式で、弾を1発しか撃つことができなかった。クマと対峙したときに、撃ち損じたり、手負いにした場合は、タテかナガサでクマと戦うしかなかったのだ。手負いのクマにとどめを差すために、故西根稔氏が袋ナガサでクマを倒したことが3回もあったそうだ。
もう一方の樫(かし)の柄の付いたナガサは、鉈の感覚で扱うことができる。枝打ちに使うのなら、柄付ナガサの方が使い勝手がよい。また、金属の柄の袋ナガサは、冬の寒いときに素手で使用するのは辛い。マタギは、自分が獲った獲物の皮、藤蔓、ビニールテープ等を巻いて使っている。ゴルフクラブや、テニスラケットのグリップに使用するテープを巻いてもよい。叉鬼山刀は、使う人が使いやすいように、工夫するのが、正しい使い方である。
叉鬼山刀の切れ味は驚くほど鋭い。光輝くエッジを見ているだけで、背筋がぞくぞくするほどだ。どちらのナガサも、バランスが非常によいので、とてもしっくりと手に馴染む。袋ナガサは9寸5分、8寸、7寸、6寸、4寸5分の5種類、柄付ナガサも9寸5分(※)、8寸、7寸、6寸、4寸5分の5種類がある。刃は伝統的に片刃である。どのタイプもオーダーメードで左利き用も作ることができる(ただし、受注生産の特注品のため納品までに時間がかかる)。
※2021年2月より9寸5分柄付ナガサの受注を始めます。これは受注生産となりますので、受注から納品まで2〜3ヶ月みてください。詳細はお問い合せください。
伝統の技「裏打ち」の説明
あるお客様が「ブレードが曲がっている」と言って、購入したアウトドアショップに叉鬼山刀を持ち込んだ。お客様に誤解が生じているので、「裏打ち」について説明を加えることにする。実は「ブレードが曲がっている」のではなく、はじめから叉鬼山刀はブレード(刃)の背中(裏)が少しそって作られているのだ。これが「裏打ち」である。1本ずつ鍛錬して作られている叉鬼山刀の魅力の一つでもある。「マタギが使用している和式刃物」等の宣伝文句で売られている、まがい物の刃物には真似ができない。
このように故西根稔氏の叉鬼山刀は、和式刃物の伝統の技・「裏打ち」が用いられている。
叉鬼山刀の「裏打ち」について、『日本達人紀行』(無明舎出版・発行)の中で著者の北川広二氏は次のように記述している。「地金と鋼が付終わり、”裏打ち”に移る。(裏打ちとは、片刃の背中に微妙な反りをつけること。片刃の刃物では、世界に例がなく、日本ならではの技術で、刀剣や柳刃包丁、カンナにもみられる。)。ここにも、日本刀の奥義が生きていた。」
(注1)4寸5分袋ナガサは枝打ちには使用しないでください。枝打ち用には、7寸か8寸柄付ナガサをお薦めします。
(注2)4寸5分袋ナガサのデザインには、カスタムナイフメーカーの相田義人氏のアドバイスが活かされています。
4寸5分袋ナガサはブレードの厚さが薄く、ナイフ感覚でお使いいただけます。
(注3)「叉鬼山刀」「袋ナガサ」は西根打刃物製作所の登録商標です。
6寸袋ナガサ、6寸柄付ナガサ
●写真:6寸
柄付ナガサ ●天然秋田杉の鞘が付属する(※6寸の袋ナガサと柄付ナガサは、鞘の形状が写真のように変更になりました)
※画像に写っている「秋田県優良県産品」のシールは、現在貼られておりません。
※2021年2月より、6寸袋ナガサ、6寸柄付ナガサにも革ベルト(脱落・落下防止用)が標準装備になります。
定番商品の叉鬼山刀に新製品が登場した。平成13年1月から『6寸袋ナガサ』が仲間入りした。ブレードは7寸袋ナガサよりも細身で、刃もやや薄くなっている。これは、使いやすさと切れ味を追求した結果だと、故西根稔さんは教えてくれた。そして、「登山者や山菜採り、キノコ採りの人には6寸が使いやすいだろう」と話していた。
鍛造師・西根
登(四代目西根正剛)の叉鬼山刀
現在入手できる叉鬼山刀は、鍛造師・西根
登(四代目西根正剛)氏が鍛造しているもののみである。当然ながら、弊社で現在扱っている叉鬼山刀は西根
登氏が鍛造したものである。
西根 登氏の鍛造した叉鬼山刀は、三代目西根正剛(故西根
稔)が心血そそいで完成させた叉鬼山刀を忠実に再現している。鋼も故人が使っていたものと同じ鋼材が使用されている。
鍛造師・西根
登氏は三代目西根正剛の技を受け継いだ、唯一の叉鬼山刀職人である。
故三代目西根正剛(西根
稔)の叉鬼山刀と鍛造師・西根 登の叉鬼山刀の比較写真
写真上/故三代目西根正剛(西根
稔)作叉鬼山刀 写真下/四代目西根正剛(西根 登
)作・叉鬼山刀(写真をクリックすると拡大します)
ブレードの表面にある刻印「叉鬼山刀」(またぎながさ)。なお、「叉鬼山刀」と「袋ナガサ」は西根打刃物制作の登録商標です。
裏面の刻印はこちら。
西根打刃物製作所製造の本物の叉鬼山刀の柄の部分には、「登録商標」が貼られています。
もしも、このシールが貼られていない叉鬼山刀を見つけたら、「贋作」の可能性があるのでご注意下さい。
※画像に写っている「秋田県優良県産品」のシールは、現在貼られておりません。
幻の9寸5分袋ナガサ・復活!
■西根打刃物製作所/特注品
叉鬼山刀 9寸5分フクロナガサ 税込 ¥49,500 / 税別 ¥41,000
(新価格)
叉鬼山刀を世に広めた功労者、故西根
稔(三代目西根正剛)氏が生前お客様の注文でごく少数製作したことのある大振りの叉鬼山刀がある。それが9寸5分フクロナガサである。幻の叉鬼山刀と呼ばれ、その存在も関係者以外にはあまり知られることがなかった。
9寸5分もの大型のフクロナガサを鍛造するのは、大変困難な作業であった。この度鍛造師・西根
登氏(四代目西根正剛)によって見事に復刻することができた。
まさに三代目西根正剛が後生に残した逸品といえよう。
※9寸5分袋ナガサは特注品ですので、入荷数は限られております。ご注文の際には在庫状況をお確かめください。
※画像に写っている「秋田県優良県産品」のシールは、現在貼られておりません。
【仕 様】
●鋼材/戦前のヤスキハガネ 軟鉄 ●柄/樫 ●付属品/秋田杉の鞘・革のベルト付
●全長/470mm ●刃渡り/285mm ●身厚/6mm ●刃幅/56mm ●重さ/570g ●片刃
●主な用途/狩猟、山菜・キノコ採り、キャンプ等アウトドア、コレクション
●メンテナンス/炭素鋼のため錆が出やすいので、使用後は樹液などを良く拭き取り、刃物油が食用油(オリーブオイル)などを塗っておくと良い。
叉鬼山刀 9寸5分柄付ナガサ 税込 ¥47,300 / 税別 ¥43,000
(新価格)
※9寸5分柄付ナガサは特注品です。受注生産になりますので、受注から納品まで2〜3ヶ月みてください。
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注文の際にはサイズを明記してください。 |
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