過去の新規情報 VOL.2-3-2



赤鉛筆 過去の新規情報 (2000.07.01〜2000.12.22)


2000/12/22   トラジローの森ネットワークが受賞icon 北海道の生活文化の向上や産業の発展などに寄与しようと、平成4年から読売新聞北海道支社が創設している「北のくらし大賞」に、野生動物のための森作り(苫小牧市 トラジローの森ネットワーク)が準大賞を受賞しました。「フーテンの寅さん」のようにふらふらと歩き回るので、こう名付けられたヒグマの「寅次郎」。苫小牧市周辺の東西約80キロに及ぶその行動範囲に、わずかに残された森「緑のコリドー(回廊)」を保全することで、同ネットは野生動物と人間との共生を目指しています。今年2月、寅次郎の移動ルート上にある1市3町の森づくり市民団体5グループで「トラジローの森ネットワーク」が発足。北海道大学苫小牧演習林のヒグマ研究者グループが、3年前に捕獲した雄のヒグマに電波発信機をつけて追跡調査を行ったところ、人目を避けて道央自動車道や工業地帯を通り抜け、日高地方と胆振地方を行き来していることが分かりました。ところがその通り道の森は、国道の拡幅工事や空港滑走路の延長などで、分断の危機にあります。トラジローの森ネットワークの青井俊樹代表(元北大苫小牧演習林長/岩手大学教授)は、「開発前の森林買収など、今後も精力的に 森づりに取り組みたい。準大賞の受賞で活動に弾みがつく」と感激しています。(読売新聞北海道版 平成12年12月12日)

2000/12/22   クマの誤捕殺を防ぐ提案icon 最近、全国各地でイノシシ用の捕獲罠に誤ってツキノワグマがかかり、それを捕殺する事件が増えています。弊社の「クマ被害防除」のページに、イノシシ用の罠でクマの誤捕殺を防ぐ提案を新しく載せました。

2000/12/21   
第4回東中国クマ集会のご案内icon 平成13年1月28日(日)に兵庫県で、第4回東中国クマ集会(主催:兵庫県立人と自然の博物館・東中国クマ集会実行委員会)が開催されます。西日本のツキノワグマの孤立個体群は『絶滅のおそれのある地域個体群』として環境庁のレッドデータブックに挙げられており、このままでは地域的な絶滅の可能性が高いことが指摘されています。東中国山地(兵庫県、鳥取県および岡山県の境界に位置する)は地域的な絶滅が危惧されるツキノワグマの地域個体群のひとつです。東中国クマ集会実行委員会はこれまでに3回のシンポジウムを開催し、東中国地域で人とツキノワグマの間におこるさまざまな軋轢の緩和のため、地域住民とのコミュニケーションを図ってきました。基調講演は作家のC.W. ニコル氏が行う予定です。詳細はこちらをご覧下さい

2000/12/21   
岩手県版レッドデータブックicon 岩手県は12月19日、「希少野生生物種のリスト」(岩手県版レッドリスト)の暫定版を公表しました。絶滅の危機にある「Aランク」にはホンドザルやナンブイヌナズナなど146種を挙げられています。 今後、県自然環境保全審議会専門委員会(座長・由井正敏・県立大学総合政策学部教授)が「種の保存に関する条例」の制定を視野に検討し、来年8月に県へ基本方向を答申する予定です。岩手県は同年中にも条例を制定する方針です。(岩手日報 平成12年12月20日朝刊)

          なお、岩手県版レッドリスト(暫定版)は岩手県自然保護課のウェブサイトでも公表 されています。それによると、
ツキノワグマは「Dランク」です。岩手県自然保護課のウェブサイト の説明によれば、「Dランク」は以下の通りです。

          「Dランク」
          1 
Cランク(準絶滅危惧種/存続基盤が脆弱な種)に準ずる種
          2 優れた自然環境の指標となる種
          3 岩手県を南限又は北限とする種
          4 現状では絶滅のおそれはないが、最近減少が著しい等、Cランクに準ずる種

          岩手県のURL.
http://www.pref.iwate.jp/
          岩手県自然保護課のURL.
http://www.office.pref.iwate.jp/~hp0316/

2000/12/15   軽井沢町(長野県)訪問記icon国際的にも有名な別荘地の長野県軽井沢町ですが、近年クマの出没が著しく増え、大きな社会問題となっています。人間の出すゴミの味を覚えたクマは、夜になると町中や別荘地、観光施設やキャンプ場などに出没し、生ゴミやゴミ箱などを荒らしています。そこで、軽井沢町では地元の民間企業やボランティア団体と協力して、ユニークはクマ対策に取り組んでいます。環境教育やエコツーリズム、自然観察会などを企画しているセクション(ピッキオ)を備える星野リゾートでは、民間のボランティアと共同で1998年から独自にクマの調査と被害対策に取り組んできました。捕獲したクマに発信機付の首輪を付けて放獣し、その行動を追跡調査をしています(現在追跡しているツキノワグマは7頭)。ピッキオが設置した暗視撮影自動ビデオの撮影した、ゴミ箱からゴミ袋を盗んでいくツキノワグマの映像は、全国ネットのテレビニュースで放送されたので、御覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。また、1999年に某別荘地に設置してあった軽井沢町所有の物置型ゴミ箱を、ボランティア団体の予算で中古コンテナに置き換えたところ、クマにゴミを荒らされることが無くなりました。そこで、クマ出没が問題になっていた町営のキャンプ場も、ゴミ箱を中古コンテナに置き換えたところ、今年はクマの出没が見られなくなりました。ボランティア団体などは、野外に設置してあるゴミ箱を、中古コンテナに順次置き換えるように軽井沢町に対して働きかけています。なお、中古コンテナは改造費やペンキ塗り替え代を含めても約10万円の予算で済むそうです。また、軽井沢町役場ではツキノワグマとニホンザルの調査・被害対策を、(株)星野リゾートに今年から委託しています。それに合わせて、(株)星野リゾート・ピッキオではツキノワグマの研究者とニホンザルの研究者をスタッフに加え、日夜調査活動を行っています。その他にも、軽井沢町ではゴミ収集管理体制を強化するなど、積極的なクマ被害防除対策に取り組んでいます。

                      
●問い合わせ先/軽井沢町役場農林課  長野県軽井沢町大字長倉2381-1
                                        TEL:0267-45-8572 FAX:0267-46-3165
                             
星野リゾートピッキオ 長野県軽井沢町星野
                                        TEL:0267-46-666 FAX:0267-46-6666

2000/12/15   行政担当者・必見のクマ対策!!icon軽井沢町(長野県)で行われている、積極的なクマ対策の取組を紹介するページを新設しました。クマによるゴミ被害で困っている行政担当者は必見です!

2000/12/15   
イノシシが女子中学生を襲うicon神奈川県箱根町で12月13日、クラブ活動を終えて散歩中の女子中学生4人にイノシシが襲いかかり、一人が1週間以上の入院が必要な大けがを負った。イノシシは推定5~6歳の雄で、出動した猟友会によって14日午後3時頃、現場から約2キロ先の藪で射殺された。体長は150センチ以上、体重約120キロの大きなイノシシだった。神奈川県警小田原署の調べでは、13日午後4時40分頃、箱根町仙石原のテニスコート脇の小道で、町立中学2年生の女子生徒4人が、クラブ活動を終え近くの川に向かって散歩していたところ、突然、藪からイノシシが突進してきた。イノシシは先頭の生徒(14)に体当たり。この生徒が倒れると、腰や脚、背中などを牙で4,5回刺した後、藪の中に姿を消したという。他の3人には怪我はなかった。当時、付近で数匹の犬の鳴き声がしており、野犬か、約1キロ離れた狩猟区から猟犬に追われ、イノシシが興奮していた可能性があるという。(岩手日報 平成12年12月15日朝刊)

2000/12/15   
奥山放獣されたクマのその後icon宮城県仙台市を中心に活動しているNGO「ツキノワと棲処の森を守る会」の会報『ツキノワグマの代弁』NO.53 2000年11月号からの転載です。宮城県ではツキノワグマの行動調査を、ツキノワと棲処の森を守る会の協力を得て1995年から3年間実施され、1995年、1996年の2年間に、宮城県七ヶ宿町、蔵王町で有害鳥獣駆除で捕獲された5頭のツキノワグマに発信機付の首輪を装着して奥地に放獣した。そのうち、追跡可能だった3個体をツキノワと棲処の森を守る会のメンバーが追跡した。その結果、調査を県から委託された(財)自然環境研究センターが調査をまとめ、宮城県から立派な報告書が発行された。今年8月末、『山形県高畠町で首輪の付いたクマが有害鳥獣駆除で捕獲された』との情報が入いる。クマは既に殺されていたが、山形県高畠町は宮城県七ヶ宿町と隣接しており、放獣したクマの可能性が高かった。そこで、ツキノワと棲処の森を守る会代表の板垣悟氏が9月9日に高畠町に行き、捕獲されたクマが宮城県の調査で放獣したクマであることを確認した。「よく5年間もこの首輪を付けたまま生きていたものだ。首輪の裏を見ると、かなりすり減っていて、クマは窮屈で邪魔な思いをしていただろうと、なんだか申し訳ないという気持ちが湧いてきた。首輪を付けて、嫌な思いをしながら調査に協力してくれたクマに感謝し掌を合わせた。」と、ツキノワと棲処の森を守る会代表・板垣 悟氏の言葉。

2000/12/15   
宮城県仙台市で熊の誤捕獲icon宮城県仙台市を中心に活動しているNGO「ツキノワと棲処の森を守る会」の会報『ツキノワグマの代弁』NO.53 2000年11月号によると、イノシシの有害鳥獣駆除に熊用の捕獲檻が使用され、熊が誤捕獲されるという事件が、今年の6月に仙台市で発生していたそうです。さらに、本来であれば目的外の捕獲であり、放獣されるべき熊は、檻の中で暴れて爪や牙を欠損してしまったとの理由で、結局殺されてしまったとのことです。イノシシの有害鳥獣駆除の許可を受けているので、熊が誤って捕獲された時点で狩猟法に違反したことになります。さらに、誤捕獲したクマを射殺したことは、行政は何らかの許可をハンターに与えたと想像しますが、かなり法的に問題が多い処置だったと思います。本件に関しては、熊の駆除許可権当局の宮城県、イノシシの駆除許可権当局の仙台市双方が既に反省の意を示しているが、イノシシの有害鳥獣駆除に括り罠(くくりわな)の使用を考慮していると、「ツキノワと棲処の森を守る会」では危機感を持っています。なぜならば、イノシシ用の括り罠にツキノワグマが誤まってかかり、その結果罪のない熊が殺される例が全国的に増えているからです。ただし、イノシシは近年暖冬や積雪の減少等の理由で生息地を拡大しつつあり、また、イノシシの被害はクマ以上に甚大であるのも事実です。そこで「ツキノワと棲処の森を守る会」では、括り罠の普及を見直すように、仙台市長にハガキを送る運動を行っています。詳細は「ツキノワと棲処の森を守る会」事務局にお問い合わせください。
          なお、クマの誤捕獲を防ぐ有効な手段として、滋賀県にある獣害総合研究所の高木直樹代表や、群馬県の(社)桐生猟友会・野生動物保護管理委員会では、イノシシ捕獲用の檻罠の天井部に丸い穴を開け、誤って檻に入ったクマがその穴から逃げられるものを考案しています。もちろん、この穴からイノシシは逃げ出すことができません。私も仙台市長宛に天井部に穴を開けたイノシシ捕獲用の檻罠について、ハガキに書いてお知らせいたしました。

         
●ツキノワと棲処の森を守る会事務局/〒982-0012 宮城県仙台市太白区長町南2-15-21-3
                           TEL&FAX:022-246-0496 E-mail. kumall@f4.dion.ne.jp, DQMO5246@nifty.ne.jp


2000/12/15   
Magazineicon"NATIONAL GEOGRAPHIC" 日本版(日経ナショナルジオグラフィック社/840円)12月号に、ホッキョクグマの親子の取材記事が掲載されています。『子グマの春』〜ホッキョクグマの母と子の初めての旅立ち〜というタイトルの記事と写真は、写真家のノアバート・ロージング氏によるものです。観察地はカナダ・マニトバ州のワパスク国立公園。1頭の母グマが3頭の子グマを連れて、巣穴から北極海に移動する様子が写真と文で語られています。写真掲載点数11枚(巻末にさらに1枚あり)。

2000/11/28   岡山県ツキノワグマフォーラムicon広島県在住のFさんから寄せられた、岡山県ツキノワグマフォーラムの新聞記事をご紹介します。Fさんどうもありがとうございました。
          『ツキノワグマと共存・県フォーラム 村長ら200人参加』
          
「県ツキノワグマフォーラム」(岡山県、県環境保全事業団など主催)が11月25 日、西粟倉村影石の国民宿舎あわくら荘で始まった。東中国山地のツキノワグマは絶滅の恐れがあるとされ、県北に生息しているのは約10頭(県調査)。11月19日には湯原町の山中で罠にかかっているのが見つかる騒ぎがあったばかり。約200人が出席してクマとの共存の道を探った。 副題は「森の隣人とのこれから」。環境庁の外郭団体・自然環境研究センターの米田政明研究主幹が「山から降りてくるツキノワグマ」と題して基調講演。里に出没することが多くなったクマへの対応として、捕獲・駆除は生態系に悪影響の恐れがあり、放置すると里山に依存する習性が強まると解説。「緊張関係を持ちながら共存することが重要。」と指摘した。 続いて、川崎医療福祉大学の佐藤国原教授をコーディネイターにパネルディスカッション。県養蜂組合連合会の鈴木茂男会長は「保護一辺倒には反対。養蜂かは被害にあって困っている。ドングリの木を奥山に植林するべきだ。」と、クマの食性に配慮した対応を提言。生息数がもっと多いのではとの疑問に対し、ツキノワグマ研究グループの矢吹章代表は「行動域を広げ、早く移動している。親子グマが確認された例は少ない。」と否定的見解を示した。 日本熊森協会の森山真理子会長は保全の立場から「クマが棲める森を返してやる必要がある」と強調。道上正寿粟倉村長はクマは有害という村民感情と、自然保護との間で行で行政対応の難しさを語った。26日は村内のツキノワグマ生息域を視察する。(平成12年11月26日 山陽新聞岡山県全県版)

2000/11/25   
i-modeでもクマ情報iconNTT DoCoMoの携帯電話、i-modeでもクマ情報が見られるようになりました。コンテンツの数はまだ少ないですが、「クマに出会わない方法」をアップしました。i-modeにBookmarkして、クマの生息地に行く前に確認してくださいね。

           
アイコン i-mode用のアドレスはこちらです。 http://outback.cup.com/i-modeindex.html

2000/11/25   
Link情報icon山形の野生動物を考える会の鹿俣さんが管理運営をしている、里山の自然と野生動物の仮想観察フィールドを中心としたウェブサイト「ひょうたん島の情報基地」とリンクしました。里山に生息する野生動物たちの観察レポートや、足跡やロボットカメラで撮影した写真など、興味深い内容がたくさん紹介されています。

2000/11/25   Link情報iconアニメーションと鉄道情報が満載のウェブサイト「クマ町役場」とリンクしました。え、クマはどこにいるかって?それは見てからのお楽しみ。素敵なアニメーションや全国の駅弁情報などが満載です。盛岡駅で販売している、私の大好きな駅弁も紹介されていました。

2000/11/22   
エッグチョコに続いてクマのおまけチョコがブレイク中!icon明治製菓では、小さなクマのぬいぐるみをおまけに付けたチョコレート菓子「365日のバースデーテディ」(180円)を販売しています。おまけの小さなクマのぬいぐるみには、誕生日と名前が付いていて、全部で365種類もあり、若い女性中心に人気が急騰中です。今年7月に中部地区で販売を開始、11月から関東・甲信越地域と静岡県でも発売が始まりました。生産体制が整い次第、順次販売地域を拡大する予定です。人気の秘訣は小さなクマのぬいぐるみの種類の多さと、明治製菓のホームページ内の専用コーナーに、消費者どうしがお目当てのクマを捜しや、情報交換をしたりする掲示板を設けたり、365種類のクマを一覧できるなどの工夫(注1)をしているからでしょうか。(平成12年11月21日 日本経済新聞)

          
●注1:365種類のテディーが一覧できるリーフレットを、PDF形式でダウンロードできます。ただし、時間がかかりますよ。

2000/11/22   
ニホンオオカミそっくり?icon11月 16日に既にご紹介している「ニホンオオカミ」にそっくりな動物の写真と記事が、11月21日の朝日新聞や日本経済新聞などに掲載されました。朝日新聞の記事には次のように書かれていました。「絶滅したとされていたニホンオオカミによく似た動物を、北九州市門司区に住む福岡県立小倉西高校長、西田 智さん(60)が九州中部の山中で目撃した。西田さんは20日。同市役所で記者会見し、この動物の写真を公開した。」「西田さんいよると、目撃したのは今年7月8日夕。ツキノワグマやニホンオオカミの調査に九州中部の山中に入り、犬ような動物に出会った。小野形などの特徴が、雑誌で見たニホンオオカミの写真と似ていたため、写真を撮った。」「西田さんは元国立科学博物館動物研究部長の今泉吉典さんに写真を郵送し、鑑定を郵送し、鑑定を依頼。ニホンオオカミに見られるとの回答があったという。」「写真を鑑定した今泉吉典・元国立科学博物館動物研究部長(哺乳類分類学)は『尾の先端が切れたように丸くなっており、犬や大陸オオカミと違う、ニホンオオカミ特有の特徴をもっている。耳の後ろや前脚の外側などの部分がオレンジ色がかっているという点も、オランダなどにある標本と共通している』と話し、ニホンオオカミの可能性があると見ている。」「一方、丸山直樹・東京農工大教授(野生動物保護学)は『学会で発表されたときに写真を見たが、野犬のシェパードに見えた。野生動物が写真を撮られるような所に簡単にでてくるのは不自然だ。種の判定は、DNA鑑定など科学的根拠に基づいて行わなければならず、写真だけでは判断できない。」 西田さんは4,5百本の体毛と20数個の糞も採集されており、今後は専門家の鑑定を予定されているそうです。どのような結果がでるのかとても興味があります。なお、西田 智さんとはクマのことで、以前情報交換をさせていただいたことがあります。

2000/11/21   
リゾート企業がクマの調査!?icon長野県軽井沢町には、野鳥愛好者や野生動物研究者には知らない人はいないと言われるぐらい有名な、野生動物との共存を目指す(株)星野リゾートがあります。星野リゾート・ピッキオでは、野生鳥獣の専門家が自然観察会やバードウォッチング、エコツアー等を開いています。昨日星野リゾートから届いたニュースレター・「HOSHINO Resort Letter」2000 WINTER VOL.35に、クマに関連する記事が載っていたのでご紹介いたします。
          ピッキオに勤めるツキノワグマの専門家が、軽井沢町から委託を受けたクマの追跡調査を行っています。調査の結果から、クマは夏の間かなり頻繁に、町内のゴミ置き場で生ゴミをあさっていることが確認されました。ゴミを食べることで人になれたクマは人間と遭遇する可能性が高く、危険な状況が軽井沢町では続いていました。万一、事故が起きれば人が傷つき、クマは危険な動物として排除(有害鳥獣駆除)されます。不幸な事故を防ぐためにも、人間とクマが一定の距離を保つ対策が必要です。今までの調査結果を基に、軽井沢町ではゴミ収集管理体制の強化を検討すると同時に、住民や別荘客、観光客など、軽井沢町に滞在する全ての人々に、ゴミ出しルールを厳守するように働きかけているそうです。星野リゾート・ピッキオは素晴らしい仕事をしているし、軽井沢町も良い取り組みをされていると思います。
          星野リゾートではメッチャ旨い地ビール(インターナショナル・ビアサミット大阪で[よなよなエール]が金賞を受賞)を生産・全国発送しています。また、冬の間は様々な自然観察会やバードウォッチング、エコツアーを企画しています。さらにさらに、12月はクリスマス企画として、レストラン「ノーワンズレシピ」では、この時期限定のクリスマス・スペシャルディナーをご用意して、皆様のお越しをお待ちしています。なお星野リゾートでは、当社の
南部熊鈴などを販売していただいております。

2000/11/16   
野生生物保護学会で、興味深い野生イヌの発見報告icon去る11月3日〜4日に東京大学で開催された野生生物保護学会2000年大会にて、西田 智氏(福岡県立小倉西高等学校教諭)より「九州の祖母・傾・大崩山系で見つかった野生犬について」という、とても興味深い発表がありました。明治時代に私たち日本人によってニホンオオカミとエゾオオカミが絶滅されています。ニホンオオカミ、あるいはオオカミと別種のヤマイヌの剥製標本は、和歌山大学、東京大学、国立科学博物館(東京都上野)、大英博物館(英国)、ライデン博物館(オランダ)等にしか現存されていません。しかし、幻のニホンオオカミはまだ生き残っていると信じ、今も調査している人々は少なくありません。
          今回は、外国産の「ウルフ」に匹敵する(日本産)オオカミは既に絶滅したかもしれないが、ライデン博物館に残されている小型の野生イヌ(ヤマイヌ)がまだ生き残っている可能性について、西田氏から口頭発表されました。公開されたスライドには、明らかにイヌと異なり、ヤマイヌと形態的に共通の特性(尾が途中で切れているような形態、たてがみ状の毛が密生している、胸の所に長い体毛がある、胸が厚く腹がぎゅうっと細くしまっている、等)備えていました。西田氏が今泉吉典教授に照会したところ、「Temminikが1839年にCanis hodophilax(ニホンオオカミ)と命名したものとしか同定できない奇妙な動物です」という返事が返ってきたとのことです。ただし、現時点では「ニホンオオカミ」とも「ヤマイヌ」とも確定されていません。個人的な意見ですが、今回の野生生物保護学会の発表の中では、最もセンセーショナルな発表であったと思います。


2000/11/16   野生生物保護学会icon去る11月3日〜4日に東京大学で開催された野生生物保護学会2000年大会大会にて発表された、クマ関連の発表は以下の通りです。
          「静岡県におけるツキノワグマの生息状況」(大場孝裕・静岡県林業技術センター/望月敬史・静岡野生生物研究会)、「山梨県における有害鳥獣駆除括り罠によるツキノワグマの錯誤捕獲問題と解決への糸口」(山元郷介/にっさい動物病院・今木洋大/山梨県環境科学研究所・Caitlin B Angeli/(株)野生動物保護管理事務所)、「クマの奥山放獣に対する地域住民の認識と合意形成」(藤原千尋/北海道大学大学院農学研究科・土屋俊幸/岩手大学農学部農林環境学科)以上口頭発表。「山梨県における野生動物による果樹被害の実態と農家の意識」(今木洋大/山梨県環境科学研究所・竹鼻悦子/山梨大学・山元郷介/にっさい動物病院)、「北海道で最近10年間に起きたヒグマによる死亡事故・被害の分析と対策」(前田菜穂子・ヒグマ博物館学芸員)、「山梨県で発生したツキノワグマによる死亡事故の調査報告」(Caitlin B Angeli/(株)野生動物保護管理事務所・今木洋大/山梨県環境科学研究所・Oscar C. Huygens/信州大学理学部)、「北米で注目されている特殊犬を利用したクマ対策法の紹介(カレリアン・ベアドッグを利用したクマ対策プログラム)」(藤村正樹/有限会社アウトバック)以上ポスター発表。

2000/11/16   
クマ目撃情報(徳島県)icon 愛媛県在住のA氏より、絶滅危惧ツキノワグマ個体群の四国のクマ情報が寄せられましたので、ご紹介いたします。「平成12年10月25日付けの朝日新聞の地方版(香川版)に徳島県の県南の海南町若松の山中で10月25日に海部川沿いの山中で県の委託を受けシカの生息調査をしていた野生動物調査会社の調査員が人家から約2KMはなれた所で15Mの距離で遭遇した。雌雄、体長は不明との事、コメントとして徳島県クマ研究会の代表者が徳島県には剣山系にしかいないとの事であったが、県南部に確実な生息域があるとすれば驚くべき事とのコメントもありました。」 貴重な情報をお寄せいただきまして、Aさんどうもありがとうございました。

2000/11/16   
相互リンクiconi-modeでも利用できる、べんりな検索サイト「特ダネクーポン」です。 全国での利用者が1000万人をこえるi-modeは今や、「遊ぶ」「食べる」「泊る」などのスポットを探すひとつの手段となりつつあります。(特に出張先や旅行先では便利!)そこで、全国のサービス業の皆様、御社のお店や施設をi-modeで宣伝しませんか?登録料は無料です。面白い情報が載っていますので、ぜひ一度覗いてください。弊社のウェブサイトと相互リンクさせていただきました。


2000/11/16   
相互リンクicon 渓流釣り倶楽部「渓道楽」会長 田中邦彦さんのホームページです。釣り好きは必見ですよ。ユニークな釣りの仕方。知られざる穴場情報が紹介されています。相互リンクさせていただきました。

2000/11/10   野生生物保護学会が開催icon 11月10日(金)の午後から12日(日)まで、東京大学本郷キャンパス(農学部)にて野生生物学会2000年大会(大会委員長/樋口宏芳、大会実行委員長/高槻成紀)が開催されます。有限会社アウトバック代表の藤村も『北米で注目されている特殊犬(カレリアン・ベアドッグ)を利用したクマ対策法の紹介』というタイトルで、ポスター発表(11日午前9:00~正午まで)をする予定です。一般の方も御覧になれるので、興味のある方はぜひお越し下さい。詳しくはこちらをご覧下さい

2000/11/10   
北海道でヒグマによる人身事故発生/その2icon エゾジカ猟が解禁された11月1日午後、白糠町上茶路の国有林内で、ハンターの男性が突然、背後からヒグマの襲われた。男性はライフル銃を発砲したものの、クマは手負いのまま現場から逃走した。男性は駆けつけた釧路西部消防組合員らに救助され釧路市内の病院に運ばれたが、顔などに重傷を負った。同組合や釧路署によると、襲われたのは岩見沢市の会社員H氏(60歳)。意識はしっかりしているものの、背後から襲われたため額から後ろ頭部に欠け裂傷があるほか、左頬を骨折しており、全治1ヶ月以上の重傷。
          現場は白糠町上茶路市街地から、北東2キロの山中。この日H氏は岩見沢猟友会の仲間4人と、エゾシカ猟のため午前7時頃に入山したが午後0時15分頃、営林署が山の管理に使う通称「ブル道」といわれる山道を一人で登っていたところ、笹や低木が生い茂る山側の背後から突然、ヒグマに襲われた。H氏は重傷を負ったもののライフル銃を発砲。クマに命中したらしく、手負いのまま現場から逃走した。クマは子連れだったという。H氏は10数年前から毎年釧路地方にシカ猟に来るベテランで、4人の仲間のリーダー的存在だった。一緒に来ていた月形町在住の男性F氏によると、「銃声が聞こえた後、クマが1頭自分に向かってきた。無線で『クマが出たぞ』と仲間に伝えた直後、H氏から『やられた、助けてくれ』と返答があった。H氏は血だらけで倒れていた。」と話し、付近にいた2人の仲間と下山し、119番通報した。
          H氏の仲間と地元猟友会員ら11人がクマを追ったが、同日4時過ぎ、日没のためこの日の捜索を終了した。クマは手負いの子連れで危険なため、同会などでは2日午前7時から約20人体制で捜査を再開する。(平成12年11月2日 釧路新聞)


            ●釧路新聞のウェブサイト: http://www.hokkai.or.jp/senshin/

2000/11/10   北海道でヒグマによる人身事故発生/その後icon11月1日に北海道白糠町で発生したヒグマによる人身事故について、釧路警察署生活安全課に問い合わせ手、お話をうかがいました。事故の翌朝(11月2日)、地元猟友会が事故現場一帯を捜査したところ、半矢で逃走したヒグマは、死体で発見された。推定4〜5歳の雌グマだった。一緒に逃げた子グマは見つかっていません。現場は国有林内であるし、危険がまだ残っているので、現場周辺は現在立入禁止となっています。

2000/11/09   
ヒグマについての特集記事icon 毎日新聞社北海道支社が月末に発行している別刷りの「Nord Roman(ノードロマン)」では、10月29日発行の最終号の中でヒグマの大特集「罪なき悪役の受難」を組みました。主な内容についてご紹介します。知床半島を流れる川の中で取っ組み合いをしている、2頭のヒグマの写真が第1面にドーントの掲載されいます。わずか半世紀で人間によって生息数を半減にされたヒグマの受難について、勇払原野での話題の主「寅次郎」(ふーてんの寅さんから命名)のこと、ヒグマによる事故や被害の原因は人間が作り出したこと、かつてアイヌはヒグマとどのようにつき合っていたかなどについて書かかれている、本間浩昭記者の文章が載っていました(写真も本間氏が撮影)。1面のコラムには、ヒグマの出産と生息地について書かれてあります。

          見開きの2面と3面にはヒグマの記事が満載、凄い内容です。「3系列の個体群が5つに分断/駆け回っていた北の大地」という記事では、北海道大学理学部染色体研究施設の増田隆一助手らによる、ミトコンドリアDNA解析によって明らかになった、北海道には時代を分けて3グループのヒグマたちが渡ってきたこと。そして、現在は人間の開発などによって生息地が切り放されてしまい、5つの個体群に分断されている現状がまとめられています。「見てみたい野生の姿/米国の動物保護区で成功」では、米国のアラスカ州マクニール州立野生動物保護区で行われている「ヒグマ・ウォチング」についての紹介と、現地を視察したことがある山中正実氏(斜里町役場自然保護課係長)の体験談などが掲載されています。また、「私とヒグマ」では、1996年に知床半島の番屋を荒らし回った1頭のヒグマを、苦労したあげく、90日目にようやく捕獲に成功した、羅臼町猟友会ヒグマ駆除隊ハンター・中川正裕氏の苦労談が紹介されています。3面には「ベアーズカントリー/ヒグマと仲良く暮らそう」と題した、イラストで描かれた大きな図解説明が載っています。その中では、右側が自然の中で暮らすヒグマについての説明、左側には人間が捨てた生ゴミやイカゴロ(海産物加工業者が違法に投棄した産業廃棄物)に誘引され、里に出没したクマがしだいに里グマ化していき、最後には有害鳥獣駆除で射殺される一連の流れが描かれています。それから「お仕置きの効果は?」という記事の中で、広島県を中心とした西中国山地で、ツキノワグマの奥山放獣を行ったときの
米田一彦氏の報告が紹介され、お仕置きに使われたトウガラシ・スプレー(弊社で輸入販売しているカウンターアソールト)についても触れられていました。また、羅臼町で失敗したヒグマの奥山放獣例や、米国で行われているグリズリーベアの移動放逐の例なども紹介され、知床での捕獲放獣に対する米田一彦氏のアドバイスで締めくくられています。コラムには、今年8月に翻訳出版された『ベア・アタックス』(スティーブン・ヘレロ著)の紹介と、米国のアラスカ州マクニール州立野生動物保護区で「ヒグマ・ウォチング」をするための申し込み方法と申込先住所が書かれていました。これだけ内容の濃い特集は、滅多に見られないものです。新聞を送っていただいた本間浩昭記者に感謝、感謝。(^-^)

            
●「Nord Roman(ノードロマン)」についての問い合わせ先:毎日新聞社 北海道支社 (代表)011-221-4141
                                        北海道札幌市中央区北四条西6-1

2000/11/08   
狩猟関係法令の改訂事項icon 大日本猟友会の会報(平成12年9月1日発行)からの抜粋です。環境庁の告示などによって、以下の事項が改正又は施行されます。
          
1.名札の付けないワナなどの使用禁止。平成12年度の狩猟期から甲種猟具である罠及び網に所定の標識(住所、氏名などを記載のもの)を付けないでこれらを使用して狩猟を行うことが禁止になりました。狩猟法では、狩猟の目的で罠や網などの法定猟具を使用するためには、甲種狩猟免許が必要です(ライフル銃や散弾銃を用いて狩猟するには、乙種狩猟免許が必要です)。山などで名札がついていない罠や網を見つけたら、それは違法なので、最寄りの警察に届けてください。

          
2.同時に31個以上の罠の使用禁止。平成12年度の狩猟期から甲種猟具である罠を同時に31個以上架設して狩猟を行うことが禁止になりました。これに違反すると罰せられます。これまでにも、一部の心ないハンターが多数の罠を架設し、見回りを十分にしなかったために、罠にかかった獣が白骨化して発見されることがありました。

          
3.鋸歯又は開いた内径の最大長が12センチ以上のトラバサミの使用禁止。この処置は、これまでは、法令15条に基づく解釈で、禁止猟具に指定されておりましたが、告示で禁止猟具(猟法)に指定されました。ただし、禁止猟具に該当する12センチ以上のトラバサミが実際には販売されており、誰でも購入できるという問題が残されたままです。

          
4.メスジカの捕獲禁止区域と期間の延長。これまでは、特定道府県をのぞく区域を捕獲禁止にしていたものを、全国一円を捕獲禁止にして、昨年規定された「特定鳥獣保護管理計画制度」により各都道府県が必要に応じて、独自に捕獲処置がとれるようになりました。メスジカの捕獲については、一般には「かわいそう」という意見が多いと思います。しかし、草食獣であるシカは条件が整えば簡単に増殖します。シカの生息数が増えすぎると、生息地の自然環境をシカが破壊し、他の野生動物にも悪影響を与え、また、餌不足で自らもクラッシュ(大量死)する傾向があります。シカの補食動物であるオオカミが絶滅した日本では、増えすぎたシカの生息数を適正数に調整するためには、有害鳥獣駆除による捕獲が有効であり、状況によってはメスジカの捕獲も頭数調整にはさらに有効であることされています。

          
5.囲い罠の法定猟具指定。一昨年に告示され、平成12年度の狩猟期から施行されるものであり、今後は、甲種種猟登録を受けないと使用できなくなります。

          
6.罠にかかった猪等の銃器による止め指しの適法解釈。この件は、狩猟又は有害鳥獣駆除の行為の範囲内で適法か否かの判断が困難な場合があり、実際には地域によっては、銃刀法の発射の制限に違反するとして、検挙されたり、また、そうでなかった場合があり、狩猟者の間に混乱がありましたので、関係省庁の協議の上、今後は「狩猟又は有害鳥獣駆除などにおいて、鳥獣に対して事実上の支配力を獲得し確実にこれを先占したといえない場合については、以下の要件に該当するときは、法にいう狩猟又は有害鳥獣駆除などの範囲内で行われたものと解する。」と見解を出しています。具体例を挙げると、有害鳥獣駆除の目的で架設した箱罠にクマが捕獲された場合、これまでは銃器で射殺することは、厳密には「違法」でした。そのため宮城県では、罠で捕獲されたクマの射殺を一切認めてきませんでした。そのために宮城県川崎町では、罠にかかったクマをヤリで突き刺して殺したり、水の中に沈めて溺死させるなど、残酷な手段でクマを処分してきました。ただし、捕獲されたクマを銃器で射殺することを、多くの自治体や警察、猟友会では黙認されていました。それが今回、公で認められることになったわけです。以下、具体的な要件について列挙します。A.くくり罠など鳥獣の動きを確実に固定できない構造の罠に鳥獣がかかった場合であること。B.罠にかかった鳥獣が、イノシシ、シカ及びクマなどのどう猛且つ大型のものであること。C.罠を仕掛けた狩猟者などの同意に基づき行われるものであること。D.銃器の使用に当たっての安全性が確保されているものであること。

          
7.狩猟における鉛弾の使用禁止。この件は鉛散弾の使用禁止と鉛ライフル弾の使用禁止に分かれますが、詳細は各県の猟友会や県庁、環境庁にお問い合わせください。
          また、北海道では11月1日からシカ猟が解禁されましたが、他の都府県では11月15日(水)から狩猟が解禁になります。特に毎年解禁日には多数の狩猟者が野山や湖沼、河川などに出猟しますので、野外に出かけられる方は注意が必要です。


2000/11/08   
有害鳥獣駆除「後」の監視icon 有害鳥獣駆除された多数のニホンザルが実験用に譲とされ、ツキノワグマは解体されて胆のうが高額で売買されるなど、水面下で取り引きされている実態が複数の自然保護団体の調査で明らかになった。実態を把握できない環境庁は「取引を透明化する必要がある」とし、駆除後の処理方法を事前に申告する方針を固めた。動物保護団体が「金銭目的の駆除がなくならない」として焼却処理の義務化などを求める一方で、研究機関などが実験などへの積極利用を働きかけている。

          無主物である野生動物の有害鳥獣駆除後の処理方法にはこれまで明確な規定がなく、駆除をしたハンターらの判断に任せていて、環境庁も実態をつかんでいない。有害鳥獣駆除されたツキノワグマは熊の胆などが重宝がられ、岐阜県哺乳類動物研究会などの調査によると、漢方の「熊の胆」は1グラム当たり1万数千円の価格で取り引きされ、大きい雄は1頭で百数十万円にもなるという。年間、全国で約600頭が有害鳥獣駆除されており、駆除後に熊の胆が取り出され、売買されているものも多いと見られている。また、被害が出ていないのに、「被害予防」と称して冬眠あけのクマを駆除する「春グマ狩り」も一部の地域で慣習化している。この時期の胆のうは良質な胆汁が豊富とされ、「小遣い稼ぎのハンティングといわれても仕方がない」と話す大日本猟友会員もいる。地域によってはこうした予防駆除が6割を越え、秋田県では昨年度、70頭以上の熊を「春狩り」していた。こうした実態に対し環境庁は、5年ぶりに改訂する鳥獣保護事業計画のなかで、駆除後の利用方法を事前に申告するよう指導する方針だ。10月24日にまとめた原案では、「捕獲物の処理方法は、捕獲許可の申請の際に明らかにするよう指導する」と盛り込んだ。ただし強制力はないが、詳細に申請書類に記入させる方向で、実態の把握と監視が初めて可能になる。年内にも正式決定し、2002年から適用する見通し。(平成12年10月25日 朝日新聞)

2000/11/08   
クマ本(洋書)のウェブサイトicon クマに関する書籍(洋書)のウェブサイトをご案内します。現在「Bear Attacks」(スティーブ・ヘレロ著)の原書を含め、20冊が登録されています。書籍をオンラインで販売しているウェブサイトなので、直接注文もできます。

2000/11/03   
お詫びと訂正icon 11月2日に掲載した「広島県のクマ保護管理政策が後退か?」の私のコメント中で、不適切な表現がありましたので、お詫びして訂正いたします。
          コメントの中で「しかし、米田一彦氏は次第に県や地元役場の方針とぶつかり、クマの調査から干されてしまい、現在は直接には関わっていない。」と書きましたが(既に削除・訂正済み)、現在も広島県・山口県・島根県の3県から多額の委託費が、米田一彦氏が代表の日本ツキノワグマ研究所に支出されおり、西中国山地のツキノワグマを調査継続中であるとの指摘を、米田一彦氏から受けました。具体的には、この2年間に実施された「生息数調査」では、日本ツキノワグマ研究所の研究員が、2年間に合計65頭のツキノワグマの首にマイクロチップを挿入する作業を行い、生息数を算定し、財団法人自然環境研究センターと協議したうえで、推定生息数を公表したとのことです。
 ご本人に確認せずに、私の思い違いで誤った情報を皆様に公表してしまい、米田一彦氏及び関係者の名誉を著しく傷つけたことを、深く反省しております。申しわけございませんでした。
 今後は今回の反省を基に、不確かな情報は提供しないように努める所存です。 ここにお詫びして訂正させていただきます。


                 ●
お詫びと訂正文のページはこちらです。

2000/11/02   
北海道でヒグマによる人身事故発生icon 11月1日にエゾシカ狩猟が解禁なったばかりの北海道で、また狩猟中のハンターがヒグマに襲われて負傷するという事故が発生しました。場所はシカ猟が盛んな白糠町です。1日午後0時15分ごろ、釧路管内白糠町上茶路の国有林で、仲間3人とエゾシカ猟に来ていた岩見沢市朝日町のH氏(60)がヒグマに襲われ、頭や首などをかまれ重傷を負った。H氏は持っていたライフル銃で応戦し、3発発射したが、手負いの状態でヒグマを逃がした。現場には別のクマもいたことから、親子連れのヒグマだったとみられている。白糠町では1998年にも同様の事故が発生しており、また隣接の同管内音別町では昨年、ハンターがクマに襲われ、重傷を負っている。(北海道新聞 平成12年11月2日)

                           
●北海道新聞社 http://www.hokkaido-np.co.jp/

           コメント:エゾジカ猟が盛んな白糠町やその周辺の町では、価値の高い部位だけ持ち帰り、仕留めたシカを放置したままにしておく狩猟者が多く、それらのシカの死骸を食べているヒグマも増え、大きな問題となっている。生息しているエゾジカの個体数が多ければ、自然死したシカも多いだろうが、それらのシカの死骸がヒグマを誘引していることは事実である。今回の事故がどのようにして発生したのかを、北海道や警察、猟友会、地元の町役場などが、専門家を交えてきちんと調査し、問題点を改善しない限り、同じような事故が三度起こるだろう。狩猟期間中にエゾジカが生息している北海道の地域に行かれる旅行者や登山者は、シカの死骸の近くにはヒグマがいる可能性があるので、特に注意が必要である。

2000/11/02   
獣害対策学習会のホームページicon 11月4日、5日に京都府美山町で第4回獣害対策学習会が開催されます。今回はクマ関連の発表が11件、シカが6件、ニホンザルが6件、その他の動物が9件です。私もカレリアン・ベアドッグを利用した北米で成果を上げているクマ対策法について発表を予定しています。詳しくは獣害対策学習会のウェブサイトをご覧下さい

2000/11/02   
Coffee Breakicon 久しぶりにCoffee Breakを更新しました。今朝の日経新聞を読んでいたら、ゴールドマン・サックスのH・ポールン会長の話が載っていました。それを読んでいたら、マタギと共通したものを感じたので、ちょっと書いたものです。gif

2000/11/02   広島県のクマ保護管理政策が後退か?icon 西中国山地に生息するツキノワグマの保護管理計画の見直しを進めている広島県は、10月23日に県庁で、研究者や生息地の町村長達の意見を聞く検討会を開いた。頭数抑制(捕殺)をに重点を置いた県の見直し案に賛否が分かれ、県は11月をめどに修正案を作って再度、検討会開く。検討会は県が1998~1999年度に、山口県、島根県と合同で行った生息数調査を受け、初めて開いた。広島県農林水産部が「過去の調査と比べ、頭数は増えていると認識している」と説明。人や家畜を襲った場合などに限っていたクマの処分(捕殺)基準に「放獣に適当な場所がない」場合をくわえて大幅に緩和し、「自然増加数を抑制し、現状を維持する」とした。これに対して、農林水産省森林総合研究所関西支所鳥獣研究室の斉藤隆室長は、「誤差が大きい生息調査を基に、重大な方向転換するのは疑問。調査を続け、変化があればすぐに修正できる仕組みが必要だ。」と指摘している。一方佐伯郡吉和村の梅田昭吾村長は「放獣に対する地元の反感が厳しくなっている」、山県郡芸北町の増田邦夫町長も「危険と隣り合わせの住民の気持ちも理解してほしい。」などと、頭数抑制を指示した。県は11月をめどに2回目の検討会を開き、修正案を示して計画見直しを進める。(平成12年10月24日 中國新聞)

2000/10/29   
三宅島の実状を知る講演会 icon『三宅島の自然環境は今! 〜変わり行く島の自然〜』と題した緊急講演会が開催になります。既にご存じのように、東京都三宅島では噴火と地震によって、住民の立ち退きが続いております。また、そこに生息している野生動物のことも気になります。現地の高校で教師をしていた日本クマネットワークのメンバー青谷知己さんや、三宅島在住の海洋生物学者ジャック・モイヤーさん、三宅島の自然インストラクター海野義明さんの講演会が、平成12年11月12日(日)に東京都で開かれます。三宅島の実状や、野生生物のことについて知ることができる機会です。詳細はこちらをご覧下さい。

2000/10/29   
岡山県でクマフォーラムicon 平成12年11月25日(土)に岡山県西粟倉村にて『岡山県ツキノワグマフォーラム』(主催:岡山県ツキノワグマフォーラム実行委員・他)が開かれます。岡山県のツキノワグマ生息数は約10頭と考えられており、環境庁のレッドデータブックでは「絶滅の恐れのある地域個体群」に指定されていま す。その岡山県では、本年4月「ツキノワグマ保護管理計画」を策定し、人とクマ との棲み分けによる共生が可能となる環境を整備することを目指しています。このフォーラムはその一環として開催されます。詳細はこちらをご覧下さい


2000/10/29   
TV番組icon クマとは直接関わりがありませんが、クマと同じように時には人身事故を起こす生物・鮫ををテーマにしたテレビ番組です。クマと共通していることは、恐ろしいイメージだけが先行し、正しい生態が一般には知られていないことです。クマも鮫も誤解を受け易い動物です。この番組はNHKに勤めている知り合いが製作したものですが、「どこまで、うまくできたか自信はありませんが、子どもたちの環境教育には、「知性と感性」の両者に訴える必用があるという考えを背景に制作したつもりです。」というメッセージをお預かりしています。お子さまのいるご家庭では、ぜひご家族一緒にご覧下さい。

          ●NHK 未来への教室 サメ研究家ロドニー・フォックス
           第一回 「海のハンター 巨大ザメを守れ」 NHK教育 10月28日(土) 夜8時から8時45分
                                NHK総合 10月31日(火) 昼3時10分から3時55分

           第2回 「海の王者 サメに大接近」    NHK教育 11月4日(土)  夜8時から8時45分 のみ

2000/10/29   Link情報/米国で野生動物観察ツアーの会社icon 東京農業大学の野生生物同好会のOBが村上さんは、アメリカのロサンジェルスでアウトドアやフィッシングの記事や写真等のライターをしながらガイドも営んでいる方です。クマをはじめ、様々な野生動物観察(アニマル ウォッチング)を楽しみながら、米国の素晴らしい大自然を満喫するツアーを、野生生物同好会のOBの仲間と一緒に行っています。この度、『カリフォルニア アウトドア&フィッシング』のウェブサイトと相互リンクを貼ることになりました。村上さんのウェブサイトには、米国に生息している様々な野生動物の写真がたくさん載っています。カリフォルニアを中心にアメリカ西海岸の国立公園などのフィッシング&アニマルウォッチング等のアウトドア ガイド&情報を提供していそうですのでえ、その方面に旅行を計画されている人は必見ですよ。もちろん、日本語で大丈夫! リンクはこちらからどうぞ


2000/10/29   
Link情報/鳥海山のクマのウェブサイトicon 平成12年4月から活動をはじめた『鳥海山 ベアトラッカーズ』の高瀬 周さんと佐藤幸也さんの二人で製作しているウェブサイトです。彼らは鳥海山及びその周辺の山々に生息する野生のツキノワグマの調査・研究を目的としたフィールドワークや、今後は一般市民対象のインタープリテーション(自然観察・環境教育会)を開催し、ツキノワグマに対する理解を広めていく活動も行っていくそうです。そのウェブサイトは山形県の鳥海山とその周辺の詳しいクマ情報を満載しています。この方面に行かれる方は必見です。それに、クマ糞ギャラリーは見なきゃ損ですよ。出没情報、出没マップなど見所がたくさんあります。リンクのページはこちらです

2000/10/19   
ニワトリ食害のクマが列車事故で死亡icon 岩手県釜石市の箱崎地区で、連続して民家のニワトリ小屋を襲い、ニワトリを食害し ていたと見られるツキノワグマが、15日の午後に列車にはねられ死亡しました。以下はその事故について報道した新聞記事の転載です。
          1.岩手日報 平成12年10月17日(夕刊):『クマをはね列車遅れる』
            15日午後10時頃、釜石市鵜住居町のJR山田線で、宮古発釜石行きの下り最終の 普通列車が、線路に飛び出したクマをはねた。乗客にはけがはなかった。先頭車の除 雪用スノープラウが少し曲がったが、運転には支障がなく10分遅れで釜石駅に到着 した。 JR盛岡支社によると、列車の進行方向左側から線路に飛び出してきたクマ を約7メートル手前で発見、急ブレーキをかけたが間に合わなかったという。 釜石 農林課によると、クマは体長約1.35メートル、体重約110キロの雄で、胸を引 かれて即死状態だった。現場は今春から複数のくまが出没、家畜の被害がでている同 市箱崎町と山越につながっており、クマの胃からニワトリの羽が発見されたことか ら、同課は箱崎町に出没したクマと断定した。

          
2.朝日新聞岩手県版 平成12年10月18日(朝刊):『チャボを平らげた? クマはねられ即死』
            クマが数回にわたって出没し、チャボなどを平らげる被害がでていた岩手県釜石市箱 崎地区に近い同市鵜住居地区で15日夜、雄のクマが列車にはねられ即死した。胃の 中からニワトリの羽根などが出てきたため、市農林課なは出没していた「犯人」とみている。 釜石署などの調べによると、クマはJR山田 線の線路上に飛び出したところ、普通列車にはねられ、線路脇の側溝で死んでいた。 ツキノワグマの雄で、体重110キロ、体長135センチ。解体後、大学の研究機関 などへ資料として提供された。 箱崎地区では今年の7月から、クマが夜中に民家の 庭先の鶏小屋を襲って鶏を食べる「事件」が相次ぎ、日中も町中を歩いているところ を目撃された。市農林課が捕獲するためワナを仕掛け、一度はかかったが、逃げられ た。 この他、親子連れのクマをみたという情報もあり、同課などでは引き続き警戒 することにしている。

          
コメント:岩手県釜石市箱崎は三陸の根浜半島にある集落で、鵜住居(うのずまい)は半島の付け根にある地域です。JR山田線は半島の付け根を横切るように走っていて、JR鵜住居駅の2つ先には、井上ひさし氏の小説「吉里吉里人」で有名になったJR吉里吉里駅があります。釜石市役所経済部農林課の担当者に電話でおうかがいしたところ、クマの出没は箱崎地区と鵜住居地区でみられた。両地区とは約1 0キロしか離れていない。6月5日に箱崎地区において、鶏の餌をクマに食べられ事件が発生。そして7月10日には、鶏小屋がクマに襲われ鶏が食害された。それを含めて、箱崎地区では4〜5回鶏の食害事件が発生している。役場では有害鳥獣駆除の許可を下ろし、猟友会がワナによる捕獲を試みたが失敗した。最後に事件が起きたのが9月12日。列車にはねられ死亡したクマの胃の中からニワトリの羽根などが出てきたので、このクマが犯人と考えている。
          これらの情報から判断すると、6月はじめにクマが鶏の餌を食べた時点で、犯人のクマを捕獲するか、探し出すかして忌避条件付けを徹底させ、且 つ、箱崎地域の全住民に対し、クマが入手不可 能な場所に食糧(くまの餌になるようなもの)を保管するように指導を徹底することができたのならば、その後の鶏食害事件やクマ出没は防げたかもしれません。ただし、日本の現状ではとても困難なことだと思います。現在クマ被害に対応している行政や猟友会、警察には、十分な情報、知識、技術、予算、人材が不足しています。米国のように野生動物の被害に対応できるような専門スタッフは、国にも地方自治体にも存在していません。斜里町役場や羅臼町役場のように、自前でクマ対策専門スタッフを養成している自治体は全国で0.05%あるかないかです。来年も釜石市と同じような事件が、日本のあちらこちらで発生することでしょう。このような場合にこそ、
ハント博士の"Partners in Life" プ ログラムに沿ったカレリアン・ベアドッグチームが必要です。早期にこのプログラムを日本に普及させたいものだと、あらためて感じました。

2000/10/19   
ヒグマとの遭遇情報icon弊社のウェブサイトを御覧になったお客様から寄せられた、ヒグマとの遭遇情報です。情報をお寄せいただきましてどうもありがとうございました。
          お客様がヒグマと遭遇したのは10月14日午前9時15分頃、場所は北海道の新得町にあるCLUB MED サホロというホテルから300mぐらい山側に入ったところです。遭遇したときの状況は、そのホテルに宿泊して、朝、山の中を散歩していたら直径5センチほどの丸いウンチが5、6っこ山になって周りにいっぱい落ちていたのを発見。まさかクマの糞ではなかろうと考えていたら、なんと20メートル前にヒグマが急に出てきたとのことです。幸い事故にはなりませんでしたが、お客様は死ぬかと思ったそうです。山の中で(最近は里にもクマが出没しますが)真新しいクマの糞や足跡、爪痕などの痕跡を見つけたら、近くにクマが潜んでいる可能性があるので十分注意することが必要です。


2000/10/19   クマ棚の写真icon弊社のウェブサイトと相互リンクを貼っている小国山岳会のウェブサイト「飯豊朝日連峰の登山者情報」に、クマ棚の写真がアップしています。登山者情報>506号の順にクリックしてください。

2000/10/19   今年のクマ出没状況(滋賀県、富山県)icon弊社のウェブサイトとを御覧いただいたN氏と、富山県在住のHさんから寄せられた情報です。「今年5月末頃に滋賀県北部(木之本町、浅井町、虎姫町等)の民家近くや堤防沿いで目撃情報の記事がありましたが、その後は報道されていません」、とのことです。また、今年、富山のほうでは結構ツキノワグマによる被害出ているとのことです。NさんHさんどうもありがとうございます。

2000/10/17   番組再放送の速報です!icon以前お伝えしました、NHKスペシャル「大場満郎南極ウォーク」が再放送になります。今日(10月18日)の深夜0時15分からNHK総合で再放送です。前回見落とした方はぜひご覧下さい。NHKに勤めている知人の話では、編集の段階でカットされているが、ホッキョクグマが1回だけキャンプから300メートル近くにやってきたそうです。その際は、取材班のスノーモービルで追い払い、被害はありませんでした。でも、クマも見たかったですね。そんなわけで、今回は熊撃退スプレーの登場がありません、残念、残念。でも、大場満郎さんをはじめ、参加者が首にかけているオレンジ色ホイッスルが、当社で提供した熊よけホイッスルですよ〜。

          内容:1997年6月23日に世界初の北極海単独徒歩横断の偉業を達成した冒険家の大場満郎氏 (ホッキョクグマに接近・アタックを受けカウンターアソールトで撃退)が、”北磁極を目指して計画・準備・実践を参加メンバー自身が行い、目的を成し遂げたときの 感動、満足感を通して自分に自信を持つこと!”を目的とした、「大場満郎と北磁極 を目指す冒険ウォーク2000」を今年4月に行われた。思わぬアクシデントが発生し苦難の連続であったが、当初の目的が達成された。

          
見所:極寒の自然とそれに挑む人間のか弱さ、参加者の心の葛藤、目的を達成した人の笑顔など。

2000/10/17   
ドライバーがクマに餌を・・・iconJAF(社団法人日本自動車連盟)が会員に配布している、『JAF-MATE』11月号の中に、ドライバーが車を停めて、道ばたにいたブラックベアにパンを与え餌づけしている写真が載って いました。もちろん米国ノースカロライナの国立公園の話ですが。ただし、米国ではクマに餌を与えることは禁じられています。なぜなら、野生のクマに餌(放置した残飯や生ゴミがクマに食べられることも同じ行為)を与えることによって、クマに備わっている人間に対する恐怖心が薄れさせ、クマの行動を次第にエスカレートさせ、家に上がり込んだり人間に危害を加えるクマに変貌させてしまうからです。日本でも知床国立公園で、野生のヒグマに食べ物を与える愚かな観光客が実際に存在しており、地元の人々に大変ひんしゅくを買っています。『JAF-MATE』ではこの点について触れていませんが、興味のある方は海外ニュース(World traffic affairs)のページをご覧下さい。


2000/10/14   
続・昨年尾瀬で起きた人身事故の真相についてicon10月11日の「昨年尾瀬で起きた人身事故の真相について」を日本クマネットワークのメーリングリストで配信したところ、様々な議論に発展し、多くの意見が寄せらています。一つには、「被害者が子グマを抱いた」という噂が昨年から現地で流布されており、桐生タイムスの報道は誤りではないかと、昨年尾瀬で起きた人身被害を取材した、山と渓谷社の編集スタッフからの指摘です。彼は現地の関係者や青森県在住の被害者にも直接会って取材しています。ただし現時点では、「クマを抱いた」のが単なる噂なのか、真実なのかは結論づけられていません。二つ目は、日光国立公園の尾瀬を管理・運営している環境庁や県、財団法人尾瀬保護財団など関係者の対応の不備についてです。事故直後には警察による所定の調査が行われただけで、環境庁による現地での詳細な調査や、被害者に直接会って聞き取りをすることも行われていません。また、クマによる事故が発生した付近の一時閉鎖(再被害を未然に防ぐため)や、専門家による現地調査も実施されていません。これがと同じようなクマによる人身被害が、米国の国立公園で起きた場合には、現地のパークレンジャーか野生生物保護管理局のクマ専門官が、クマが出没したルートの閉鎖、現地を調査、問題グマの処置、場所によってはクマ対策の特殊訓練を受けているカレリアン・ベアドッグを連れてルートを巡回する・・・などの対策が取られます。
          最近現地を視察した、ヒグマ対策のエキスパートの話によれば、ヒグマ出没が頻繁に起きて危険度が高い知床国立公園の知床五湖と比較しても、尾瀬にはツキノワグマの痕跡が知床五湖以上に多い場所があったということです。そして、ハイカーや山小屋関係者は頻繁にクマを目撃している状況が今も続いています。昨年の人身事故発生後に、ようやくクマを注意するように呼びかけるチラシが観光客に配られたり、看板が立てられたそうですが、尾瀬で行われているクマの危機管理対策は、米国の国立公園とは全く比較になりません。
          ただし、このことは日本全国の国立公園に共通して言えることです。我々は野生動物に対する危機管理がされていない国立公園を、管理している側から知らされないままに利用しているわけです。クマ対策が最もとられている知床国立公園ですら、クマ対策のノウハウを持っている地元斜里町役場から、環境庁は指導を受ける立場でしかありません。十和田・八幡平国立公園の秋田県側では、環境庁の展示施設の真向かいにあるドライブインで、狭くて汚れた劣悪な環境でツキノワグマが堂々と飼育されていたこともありました。長野県の上高地では、山小屋から出される生ゴミを、複数のクマが食べに通ってくるのですが、環境庁の職員は「ここは国立公園内だからクマは殺せない」と言うだけで動こうとはせず、民間のクマ研究者グループが、ボランティアでクマ対策を行っています。これが日本の現実です。

2000/10/14   地球交響曲 第三番上映会icon地球環境の美しさ大切さを訴えかけるだけでなく、一人一人の心の無限の可能性に言及する「こころの映画」として、大きな反響を呼んできた映画「地球交響曲 第三番」上映会が11月10日(金)に東京都・中野ゼロ大ホールで18:30開場 19:00上映開始の日程で開催します。
          地球(ガイヤ)の心が見えてきます。いのちの不思議が聴こえてきます。地球交響曲ガイアシンフォニー第三番「地球の声がきこえますか?」という呼びかけで始まる映画「地球交響曲」は、地球環境の美しさ大切さを訴えかけるだけでなく、一人一人の心の無限の可能性に言及する「こころの映画」として、大きな反響を呼んできました。1992年11月「第一番」、1995年4月「第二番」を公開。現在まで全国数百万人の方々にご覧頂いております。「地球交響曲 第三番」は、私達のこころの奥に眠っている五千年以上前の記憶を呼び覚まし、“地球のこころ”“いのちの不思議”に遠く思いを馳せる「魂のロードムービー」です。故星野道夫さんや、フリーマン・ダイソン(宇宙物理学者)
ナイノア・シンプソン(外洋カヌー航海者)が出演されています。詳細はこちらをご覧下さい

2000/10/14   カスタムナイフショーicon第21回JKGカスタムナイフショーが下記の日程で開催されます。28日には第16回JKGカスタムナイフコンテストの作品が展示されます。
                        
期日:2000年10月28日 12:00AM~5:00PM
                                 29日 11:00AM~4:00PM
                        会場:東京・臨海副都心 TFTホール(TFTビル西館2階) 入場無料
                        主催:ジャパンナイフギルド
                        問い合わせ:ジャパンナイフギルド事務局 TEL.03-3939-0051(マトリクスアイダ内)
       会場(当日のみ) TEL.03-5530-5082


2000/10/14   
保護された子グマが元気に育つicon新潟県岩舟関川村の猟友会員のSさんとBさんが、今年の5月にクマの駆除を行ったわかブナ高原スキー場近くの山で、親グマと知らずに撃ったクマの子ども2頭を飼育している。無事に育った2頭は9月27日に福島県の東北サファリパークに引き取られる。この子グマは、雄と雌のツキノワグマ。保護した当時はどちらも2キロ弱だった。SさんとBさん、隣同士で付き合いも深いことから一緒に育てることになった。「よく泣いたもんだから」とBさんはしばらく夜も一緒に寝て育てた。近所の人たちも朝晩の散歩や餌の世話などで協力し、約20キロまで成長した。
          9月10日に山に返したが4日後には集落に戻ってきてしまい、SさんとBさんは2頭の行き場を村役場と相談していた。東北サファリパークに引き取られる日を間近に控え、Bさんの長男は、「いつか会いに行きたい」と少し寂しそうだ。(平成12年9月27日 新潟日報)

          ○
この情報をお寄せいただきました新潟県のWさん、どうもありがとうございました。

2000/10/11   昨年尾瀬で起きた人身事故の真相についてicon昨年の6月6日に群馬県の尾瀬湿原で、青森県から観光に来た夫婦連れの観光客が、飛び出してきたツキノワグマに襲われて怪我を負うという人身事故が発生しています。その当時の報道によると、関係者のコメントには、尾瀬にはクマがいなかったというものがありました。また、なぜクマが人を襲ったのか、原因がはっきりしないまま、警察や環境庁(尾瀬は日光国立公園の一部)による詳しい調査も行われずに、事件はうやむやになったままでした。ところが、その事故の真相について、9月20日付の桐生タイムスが記事の中で触れているのでご紹介します。
          桐生タイムスでは平成12年9月18日、19日、20日の3回シリーズで、「記者の視点〜狩猟者とクマの危機」を掲載しました。第1回目は「1頭の死が共存を問う」と題して、ツキノワグマの有害鳥獣駆除を見直し、共存を目指す群馬県の保護管理計画の取り組みと、実際に現場で大変な苦労をしながら、クマの保護管理と被害対策に努力している、地元桐生猟友会の取り組みについて書いています。2回目は「山里が持つ共存ルール」と題して、クマの剥皮被害に悩む林業者が、桐生猟友会がはじめたツキノワグマの保護管理行動に一緒に参加し、悩み、苦しみながらもクマとの共存の道を模索している様子に触れています。3回目「やるべきことの実践」のなかで、捕獲放獣、テレメ調査、クマによる人身被害、人とクマとの共存、桐生猟友会の積極的なプラス思考の取り組み、クマを通した環境教育などについて書かれ、「クマの危機はその象徴で、問われているのは結局、私たちの生き方なのだ。」と結ばれていました。
          注目したいのが、第3回目の取材中での猟友会関係者の発言です。
「ことし尾瀬で(注1)、ハイカーがクマに襲われけがをした。登山道を歩いていただけで襲われたとしたら、クマを恐れるのに十分な理由となるが、その後、この人は子グマを抱き上げていたことが分かった。これは親グマに襲われる典型的ケースだが、肝心な部分をどの新聞も報じていない。クマを一方的な悪者にしないためにもマスコミの協力は欠かせない・・・」これは非常に重大なことです。なぜ被害者は真実を述べなかったのか。警察をはじめ、環境庁や尾瀬湿原の管理者(県や財団法人尾瀬保護財団など)はこの事実を知らなかったのか、知っていても公表しなかったのか? クマによる被害の大部分は人間の側に何らかの原因があります。その原因を正しく把握し、その原因を取り除くことが、次の被害の発生を防ぐためにはとても大切です。被害防除の基本です。それを怠った上に、正しい情報を伏せていたとしたら(地元の観光業に影響が出る可能性があるなど様々な理由で、行政や関連団体がマイナスと思われる事実を伏せる場合があるからです)、責任者の管理責任は追及されるべきです。また、真実を報道できなかった(報道しなかった)マスコミも、非力な取材力を恥じるべきではないでしょうか。

          注1:記事の中で「ことし尾瀬で」と書かれてあったので、桐生タイムスに電話をかけ、担当された青木記者の方に確かめたところ、昨年の6月に起きた人身被害のことであると確認されました。

2000/10/11   
クマ本が2冊追加iconクマに関係する書籍を集めたクマ本ライブラリーに、蔵書が2冊増えて72冊になりました。gif

2000/10/11   
大発見、岩手県には2種類のツキノワグマがいるってホント!?icon岩手県に生息するツキノワグマは、奥羽山系と北上山系で体の形態に差異があることが、農林水産省森林総合研究所東北支所(盛岡市)と東京大学海洋研究所(大槌町)などの調査で判明した。調査したのは森林総研東北支所鳥獣研究室の大井徹主任研究官と東京大学海洋研究所の天野雅男助手。大井研究官らは岩手県猟友会の協力を得て、県内で捕獲や有害鳥獣駆除されたツキノワグマ138体(奥羽山系62体、北上山系76体)の頭骨を分析。上あごの長さや幅、鼻骨の長さ、両目の間隔などを調べた。その結果、奥羽山系のグループは、北上山系のグループに比べて上あごや鼻骨が長く、上あごの幅や両目の間隔は短い傾向が見られた。奥羽山系のクマは「長めの顔」、北上山系のクマは「短めの顔」だった。これだけの差異が生じるには、生息域が分断され、長い歳月を経たためと考えられる。これほど形態の差異が生じているということは、奥羽山系と北上山系のツキノワグマのグループは、遺伝子レベルでの差異があるとことが示唆される。  詳細はこちらをご覧下さい。(平成12年9月26日付 岩手日報)

2000/10/11   
LINK情報iconぷりマミーさんが運営する、[ぷりぷり山荘]のウェブサイトです。尾瀬, 武尊, 秩父・奥秩父・奥多摩, 上信越高原の高山植物の紹介やルート情報、様々な尾瀬の情報を紹介する尾瀬写真館、掲示板、リンク集など見所が満載です。美しい画像に圧倒されますよ! [ぷりぷり山荘]へはこちらから御覧いただけます。

2000/10/11   
LINK情報iconMATSUさんが運営している[情報調達名人]は、動物、検索エンジン、美容・健康、レジャー、食べ物、暮らし、子供、カルチャー、コンピューター、ファッション、ビジネス・・・など、様々なジャンルのリンク集ホームページです。[情報調達名人]はこちらから御覧いただけます

2000/10/11   
LINK情報icon「滝の飛翔」元鉄道マニアだったという遥香さんが運営している、北海道の素晴らしい滝を紹介するホームページです。一目で分かるクマの出没度や自然度の表示もあります。平成12年10月にリニューアルして、とてもクールなホームページに生まれ変わりました。「滝の飛翔」はこちらから御覧いただけます

2000/10/11   
Link情報icon超多忙生物学科学生のhanaさんが、米国カルフォルニア州のREDWOOD NATIONAL PARKに行ってきました。[REDWOOD]のホームページでは、そこでの素晴らしい体験が、デジタル画像と一緒に紹介されています。hanaさんのお話では、REDWOOD NPにもブラックベアが生息しているそうです。REDWOOD NATIONAL PARKのホームページはこちらからご覧下さい。


2000/10/04   我が家にクマが出没!?icon昨日(10月3日)の午後、飼い犬のマックス(雄・ラブラドール 1歳7ヶ月))が騒々しく吠えていた。夕方、犬を散歩に連れ出すためにマックスを鎖から解放した途端、彼は軒下に猛然と走り寄り、何かに向かって吠えまくった。最初は野良猫かと思いきや、なんと、そこにいたのはクマはクマでもアナグマではないか(アナグマは正式にはニホンアナグマと呼ばれ、クマと同じ食肉目に分類されるがクマの仲間ではない)!。犬をアナグマから引き離し、とにかく散歩に出かける。30分ほどして戻ると、案の定アナグマはいなくなっていた。
          ところがである、夜中にまた犬がさかんに吠えまくるので、隣近所に申し訳ないと思い懐中電灯を持って外に出てみる。と、またあのアナグマ君が軒下にいるではないか。このアナグマ君、私が1メートルまで近づいても逃げない。けがか病気でもしているのかと光を当ててみるが、よくわからない。私が動かないので安心したのか、それともよほど疲れているのか、背中を丸めて居眠りモードに入ってしまった。仕方がないので、彼(彼女?)を起こして、なんとか軒下から追い出そうと試みる。アナグマ君、さすがに1メートル以上近づくと威嚇してくるが、別に危険はなさそうだった。こちらもできるだけ丁寧に扱ったために、アナグマ君を追い出すまで40分以上もかかってしまった。以前にはカモシカが我が家のすぐ脇にまで出没したこともあったし、フクロウが裏の杉林に飛来することもたまにある。しかし、生きている野生のアナグマを、これほど間近で見たのは生まれて初めてのことだった。
アナグマ君の写真もアップしたので見てやってください。(アウトバック・藤村)

2000/10/02   
テレビ番組に当社のクマ避けグッズが!icon哺乳類学会も終了し、ようやく盛岡に戻りました。哺乳類学会では北米で注目されている特殊犬(カレリアン・ベアドッグ)を利用したクマ対策についてポスター発表を行いました。ノートブック型パソコン(PowerBook2000)に収録したデジタルビデオ映像を使用しての説明は、とても好評をいただきました。
          さて、本日の午後9時からNHK総合で放送になった、NHKスペシャル『北極圏 700キロを歩く冒険家・大場満郎と若者達〜初体験35日間の感動の記録』と、午後11時からTBS系列の全国ネットで放送された、情熱大陸『ロッキーの小さな家族』動物写真にすべてを!(TBS)を御覧になりましたか?
          大場満郎さんご本人から聞いた話では、たぶん今回は参加者が多かったのと、同行したNHK取材班のスノーモービルの騒音の影響で、ホッキョクグマは出没しなかったということです。当社が提供した
カウンターアソールトは写りませんでしたが、大場満郎さんをはじめ参加者が首から提げていたオレンジ色のホイッスルは、当社の「熊よけホイッスル」です。
          それから、「情熱大陸」に出演された動物写真家の原田純夫さんが、グレイシャー国立公園の岩場でマウンテンゴートを撮影しているときに、ザックにぶら下げていたのが、当社の提供した
カウンターアソールト専用バックルホルスターです。新刊『ベア・アタックス』を読まれた方はおわかりでしょうが、グレイシャー国立公園はグリズリーベアによる死亡事故が多いところなのです。

2000/10/02   クマ情報(大阪府)icon10月1日付の朝日新聞(大阪版)の「リクエスト」の欄に、「いつまで続くクマ騒動・捕まえた後はどうするの?」が掲載されていました。
          大阪府高槻市原の会社員の自宅で9月12日朝、自宅裏の小屋の網が破られ、鶏が襲われた。その事件が報道されて以降、「クマちゃんをたすけて」「自然破壊の被害者。どうぞ山奥へ帰らせてあげてください」「ツキノワグマは絶滅の道をたどっています。殺生することなく命を守って下さいますように」といった手紙や電話が、高槻市役所に相次いでいる。手紙や電話は1週間ほどで10数件。7月に目撃情報の相次いだ自治体でも同じような状況だという。一方、被害を受けた地元は「放置してもらっては困る」という。原にクマが出没したのは7月の2回に続き3回目。初めて家畜が襲われたこともあり、地元の不安は強い。地元からは「捕獲、場合によっては射殺」の要望が強い。高槻市森林整備課は「クマを助けて、という気持ちも分かるが、地元の不安も無視できない。」できれば、クマが住んでいた山に静かに戻ってほしいというのが本音らしい。大阪府緑地整備室の調べでは、少なくとも過去百年の学術的文献には(大阪には)クマの生息の記録がない。そもそもいない前提だから府のレッドデータブックにも載せていない。同室では捕獲した場合に備えて、動物園などに引き取りを打診しているが、色よい返事は得られていない。クマ対策には「放獣」というやり方もある。捕獲したクマに
唐辛子のスプレーを吹きかけ、人間の怖さを教えたうえで山奥に返すわけだ。だが、府内に山奥と呼べるほどの場所はない。兵庫・京都両府県にも打診しているが、「クマを放される側の住民感情を考えると難しい」と難色を示され、こちらも実現するかどうかは微妙。
          広島県戸河内町は、1991年から全国に先駆けて(クマの)放獣を始めた。これまでに約20頭を山に帰した。同町産業課の栗栖浩司さんの話では、自然保護の視点からでなく、一番の目的は人畜被害の防止という。放したクマには無線発信機を取り付けて行動範囲を随時調べる。高齢のクマや「再犯」の場合は射殺もしている。栗栖さんは「京阪神のクマ騒動は知っている。お互い他人事のように『うちのクマじゃない』と言っている限り、解決はできない」と指摘する。どこの生まれか分からない「放浪グマ」が目撃された以上、その自治体にも生息可能な環境があったわけだから、各自治体や住民が責任を持つしかない、というのだ。「動物園への引き取りや放獣が難しく、人に危害を加える恐れがあれば、射殺もやむを得ない。いずれにしても、事前に『この場合は殺す』『この場合は逃がす』と明確な基準を決めておくべきだ。そうしないと感情論に負けて身動きが取れなくなる」 長年クマ問題に取り組んできた担当者の言葉には信念がこもっている。明確な基準は、京阪神の今のクマ騒動には無い。(朝日新聞 平成12年10月1日)

2000/09/29   哺乳類学会レポートicon9月28日から日本哺乳類学会2000年大会が、大阪市立大学で開催中です。28日にはクマ保護管理検討作業部会が開かれました。

2000/09/29   
テレビ番組icon10月1日 午後11:00〜TBSで放送予定の「情熱大陸」で、米国モンタナ州に家族で移り住んでいる、野生動物写真家の原田純夫ファミリーが紹介されます。今年の6月にモンタナに行った際に、個人的にも大変お世話になった方達です。ぜひご覧ください。

2000/09/29   近畿地区のクマの状況icon9月27日に大阪府の尼崎市立産業郷土会館にて、日本クマネットワーク総会(JBN)の開催に合わせて『近畿地区現状報告会』が開催されました。西日本に生息するツキノワグマの分布域は孤立したものがほとんどですが、生息数や被害状況など大きな地域差が見られます。また、各地で研究者によって生態や生息数、被害防除などの調査や研究が行われています。隣接する地域では連携も必要な場合もありますが、実際には県境を越えた連携は行われていません。そこで、日本クマネットワーク総会が近畿地区で開催されることを機に、各地域の活動内容に関する情報交換を行い、隣接する地域の現状を把握すると同時に把握されている現状と今後の方針について各地域の研究者がともに考える機会をもつたという目的で、『近畿地区現状報告会』が開催されました。

          報告
          ・兵庫県の状況 片山 敦司(野生動物保護管理事務所 関西分室)
          ・鳥取県の状況 西 信介(鳥取県林業試験場 森林管理研究室)
          ・福井県の状況 高木直樹(獣害総合研究所)
          ・滋賀県(湖西地域)の状況 小林 勝志(滋賀県朽木村)
          ・和歌山県の現状 前川 慎吾(開智中学校・高等学校非常勤講師)
          ・京都府の状況 高柳 敦(京都大学農学部森林生物学研究室)


2000/09/29   
書籍案内icon野生動物メーリングリスからの転載記事です。投稿者の許可が下りたのでここに転載します。北海道のヒグマに関して、「どうする? ヒグマとの共存」という題名のルポ記事を、平田剛士(フリーランス記者)さんが発売になったばかりの季刊誌「ヌプカ」第2号に書きましたので、よかったらご覧下さい。「専門家の方々に取材させていただき、ヒグマによる人身事故の分析、防御方法の研究、農業被害のこと、保護管理の方向性、といったことを盛り込んでいます。「ヌプカ」は道内各書店のほか、首都圏では有楽町・東京交通会館内「どさんこプラザ」、青山ブックセンター本店、同六本木店、同新宿店、ジュンク堂書店大宮ロフト店などで扱っているそうです。」とのことです。

2000/09/25   
クマの学習教材icon25日付け朝日新聞(朝刊)の「ひと」に、茨城県立自然博物館の山崎晃司氏が紹介されています。『・・・クマについて学習したことがありますか? 日米のアンケート調査でロサンゼルスの小学生は「はい」が57%、茨城県つくば市などの小学生は1%だった。 「クマは、正しい知識や情報不足のせいで殺されてきた。まず子供達にクマとのつきあい方を学んでほしい」 茨城県自然博物館の学芸員。(米国政府の助成で)ロサンゼルスの博物館と共同でクマ教材を作った。ヒグマやツキノワグマ、シカの頭骨、クマの毛皮といった標本。足形のレプリカ、クマを追ったビデオと参考文献、生態研究用の発信機付き首輪、各種のクマ追いグッズなど33点。希望校にはトランクごと宅配便で送って貸出もする。 東京の高尾自然科学博物館に勤務していた1992年、奥多摩ツキノワグマ研究グループを結成。9年間で延べ37頭に発信機付き首輪や標識を付けた。「東京に(野生ツキノワグマが)おそらく5,60頭はいます」  教材になった6歳半のメス「FG5」は3年前、放牧中のヒツジを7頭襲ったため緊急避難的に射殺された。その毛皮には銃弾の穴と乳飲み子がいた証拠の大きな乳首が残っている。870haに及ぶ行動域の地図やヒツジが襲われた現場の写真も入れた。 「なぜクマが殺されたのか。具体的なクマの生活史から人間とクマの仲たがいを子供達に考えてもらいたい。実物だけが持つ迫力があります。」 既に、利用申し込みも来ている。この夏も長野県軽井沢町や大阪府、兵庫県などでクマ出没が関心を呼んだ。 奥多摩ではここ数年、市町村担当者や森林組合、猟友会員などの意識が変わってきた。クマが出ても、都の職員や研究者らと協議して、駆除しないで、追い払うようになった。「クマは厄介な存在ではない。むしろ、クマが残る豊かな森は誇っていい。クマの存在を公表し、自然の豊かさを売り込む時代ですよ。』(朝日新聞 平成12年9月25日朝刊)

          
【コメント】クマの教材セットには弊社のクマ避け商品やクマ対策食料コンテナが含まれています。

2000/09/25   
ProMouseが届きましたiconiCubeと並んで話題なっている光学マウス「ProMouse」が、アップルストアーから届きました。早速、愛機のPismo (PowerBook2000)に接続してみました。そうれはもう、快適です。画像をアップしたので興味のある方はこちらをご覧ください

2000/09/25   
イベント情報(大阪府)icon日本哺乳類学会2000年大会が9月28日から10月1日まで、大阪市立大学元教養部講義棟で開催されます。弊社の藤村もポスター発表「北米で注目されている特殊犬を利用したクマ対策法の紹介(カレリアン・ベアドッグを利用したクマ対策プログラム)」を行います。この他にもクマ関係の発表が多数予定されています。学会員以外の方も参加できます(参加費 一般/5,500円 学生/4,000円)。クマに関連した主な発表は以下の通りです。
          [ 口頭発表 ]
          
9/29 09:45 ニホンツキノワグマの食性とクマハギの関係  吉田 洋(岐阜大・連農・生物生産科)・他
             10:00 岩手県産ツキノワグマの頭骨形態の地理的変異  天野雅男(東大・海洋研・大槌センター)・他
             10:15 生息地条件によるツキノワグマの駆除パターンの違いについて〜岩手県の事例〜  大井 徹(森林総研・東北)
             10:30 環オホーツク海地域におけるヒグマの遺伝的多様性と系統地理的歴史の考察  増田隆一(北大・理・染色体研)・他
             10:45 野生のヒグマの体毛回収、DNA個体識別にもとづく個体数と行動圏の推定  佐藤喜和(東大・農・野生生物)・他
             11:00 マレーグマ後肢の樹上性適応  佐々木基樹(国立科博)・他


          [ ポスター発表 ]
          
9/29 09:30 ~10/1 13:00
                 エゾヒグマの糞中エストラジオール濃度測定による発情周期モニタリング法の検討  石川明子(北大・獣医・繁殖)・他
                 ヒグマ捕獲用ワナの改良と課題  釣賀一二三(北海道環境科学研究センター)・他
                 ヒグマ捕獲個体構成と捕獲分布の特徴  間野 勉(北海道環境科学研究センター)・他
                 アルゴスシステム利用によるくまの移動追跡の事例  大井 徹(森林総研・東北)・他
                 北米で注目されている特殊犬を利用したクマ対策法の紹介(カレリアン・ベアドッグを利用したクマ対策プログラム)  藤村正樹(有限会社アウトバック)
                 秩父山地におけるツキノワグマの空間利用 ーメス成獣2頭の季節変化について  橋本幸彦(東大・野生動物, 現:自然研)・他


2000/09/25   
イベント情報(岩手県)icon(財)盛岡市動物公園公社では9月23日から10月1日まで、ツキノワグマの生態を紹介する、子供向けの企画展を開催します。弊社では展示物の貸出協力を行っております。

          
お問い合せ先:(財)盛岡市動物公園公社 岩手県盛岡市新庄字下八木田60-18
                              TEL 019-654-8266

2000/09/25   イベント情報(秋田県)icon11月12日(日)に秋田県秋田市において、「東北ニホンザルフォーラム2000 今、秋田の地でといなおそう、動物たちとのおつきあい」(主催:同フォーラム実行委員会)が開催されます。お問い合わせは下記までお願いいたします。11日には白神山地でのエクスカーションと、八森町主催の八森町ニホンザルフォーラムも開催されます。参加申し込みの締め切りは10月15日です。

          お問い合せ先:〒053-0035 北海道苫小牧市高丘 北海道大学苫小牧演習林
                         東北ニホンザルフォーラム2000実行委員会
                         揚妻直樹
                         TEL 0144-33-2171 FAX 0144-33-2173


2000/09/19   緊急のお知らせicon本日ただ今、大場満郎さんから電話をいただきました。今年4月に北磁極に行われた「大場満郎とめざす北磁極冒険ウォーク2000」のテレビ番組が、10月1日に放送になるとが決まったとのことです。放送予定は10月1日(日) NHK総合 午後9時からの「NHK スペシャル」で放送になる予定です。ただし、シドニー・オリンピックの閉会式がその前に放送されるので、閉会式の時間が延長になった場合には、番組の放送時間も多少ずれるかもしれません。皆様ぜひご覧ください。なお、有限会社アウトバックはホッキョクグマ対策として、大場満郎さん一行に熊撃退スプレー・カウンターアソールト熊よけホイッスルを提供しております。

2000/09/17   
クマ被害情報(岩手県)icon岩手県釜石市箱崎町で9月13日午前零時過ぎ、民家のニワトリ小屋にクマが侵入し、愛玩用に飼育されていたチャボ7羽を食害する事件が起きた。周辺では2ヶ月程前から、クマによるニワトリの食害が相次いでいる。釜石署などによると、被害にあったのは会社員K氏のチャボ。夜中に騒がしさに気がついて外に出ると、クマが小屋の中でチャボを食べていた。一度は爆竹をならして追い払ったが、すぐに戻ってきて、また食べはじめた。通報を受けて駆けつけた釜石署員らが、再び爆竹を小屋に投げ込み、なんとかクマを追い払ったという。小屋の金網にはクマが開けた直径60センチの穴があり、中には、ほとんど骨となった一羽のチャボの死体が転がり、6羽の死体は消えていた。クマは体長約1メートル20センチの雌のツキノワグマで、箱崎地区で7月頃から、他のニワトリ小屋を荒らしている同じクマと見られている。
          釜石市農林課は7月中旬、地区内の山林2カ所に、捕獲用のドラム缶罠に蜂蜜を入れて捕獲を試みたが、8月に4カ所に罠を増やしたにもかかわらず捕獲できていない。「家庭から出る生ゴミなどニワトリ肉の味が忘れなくなったのでは。食い意地が張っている上にずる賢く、解決策が見つからない」と頭を抱えている。一方、警察には「発砲してでも追い払ってほしかった」と住民から批判の声が。これに対して、釜石署では「クマがいた、というだけで撃つわけにはいかない。クマが人間に突き進んだりしたら使用もあり得るだろうが・・・」と慎重だ。(朝日新聞岩手県版 平成12年9月14日朝刊)

          【コメント】 近刊
「ベア・アタックス」にクマによる家畜の被害として、羊を襲うブラックベアやグリズリーベアの例が紹介されています。この本の中でスティーブン・ヘレロ博士(カルガリー大学動物行動学教授)は、羊を殺すようになるブラックベアの数は、割合としては少ないが、この特質(羊を襲って殺す)は一度身に付くといつまでも持続すると書かれています。そして、羊を殺したブラックベアを射殺処分することは、通常の管理手段として認められているとのことです。また、牛の補食を繰り返すグリズリーベアは、罠で捕獲して他の場所に移すか、もしくは処分すべきであろうと述べられています。私が今年6月に視察した米国モンタナ州ショートウでも、3匹のグリズリーベアの兄弟によって、羊が7匹殺されて食べられる事件が発生しており、3匹とも罠で捕獲され、それぞれ別の場所に移動して放獣されました。私はそのうちの2頭の放獣作業に関わりましたが、同州野生生物局に勤める友人の説明では、雄グマが問題を起こして2度目に捕獲された場合には、動物園などの施設に収容されるか処分されるそうです。釜石市でニワトリの食害事件を続けて起こしている問題グマは、捕獲して処分するしかないと思います。数年前に同地でニワトリを襲って食害したクマと同じ個体かは分かりませんが、被害の翌日に釜石市農林課の方に案内されて現場に行った際に、被害にあった隣家のご主人から、「騒がしいので窓を開けて懐中電灯を照らしたら、クマが怒って向かってきたので慌てて窓を閉めた」という話を聞きました。人家に侵入したり、人に飼われている家畜を襲うようなクマは、人に対する恐怖感が薄く、場合によっては人を傷つける危険性が高いと思います。ここで注意しなくてはならないことは、全てのクマが問題を起こすのではなく、問題を起こすのは家畜を殺すことを覚えた(学習した)個々のクマだということです。問題を起こすクマを適切に管理することが、人間とクマとの軋轢を減らし、人間とクマとが共存するために必要なのです。

2000/09/17   
「クマの畑」(宮城県)iconツキノワと棲処の森を守る会(代表/板垣悟・宮城県仙台市)の会報「ツキノワグマの代弁」52号が発行になりました。今回の主な内容は、8月25日のズームイン朝等で放送された、「クマの畑」に現れたクマの映像(ミヤギテレビが撮影)や、8月26日、27日に仙台市で開かれた「第8回クマを語る集いin仙台」(クマを語る集いin仙台実行委員会主催)のレポートです。「クマの畑」とは、クマによるデントコーン(とうもろこし)被害が深刻な宮城県川崎町に住むハンターの佐藤善幸さん(農業)が、クマの被害を防ぐ目的で自分の土地を3年前からツキノワと棲処の森を守る会に提供し、仲間のハンターとツキノワと棲処の森を守る会が協力し合ってクマに食べさせるために作っているトウモロコシ畑のことです。ユニークな試みとして、NHKをはじめ多くのマスコミで取り上げられています。なお、ツキノワと棲処の森を守る会では「ツキノワグマのフィールド観察会」を11月3日に宮城県秋保町で予定しています。詳しくは下記にお問い合わせください。

           
お問い合せ;ツキノワと棲処の森を守る会
                 宮城県仙台南郵便局私書箱第36号 TEL/FAX 022-295-1320
                 事務所/宮城県仙台市太白区長町南2-15-21 3 TEL/FAX 022-246-0496
                 kumall.9@f4.dion.ne.jp

2000/09/17   時代錯誤の箱罠icon9月2日付の朝日新聞の「記者ノート」に、「時代錯誤の箱罠(企画報道室・清水弟)というコラムが載りました。清水記者は8月26日、27日に仙台市で開かれた「第8回クマを語る集いin仙台」(クマを語る集いin仙台実行委員会主催)に泊まりがけで参加してくださいました。
          仙台市内で開かれた「クマを語る集い」の会場に箱ワナが展示された。クマ役の人が中にはいると、ガッシャーーン。鉄製の扉が落ちた。留め金がかかってびくともしない。
          宮城県内の有害鳥獣駆除では今でも使われている。長さ2メートルほどの鉄ヤリが添えられ、これで捕まえたツキノワグマを刺し殺したのだ、という。
          箱ワナを持ち込んだ宮城県川崎町の農業、佐藤善幸さん(52)は狩猟歴30年のベテランだが、「箱ワナはクマを絶滅させる」と訴え続けてきた。捕まったクマは鉄棒をかじり、歯がボロボロになるから、野性に返すこともできない。佐藤さんは「各地でクマが激減したのは箱ワナで乱獲したせいだ。20年以上反対してきたが、猟友会も行政も動かない。逆に私が駆除隊から駆除されてしまった」と苦笑する。
          仙台には「ツキノワと棲処の森を守る会」(代表・板垣悟さん・会員150人)というユニークな団体がある。3年前、佐藤さんが提供した山の畑に飼料用のデントコーンを作り始めた。今年は蔵王町の50アールと川崎町は2カ所で計70アールの「クマの畑」を作った。それぞれを2,3頭のクマが利用、農業被害を防ぐ「防波堤」として効果を上げている。
          「守る会」は数年来、「鉄ヤリ使用はやめて」と県と交渉を重ねてきた。「宮城県だけが銃刀法を厳格に解釈して鉄ヤリや水没で処分していた。今年4月、環境庁から鳥獣の捕殺に銃器の使用を認める通達が出て、やっと鉄ヤリは追放されます」と板垣さん。
          蔵王山ろくは江戸時代から「大グマ多数住めり」といわれ、1967年にも体重220キロのクマが捕獲された。現在のクマは70-80 キロしかなく、それだけ山や森の自然はやせ細ったのだ。クマは豊かな森のシンボルだから、会員の我妻正美さんは「クマ1頭殺したら観光客が1万人減ると覚悟するべきだ」と蔵王町にクマの保護を訴えている。
          反対する人もいるが、クマをめぐる世論は確実に変わってきた。箱ワナはあまりにも時代錯誤ではないのか。(朝日新聞 平成12年9月2日)


2000/09/17   Booksicon北極海・南極大陸単独徒歩横断の快挙を成し遂げた、冒険家・大場満郎(植村直己冒険賞受賞)さんの新刊『笑って死ねる人生がいい』(集英社インターナショナル・発行)が8月31日に発行になりました。本書の中には大場さんの生い立ちや、アマゾン川での決死の筏くだり(初めての冒険)、ニューヨークでのテント生活、凍傷で足の指を切断した話、南極大陸単独徒歩行での貴重な体験、北極海単独徒歩行での危険な体験やシロクマに3回も襲われた話(当社が大場さんに提供した熊撃退スプレー・カウンターアソールトが活躍しました!)、グリーンランドでの植村直己さんの思い出・・・・などが収録。生きることにつかれた人や生きる目的を見失った人、夢に向かって生きている人や可能性がいっぱいの人、その他たくさんの人達にぜひ読んでいただきたい本です。

2000/09/17   
Booksicon「ラジオライフ」10月号(三才ブックス)に滋賀県内で行われている、ツキノワグマのラジオ・テレメトリー調査(テレメ調査)を同行取材したレポートが掲載になりました。ラジオ・テレメトリー調査とは、捕獲した野生生物に発信機をつけて放し、発信機から発信される電波の発信源を受信機で調べ、野生生物の生態を調べる調査方法です。魚や蛙、白鳥やクマ、鯨など様々な野生生物の生態調査に使用されています。最近では静止衛星のシステム、GPSやアルゴスを利用した最新のIT 技術を応用したテレメ調査も行われています。

2000/09/17   
クマが民家に侵入(山形県)icon8月2日のクマ情報に一部誤りがありました。山形県米沢市で民家にクマが侵入して老婆を襲って怪我を負わせたという情報です。老婆ではなく主婦でした。山形県米沢市で中学校の先生をしているK氏から、その時の新聞記事を送っていただきましたので、改めてご紹介いたします。Kさんどうもありがとうございました。
          平成12年6月18日午後8時頃、山形県米沢市関根の民家に、クマが玄関脇の網戸を破って侵入。台所で夕飯の支度をしていた主婦(48)を襲った。主婦はクマに押し倒されたが、大声を上げて抵抗したところ、クマは入ってきた玄関から逃げ去った。主婦は押し倒された際に顔や背中に擦り傷を負って病院に運ばれたが、幸い軽傷という。
          米沢署の調べによると、クマは体長1メートルほど。当時高校2年生の次女(16)も家にいたが、無事だった。同署は18日夜、現場付近にパトカーを出動させ、住民に警戒を呼びかけた。現場はJR米沢駅の南東6キロの西吾妻山ろくの農村部。地元では数年前にも民家の窓ガラスがクマに割られたことがあった。
          置腸地方では昨年10月、クマが小国町の民家に上がり込んで食器棚などを壊す事件が起きている。(読売新聞 平成12年6月19日)


2000/09/17   中学校でクマのイメージ調査(山形県)iconクマの侵入事件の情報をお寄せいただいたKさんがお勤めになる米沢市立第五中学校(生徒数約300人)では、8月2日に2年生の生徒108名が3つの大テーマで「総合的な学習」に取り組み、緊急プロジェクト「クマ!どうする?」というテーマを選んだ生徒40名を対象に、クマに関してのイメージ調査を行ったとのことです。その調査を元に作られた「クマのイメージ・マップ」を見ると、「くま〜 くまんばち、くまぜみ、熊本」「ほえる ガオー・すごい声でほえる」「でかい 人間よりでかい・大きい」「死んだふり おそってきたらねたふりをする、クマを倒した人がいる、ともえなげ」「こわい」「くまのプーさん ディズニーランドに出現プーさん」「冬眠 冬眠(する)、親子そろって冬眠する、冬の行動はあまりしない」「出没 関根、関根に出た、五色、五中の近くにいる、目の前にいるかな」等々、生徒さん達が抱く様々なクマのイメージが現れていて、とても興味深いものでした。

2000/09/17   養豚場にクマ出没(岩手県)icon岩手県矢巾町にあるJA岩手県経済連が経営している養豚場にクマが毎日のように出没している。お目当てはブタに食べさせる配合飼料。昨年は配合飼料のストッカーをクマが壊わすトラブルも発生した。幸いブタの被害は起きていないが、ブタが襲われないように、クマに食べさせる分の配合飼料を、養豚場の数カ所に袋に入れて吊り下げている。昨年は養豚場内に猟友会によって設置された箱ワナ2基に、次々と12頭のツキノワグマが捕獲され、内6頭が捕殺されている。今年は管轄する盛岡保健所から岩手県経済連の責任も問われ、自主的にクマ対策をしなければ、有害鳥獣駆除の許可が出ないことになった。そして、8月下旬にようやく電気牧柵の設置が決まった。ただし疑問なのは、いまだにクマを捕獲するための箱ワナが放置されていることである。もちろん、クマが誤って檻に入らないように、扉は閉じられていたが・・・。これって、問題じゃないだろうか?

2000/09/13   
クマ情報(広島県)icon広島県山県郡豊平町都志見にある道の駅「豊平どんぐり村」で、ウサギ小屋の金網が破られ、飼育していた14匹のうち9匹のウサギが死んでいるのが8月31日に分かった。破損状況から、町はクマに襲われた可能性があるとして警戒している。道の駅を管理している豊平ふれあい公園協会理の職員が30日朝に発見し、可部署に届けた。可部署の調べでは、2重構造の金網が、大人の腰の高さ付近で直径30センチの円形に引きちぎられていた。死んだ9匹のうち、4匹は首や背中に引っ掻き傷があったが、5匹は外傷もなくショックで死んだらしい。同署や町は、金網が工具で人為的に切った壊れ方ではないため、クマの可能性が高いと見ている。他にもニワトリやチャボ、インコなども飼育していたが、ウサギ小屋以外に被害はなかった。町に届いたクマの目撃は、今年に入って16件で、昨年のほぼ2倍。どんぐり村周辺でも5,7月の2回、目撃が報告されている。道の駅には年間30万人以上が訪れ、町は「夜間は投光機を使うなど対策を考えたい」と話している。(中國新聞 平成12年9月1日)

2000/09/12   
ワークショップicon9月4日から8日まで「中・大型獣の保護管理に関するワークショップ」(主催・財団法人自然環境研究センター)が東京で開催され、全国から約200人の参加者がありました。鳥獣保護及ビ狩猟ニ関スル法律の改正に伴い、鳥獣の科学的・計画的な保護管理を具体的に進めることが益々求められています。その具体的な方法として、「特定鳥獣保護管理計画」の制度が法律で定められました。そこで今回のワークショップでは、人との軋轢が深刻化しているサル、イノシシ、クマ類に関しての発表と議論が行われました。特にクマ類の保護管理の議論の中で、熊の胆を目的とした違法な箱罠が岐阜県や新潟県など中部・北陸地方などに数多く設置され、犯罪組織が関与している問題や、韓国への違法な熊の胆の持ち出しが横行している問題、法制化された「特定鳥獣保護管理計画」の効果に対する疑問点など様々な問題が、参加者から指摘されました。クマ類の保護管理についての詳細は、こちらをご覧ください

2000/09/12   
クマ出没情報(岩手県)icon岩手県盛岡市浅岸小貝沢の農業・Sさんのビニールハウスが9月3日以降クマに荒らされ、中で栽培していたトウモロコシなどが食害された。Sさんによると、クマは7月頃から頻繁に目撃され、9月に入ってから夜に出没し、トウモロコシ以外にも小屋の中の米なども荒らすようになった。このため、盛岡保健所に有害鳥獣駆除申請を出し、5日にビニールハウス内に捕獲用の罠を設置した。盛岡市農地林務課の新田正昭課長は「クマの食べ物がまだ育たないこの時期は農作物を狙うことが多い。」とコメントしている。今年は盛岡市内でのクマ目撃情報が相次いでいる。(岩手日報 平成12年9月7日朝刊)

2000/09/12   
捕獲のクマ放獣(山口県)icon8月25日に山口県自然保護課は山口県阿武郡阿東町地福下のイノシシ用くくり罠で捕獲されたツキノワグマを、県内でのツキノワグマの行動圏調査のサンプルとして、耳標と調査用の無線発信機付の首輪を付け、近くの山に放した。ツキノワグマは25日の午前6時頃、近くの農業Tさんの自宅近くの雑木林に仕掛けたイノシシ用くくり罠にかかっているのが発見された。体長は約134センチ、重さ約 63キロの雄の成獣。当初は射殺も検討されたが、罠による傷も小さく、地元民の理解が得られたので、麻酔銃で眠らせ、個体調査をした後、現場から約4キロ離れた地点で放獣された。これから毎週、ツキノワグマに付けた発信機の信号で、行動圏を調査する。山口県では今後2,3年かけてツキノワグマの行動圏調査を行う。(中國新聞 8月26日)

2000/09/06   Event(東京都)icon投稿者の了解を得ましたので、「BBS 地球の自転軸を星野道夫に傾ける」からの情報です。「11月10日(金)に中野ゼロ大ホールにて星野道夫さん出演の「地球交響曲第3 番」が上映になります。それに先立ち、9月14日(木)に「上映前懇親会」がギャラリ ー鷹(代々木八幡・本映画に声優として出演されている榎木孝明さんのギャラリー) にて開催になります。ガイアファン、星野ファン、榎木ファンの方々、お遊びに来て頂ければ幸いです とのことです。開催時間は19:30〜、会費は¥3,000です。
          なお、この催しは「地球交響曲上映ネット97」という自主上映ボランテイアグループが主催していま す。詳細は下記のホームページをご覧ください。
                   「地球交響曲上映ネット97」 
http://member.nifty.ne.jp/tabichi/

2000/09/04   
ヒグマの会(北海道)icon9月3日に北海道札幌市の札幌市定山渓自然の村にて、昨日に引き続いて、ヒグマの会主催のエクスカーションが行われました。定山渓自然の村の周辺で、昨年の5月から6月にかけてクマの痕跡が見つかり、また目撃報告があり、マスコミがそのことを報じたことによって大きな騒ぎになりました。幸い、今年はクマ出没の報告が9月3日現在1件も無いとのことです。定山渓自然の村の職員の方に、昨年痕跡が発見され、クマが目撃された場所に案内していただき、クマ対策についても説明を受けました。その後、ロシアから来日した研究者や、ヒグマの会のクマ専門家を交えて、ヒグマ安全対策と自然教育などの利用について、関係者と懇談しました。その中で、知床国立公園に隣接し、市街地までヒグマが出没している斜里町で、長年クマ対策とヒグマの追い払いに従事し、ヒグマの研究を続けている山中正実氏(斜里町役場、ヒグマ専門家)は、昨年のヒグマ出没はおそらく一過性のもであり、その理由として、定山渓自然野村周辺の自然は、クマが長期間定着するには不適切であるとコメントされました。さらに、市街地までクマ出没し、今年も400件以上のクマ目撃情報が役場に寄せられている斜里町のことは話題にならないのに、札幌市の郊外に数回クマが出没しただけで,大騒ぎをするマスコミの報道のあり方などが指摘されました。

2000/09/04   クマ本icon弊社のクマ本ライブラリーに、蔵書が2冊追加になりました。gif

2000/09/03   
ヒグマフォーラム2000開催(北海道)icon9月2日に北海道札幌市の真駒内ハイツ北海道青少年会館にて、「ヒグマフォーラム2000」(ヒグマの会・主催)が開催されました。昨年の9月にサハリンでのヒグマ生息地の調査をヒグマの会有志が行いましたが、今回はサハリンの研究者やヒグマの研究を目指しているサハリン州立大学の学生2名を北海道に招待しての、日露交流フォーラムとなりました。私もサハリンでお世話になったガイド兼通訳のミハロフ・ワシリー氏と再会できました。サハリンで起きた地震について気になっていたのでワシリー氏に尋ねると、特に大きな被害はなかったそうです。
         さて、ヒグマフォーラムは約130人の参加者が迎え、「第1部ヒグマの生息地を考える〜北海道・サハリンの森と川から」が始まり、基調講演としてサハリン州立大学生物学部教官のクラシコバさんの「サハリンのクマと自然と人々」が行われました(通訳のワシリー氏が代読)。続いて北海道放送・西沢氏からは昨年の「サハリン・ヒグマ調査」の報告、北海道新聞・山本氏からは今年行われた「国後島のヒグマとシマフクロウ調査」の報告が、ビデオ映像やスライドを交えて行われました。続いて、岩手大学教授の青井氏からは「北海道のヒグマと生息地・特にレッドデータ地域について」、流域生態研究所代表の妹尾氏から「川と森のつながり」についてと、標津サーモン科学館主任学芸員の小宮山氏からは「川の話し・もっとのんびり生きましょう」という、とても興味深い講演が行われました。
         自由討議の後には、「第2部各地のヒグマの近況」が始まり、有限会社アウトバックの藤村が「北米で成果を上げている特殊犬を利用したクマ対策」につい発表しました。知床のクマの近況報告として、斜里町役場の山中氏と羅臼町役場の田沢氏からそれぞれ発表がありました。斜里町では今年もクマの目撃報告が数多く役場に寄せられており、8月の時点で既に400件を越えているとのことです。逆に羅臼町では春先を除き、クマの出没は少ないそうです。ただし、隣の標津町でのクマの出没が増えているとのことでした。道環境科学研究センター道南地区分室の釣賀研究員からは道南のクマの近況について、浦幌ヒグマ調査会の佐藤代表からは浦幌のクマの近況報告が行われました。


2000/09/03   
軽井沢でクマが民家に侵入!(長野県) icon8月24日の午前3時頃、長野県軽井沢町で住人の就寝中の家屋に、クマが侵入して生ゴミの入ったポリバケツ(ゴミ箱)を持ち去って逃げるという事件が発生しました。クマは台所の網戸を壊して、家屋内に進入しましたが、中に進入する際に冷蔵庫を倒し、その物音で逃げ去った模様す。家人が大きな物音に目が覚め、台所に行ってみると中が荒らされており、警察に通報したそうです。30分ほどでパトカーが駆けつけ、庭を見ると斜面の下でガサガサ物音がするので、警官2〜3名で下りていったところ、クマが逃げていきました。この情報は現地でクマの調査を行っている友人からお寄せいただきました。どうもありがとうございます。

2000/08/29   
ツキノワグマの毛icon皆さんはツキノワグマの毛を見たこと、触ったことがありますか? 次のURLにはツキノワグマの毛の電子顕微鏡写真が載っています。
                     ツキノワグマの毛 
http://www.kahaku.go.jp/scicom/bank/002/data2/data2p7.html 

2000/08/29   
人身被害発生(岩手県)icon8月27日午前4時45分頃、岩手県遠野市附馬牛町上附馬牛の滝川沿いの山林で、渓流釣りに来ていた宮城県の男性K氏(48)が、遭遇したツキノワグマに攻撃を受け顔などに怪我を負った。遠野署の調べではK氏が釣り場を捜して滝川沿いを歩いていたところ、後方から体長160センチほどのツキノワグマが現れた。K氏はとっさにクマの首をつかんで、クマもろとも川に飛び込んだが、その際にほおや目尻をクマに引っ掻かれた。K氏とクマは川の両岸に別々に上がったが、クマは姿を消した。(岩手日報 平成12年8月28日朝刊)

2000/08/28   
クマを語る集い開催(宮城県)icon8月26日・27日に宮城県仙台市の(財)婦人会館にて、第8回クマを語る集いIN仙台(主催:クマを語る集い実行委員会)が開催されました。26日は奥多摩ツキノワグマ研究グループのリーダーで、茨城県立自然博物館学芸員の山崎晃司氏から『クマに関する教材の開発と紹介』と、北海道自然環境課野生生物係の小野 理氏から『ヒグマ保護管理対応の基本的考え方について』、元宮城県川崎町有害鳥獣駆除隊の佐藤善幸氏からは『猟師として、いかにクマを残すか』、宮城県川崎町の酪農家・小峯 誠氏からは『クマによる飼料作物被害をどう考えるか』、岩手県ツキノワグマ研究会&有限会社アウトバックの藤村正樹からは『北米で注目されている先進的クマ対策のプログラム』(カレリアン・ベアドッグを利用したクマ対策プログラム)の紹介とビデオの上映がありました。27日は狩猟文化研究所代表の田口洋美氏が『現代のマタギ』と題した基調講演と、我妻正実氏(ツキノワグマと棲処の森を守る会)から「クマの畑」の発表、パネルディスカッションがありました。詳細はこちらをご覧ください。

2000/08/28   新刊紹介iconクマ被害とその防除法の専門書・待望の『ベア・アタックス』〜クマはなぜ人を襲うのか〜(スティーブン・ヘレロ:著/嶋田みどり・大山卓悠:訳/日本クマネットワーク:解説/北海道大学図書刊行会:発行)がついに出版になりました。「クマを語る集い」から戻ると、『ベア・アタックス』が入荷していました! 『ベア・アタックス』はとても凄い本です。ご夫婦で昨年来日し、北海道と東京の奥多摩町で記念講演された、カルガリー大学(カナダ)のスティーブン・ヘレロ博士がクマがなぜ人を襲うかについて書き、1985年に出版されたバイブル的クマの専門書です。星野道夫氏がカムチャッカ半島でヒグマに襲われ死亡した事故がきっかけとなり、星野道夫氏の友人だった嶋田みどり氏や大山卓悠氏によって翻訳された本です。専門書と入っても、一般の人にも理解しやすいように私たち日本クマネットワークのメンバー有志がアドバイスなどで翻訳作業をサポートしてきました。また、日本クマネットワークのクマ専門家によって、日本のヒグマやツキノワグマについての現状や人との軋轢、被害対策の取り組みなどについて解説文が加筆されています。さらに、星野道夫氏の理解者でもあるスティーブン・ヘレロ博士自らが、「星野道夫の死」と題した章を新たに書き加えられた記念すべき貴重な本です。諸般の事情で上下2巻(各2400円+税)となってしまいましたが、価格以上の内容であると自信を持って言える本です。
          
当社でも販売をはじめましたので、お近くの書店で入手できない方はぜひお買い求めください

2000/08/28   
MAGAZINEicon8月刊誌『4X4MAGAZINE』8月26日発売号(フォーバイフォーマガジン社)に、(有)アウトバックの藤村正樹が取材を受けた記事が掲載されています。藤村は『4X4MAGAZINE』のエリアレポーターを約15年していますが、逆に取材を受けたのは初めてでしたので、かなりテレています(^^;。アウトバック設立のなりそめや、藤村とクマとの関わりをはじめ、四駆とのつきあいの歴史などが主な話題ですが、よかったら読んでくださいな。

2000/08/20   クマ出没情報(岩手県)icon8月19日午前5時50分後、岩手県松尾町寄木の宿泊施設周辺にクマが出没しているのを宿泊客が目撃し、同施設の従業員から岩手署に通報があった。同署によると、クマは体長1メートルほどの若いクマとみられる(新聞には岩手署員が撮影したクマの写真が掲載された)。同署員が現場に到着したとき、クマは高さ5メートルの木に登ってた。その後、木から下りたクマはゴミ箱の残飯をあさったりしながら、2時間ほど現場にいた。同署員が爆竹を鳴らしたところ、山の放草地へ逃げ去った。現場周辺は宿泊施設、別荘地などが立ち並ぶ八幡平温泉郷地区。(岩手日報 平成12年8月20日)

          【コメント】 クマ出没の原因は生ゴミや残飯がクマを誘引したと考えられる。松尾町は岩手山麓に位置し、生息数は不明だがクマは少なくないと考えられる。ここ数年、同町内でのクマの目撃例が増えていることを考え合わせると、長野県の軽井沢町や上高地と同じような、クマ出没多発地帯になる可能性が高いので注意が必要である。特に、ホテルや旅館等の宿泊施設や、別荘地などは生ゴミの処理・管理を徹底しなければならない。それらはクマにとって魅力的なご馳走であり、一度味を覚えたクマは何度もかよってくるようになる。生ゴミや残飯によって「餌付け熊」にされたクマは、やがて人に対する恐怖心が薄れ、人間にとって危険なクマへと変貌する。野生のクマを「餌付け熊」に変えるのは人間の落ち度である。しかし、危険なクマは人間によって有害鳥獣駆除される運命にある。ただし、ゴミの処理・管理を怠った人間は処分されることがない。


2000/08/20   
Linkicon星野道夫さんのお導きで知り合った、星野道夫氏を信奉され、星野さんの作品などを紹介しているサイト『地球の自転軸を星野道夫に傾ける』を主宰している鳥海さんのホームページです。星野さんの作品や、彼に対する思いなどがつづられています。なお、鳥海さんの掲示板には大阪圏でのクマ出没情報が掲載されています。BBSのウェブサイトには、クマ関連の話題が咲き誇っています。超おすすめ、ぜひお立ち寄りください!

          BBS地球の自転軸を星野道夫に傾ける http://www60.tcup.com/6004/michio.html
          HP地球の自転軸を星野道夫に傾ける  http://www.age.ne.jp/x/toriumi/hoshino/h_cont.htm


2000/08/20   
クマ本icon弊社のクマ本ライブラリーに、蔵書が1冊追加になりました。情報をお寄せいただいたOさん、どうもありあがとうございます。


2000/08/20   
クマ出没情報(岩手県)icon岩手県沿岸北部の普代村で、里に下りてきたクマが誤って人に捕まるハプニングが発生しました。8月18日付の岩手日報朝刊によると、場所は普代村八字太田名部の土木作業員・O氏の自宅裏の畑。8月17日午前5時頃、1頭のツキノワグマが堆肥置き場に入り込み、出られなくなっているのをO氏に発見された。堆肥置き場は動物が入り込まないように鉄骨で囲ってあり、クマが入り込んで餌を物色中に、偶然カギがかかったらしい。クマは体長1.2メートル、体重70キロほどの雄。発見されたときには、クマは仁王立ちになって激しく暴れていた。雨よけのシートは爪で引き裂かれてボロボロになったが、暑さのためか時間が経つにつれてじっとうずくまることもあった。結局、久慈保健所員(注1)によって麻酔が打たれ、山に無事に戻された(注2)。付近は山間に約百世帯の民家がある集落。「6月頃から何度か荒らされ、恐くて畑仕事ができなっかた」とO氏の弁。
          なお、普代村では平成6年4月30日にクマによる人身被害が発生し、青森県八戸市から遊びに来た男性が大けがを負っている。

          注1:岩手県では岩手県知事がクマの有害鳥獣駆除の許可権限を押さえており、実際は各地の地方振興局内にある県環境保健部保健所で判断を下すことになっている。
          注2:岩手県では人身被害の危険性が少ない場合には、原則として捕獲されたクマは山に戻すように指導している。また、被害(農作物被害、養蜂被害など)が起きた場合には、被害者自らがクマ被害対策を実施することとしている。クマ被害対策は個人負担であり、県からの補助制度はない。県内のいくつかの市町では、クマ対策用電気牧柵の補助制度を単独で行っている。

          
【コメント】 クマ出没の原因は堆肥置き場に捨てられた生ゴミがクマを誘引したと考えられる。クマにとって手軽に食事にありつける堆肥置き場は魅力的だ。山に放獣されても、再び出没する可能性が高い。また、一度味を覚えたクマは、コンポストや生ゴミなどを狙って、他の人家にも出没する可能性もあるので、引き続き注意が必要である。

2000/08/18   
アクセス30000回達成!iconどうも皆様、ありがとうございます。アクセスカウンター"30000"の大台を達成いたしました。これもひとえに皆様のおかげです。感謝、感謝! 3万番目の方は自主申告になりますが、どうぞご遠慮なくお申し出ください。ささやかなプレゼントをご用意しております。(^-^)/

2000/08/18   
クマがチカン撃退!?icon『SEVENTEEN』NO.19/20 9月1日号(集英社)の”ガールズNEWSパラダイス”に、熊撃退・・・ではなくて、チカン撃退用のクマ型セキュリティーベルが紹介されています。ベージュ色と白色のクマ(¥1080)以外にも、ちょうちん型・丸バッジ型(¥1980)、キィティ(¥1200)、ウサギ・ワニ(¥1350)など様々な形があります。バッグや携帯に付けることもできる小型サイズですが、緊急時にはデカイ音を出すことができます。原宿のPSSショップ(TEL. 03-577-1331)で販売しているそうです。

2000/08/18   
BOOKSiconクマ被害と被害対策の専門書・『ベア・アタックス』の出版が遅れています。出版元の北海道大学図書刊行会からは、発売日が8月10日と連絡がありましたが、8月17日の時点で、弊社には入荷しておりません。ご予約をいただいたお客様にはご迷惑をおかけしておりますが、もうしばらくお待ちください。なお、『ベア・アタックス』は弊社でも取り扱っております。ただ今予約を受け付け中です。上下刊ご予約者には、送料無料!入荷しましたらご連絡いたします。


2000/08/18   
毎度お騒がせしてます、大阪のクマ情報icon神戸在住のK氏から、マスコミを騒がせている大阪のクマ情報(新聞記事)をたくさん送っていただいたのでご紹介します。どうもありがとうございます。
          大阪府北摂地域の能勢町で、最初にクマが目撃されたのは6月29日。その後兵庫県内に移動したクマは、7月28日以降連日目撃されていた。クマは川西市(7/28)、猪名川市(7/29)、宝塚市(7/30)、西宮市(7/31)と移動し、8月1日に再び宝塚市大原野で、サツマイモ畑を荒らしている時に住民に目撃された。目撃されたクマはいずれも体長が約1メートル。同一の個体と見られている。(神戸新聞 平成12年8月1日) 実は、大阪府北摂地域でクマひんぱんに目撃され、騒がれたときには、大阪府は茨木市の猟友会に依頼してクマを射殺する準備をしていた。しかし、兵庫県は警戒するが様子を見守る方針。危険な大阪府から安全な兵庫県に、クマは逃げ延びた結果となった。(大阪新聞 8月1日) ところが、8月5日には夏休みの観光客でにぎわう神戸市灘区の六甲山中(西谷山)に、クマが姿を現した。西宮市内のゴルフ場には、許可を受けた猟友会員によって捕獲用のドラム缶罠がしかけられたが、クマは山中を西へと移動し、捕獲は失敗した。(神戸新聞 8月6日) クマ騒動によって誤った情報(クマは夜行性、危険なのは早朝と夕方だけ)が流布されていることに、クマの専門家が警鐘(夜、昼を問わず行動する等)を鳴らしている。また、神戸市灘区役所、東灘区役所は六甲山の登山道入り口付近13カ所に、クマ出没注意の文面を張り出した。(神戸新聞 8月8日) 8月9日には、住宅街から300メートル離れた六甲山中で、クマが目撃された。神戸市の北農政事務所では、地元猟友会とともに、威嚇射撃を伴う捕獲作戦も検討しているという。専門家は、2,3歳の若い雄グマが雌を求めて独り立ちの旅をしているのではないかと見ている。(神戸新聞 8月10日朝刊) 8月10日午前2時40分頃、兵庫県神戸市北区有野町唐櫃の神戸電鉄有馬口駅から東700メートルの県道で、車で帰宅中の男性がクマを目撃した。さらに、同日6時5分頃、さらに南約3キロの裏六甲ドライブウェーで、通行中のドライバーがクマを目撃した。県道で目撃されたクマは、男性が車のライトを当てると、後ろ足で立ち上がったそうだ。裏六甲ドライブウェーでの目撃は、六甲トンネルの北出口から北約700メートル付近だった。(神戸新聞 平成12年8月10日夕刊)


2000/08/15   知床半島のヒグマの映像icon知床半島を流れるルシャ川、テッパンベツ川河口付近周辺には、シャケやカラフトマスの遡上期にたくさんのヒグマが集まることで知られています。ただし、この地域へは斜里営林事務所の通行許可証を得ないと、車での入山ができません。ヒグマと人間が微妙に共存している日本では唯一の場所ですが、心ない人がヒグマに近づいて人身事故を起こしたり、この地域に生ゴミなどを捨てていき、クマが人間の残したゴミの味を覚えてしまった場合、クマと人との微妙は共存は、そのバランスが崩し、崩壊してしまします。朝日新聞社のウェブサイトでは、同社のカメラマンが(許可を得てこの地域に入り)撮影したヒグマの写真27枚を公開しています。ちょうど夏休みですので、ぜひお子さまと一緒にご覧ください。そして、人と野生動物が共存するためには、何が必要であり、何をしてはいけないかについて、お子さまと一緒に考えてみてはいかがでしょうか。

2000/08/12   
星野道夫氏の死と『ベアアタックス』icon早いものです、野生動物の写真家・星野道夫氏がカムチャッカ(ロシア)でヒグマに襲われて不慮の死を遂げてから、今年の8月8日で4年の月日が過ぎ去りました。まもなく『ベアアタックス』という本が北大図書刊行会から翻訳出版になりますが(8月10 日の予定でしたが少し遅れるようです)、この本は星野道夫氏の死亡事故がきっかけで、星野道夫氏の友人有志によって翻訳出版されたものです。
          1996年8月8日の午前4時頃にロシア・カムチャッカ半島南端のクリル湖畔で、TBSテレビの「どうぶつ奇想天外」の取材中の星野道夫氏は、テントで就寝中にヒグマに襲われ死亡されました。しかし、星野道夫氏と行動を共にしていたTBS取材スタッフ(3人)やロシア側のクマ研究者兼ガイドら(2人)は(彼らは小屋の中にいて助かりました)、事故について口を閉ざし、星野道夫氏の死亡事故に関するTBSテレビ側の事故報道でも、多くは語られませんでした。そこで、TBSテレビ側の事故報道に対して、深い疑問を感じた星野氏の友人有志らが
「故星野道夫友人有志の会」を組織し、独自に死亡事故の真相を調査開始したのでした。事故当時、アメリカ人の写真家・カーティス・ハイト氏が、現場近くに滞在していたという情報をつかんだ「故星野道夫友人有志の会」は、カーティス・ハイト氏を日本に招くなど、様々なルートを通じて情報収集に奔走しました。その結果、TBSテレビ側の事故報道が不十分、不正確であり、さらに粉飾と虚偽を含んでいたという事実()を知ったのでした。1996年11月に「故星野道夫友人有志の会」は、TBSテレビに対して公開質問状を提出し、同年12月にTBSから回答を得ました。残念ながら、その内容は納得のいかない不誠実きわまりないものでした。その後も、「故星野道夫友人有志の会」による調査と情報収集は続けられ、機会を見て再度TBSテレビに対して公開質問状を提出する予定でした。
          しかし、ボランティアとカンパによる活動には限界があり、2度目の公開質問状を提出する事はついにできませんでした。そのかわり、星野道夫氏の事故死を無駄にせず、同じような不幸な事故を未然に防ぐ方法として、カナダ人の哺乳類学者でクマの研究者としても有名な、スティーブン・ヘレロ博士(カルガリー大学名誉教授)の著作
"Bear Attacks"の翻訳に着手したのでした。 "Bear Attacks"は北米で起きた1000件以上ものクマによる人身事故を解析し、その原因を考察した名著で、クマ研究者の間ではバイブル的な存在です。クマと人との軋轢を解決する、あるいは未然に防ぐためには、クマの正しい生態を知ることと、科学的な原因の究明と原因の除去が必要不可欠です。これまでの日本の鳥獣保護行政は「科学的な原因の究明と原因の除去」が特におざなりにされてきました。その結果、毎年たくさんのクマが有害鳥獣駆除され続けている(昭和40年から平成5年の29年間だけでも4万頭以上のクマが有害鳥獣駆除の名目で殺されています)にもかかわらず、クマと人との軋轢は一向に減らず、反対に様々な被害やクマの里への出没が増加する傾向にあります。繰り返します、日本の鳥獣保護行政(野生鳥獣の保護管理)は北米と比較して非常に遅れています。
          とても残念なことですが、私は生前の星野道夫氏にお会いしたことがありませんでした。しかし、4年前の8月8日から、私や友人の多くのクマ研究者達が、星野道夫氏の死亡事故の問題に関わってまいりました。本日、「故星野道夫友人有志の会」のメンバーで、
『ベアアタックス』の翻訳と編集を担当した嶋田みどりさんから手紙が届きました。同封されていた故星野道夫友人有志の会事務局一同様の「ご支援くださった皆様に」という手紙から、下記の文章を引用させていただきました。手紙には、『ベアアタックス』の上梓を期に長かった有志の会としての活動を終了すると書かれておりました。
           故星野道夫友人有志の会の皆様、本当に長い間ご苦労様でした。私たちは星野道夫氏の死を、そして彼の死の意味を、決して忘れないでしょう。

NEVER FORGET THE DEATH OF MICHIO HOSHINO!

          『翻訳作業を進める中で、私たちは星野さんを襲ったクマが、いわゆる「つきまとうクマ」あるいは「餌づけされたクマ」であることに強い確信を持つにいたりました。具体的には、反復的に人間の食料を食べそれに強い執着を持っているクマ、または反復的に人間と接触する経験を持ち人間が恐るに足らぬ存在であることを学習したクマのことを言います。こうしたクマは正常な野生のクマに比べて格段に危険であることを同書は教えてくれました。 生前の星野さんを優れたナチュラリストとして深く尊敬していたヘレーロ博士は日本語版の出版にあたり、星野さんの死を分析した1章を書き加えることを申し出てくれました。そこで私たちは入手した情報の英訳を博士に送り、博士自身も独自の取材をし、「星野道夫の死」と題した1章が新たに書き加えられました。(以下省略)』さらに、「故星野道夫友人有志の会」の活動と『ベアアタックス』の出版に強い関心を持たれた記者によって、平成12年5月30日の朝日新聞に、『検証 動物写真家を襲ったクマ 野生、ゆがめられていた?』という記事が掲載になりました。なお、『ベアアタックス』は当社でも販売いたします。

           
TBS側の事故報道では「(スタッフが)小屋での寝起きを勧めたが、星野道夫さんはテントで寝起きした」、「企画は星野さんから持ちかけられた」、「時折ヒグマが出没することがあるが音を立てればすぐに逃げていった」、「最近60年間、クマが人間を襲ったケースは記録されていない」などと、死亡事故の責任は星野道夫氏本人にある(だからTBSには責任がない)、また、取材した現地は安全だったことを、ひたすら強調する内容でした。しかし、「取材班が現地入りする前に、既に(取材スタッフが寝起きする予定の)小屋には建物を壊してヒグマが侵入し、食料を荒らしていた」、「現地ではここ数年の間で何人かの人がクマに襲われて負傷していた」、「取材班の滞在中にもヒグマは出没し、食料庫の屋根に上っていた」、「現地のテレビ局の人間がヒグマに食べ物を与え、餌づけして撮影していた」、「現地サポートを依頼されたロシア側のガイドは、護衛のハンターを雇わず、銃も用意していなかった」、「取材をしていた年は鮭の遡上が悪く、ヒグマの栄養状態は悪かった」などの事実が、「故星野道夫友人有志の会」の独自の調査で次々と明らかにされました。その後、TBS側は1998年12月に事故調査委員会が「最終報告」をまとめましたが、委員会の総意を理由に内容は今もって公表されていません。
           星野道夫氏の死を悼むNational Wildlife Federationの哀悼の意。 
http://www.nwf.org/natlwild/hoshino.html

2000/08/11   
第5回信州ツキノワグマシンポジウムの報告icon『FIELD NOTE』(WMO/(株)野生動物保護管理事務所のニュースレター)NO.67(2000年7月号)には、5月に長野県松本市の信州大学で開かれた「第3回信州ツキノワグマシンポジウム」の報告が掲載されています。それによると、長野県林務部の中沢憲昭氏からは「鳥獣保護法改正と(長野県の)ツキノワグマ保護管理計画」について説明がありました。その中で、昨年はクマの駆除頭数が県の定めた上限を大きく上回った経緯の説明があり、今後は特定鳥獣保護管理計画の一環として管理計画の策定が行われる予定であり、現在市町村長に下りている駆除の許可権限が再び県に戻されることが発表されました。また、長野県自然保護研究所の岸本良輔氏らからは、『北信地区におけるツキノワグマの調査状況』の報告があり、隣接する自治体でテレメを頼りにクマの狩猟が行われたらしい状況についても報告され、今後電波発信機によるクマの生態追跡に関した危険性について示唆されました。さらに、星野リゾート・ピッキオの小山克・南正人氏からは、軽井沢町の別荘から出される生ゴミにクマが餌付き、その個体がキャンプ場に出没したために、昨年度町営のキャンプ場が閉鎖された経緯などが報告されました。そして、生ゴミの徹底管理によってクマとの共存は可能という結論が述べられました。他には「カバのなわばり」、「有害駆除されたニホンザルの死体分析」などが掲載されています。なお、『FIELD NOTE』(年4回発行)は年会費2000円でどなたでも購読ができます。WMOの会員は随時募集中です。

         
『FIELD NOTE』のお問い合せ先/(株)野生動物保護管理事務所 『FIELD NOTE』編集部
                         神奈川県川崎市多摩区布田5−8 TEL.044-945-3012 FAX. 044-945-3015
                         郵便振替:00140-4-63739 年会費 2000円

2000/08/11   
北アルプスでゴミをあさるクマicon『FIELD NOTE』(WMO/(株)野生動物保護管理事務所のニュースレター)NO.67(2000年7月号)によると、今年の5月下旬に上高地のとある山荘で、クマが排水槽の蓋を壊し、毎晩排水をなめに来るというトラブルが発生していました。WMOがクマの爪がかからない鉄製の蓋に代えてから、クマは来なくなったそうです。また、6月下旬からは上高地のX山小屋、Y山荘にクマの足跡や糞などの痕跡が見られるようになったそうです。

2000/08/11   
アフリカのゴリラに愛の手を!icon内線や政情不安のとばっちりでアフリカに住むゴリラたち類人猿が危機に瀕しています。そこで、彼らを保護するために、TBS(東京放送)が主体となって「日本グレイトエイプス保護基金」が設立されました。集められた基金は現地住民への類人猿に対する保護育成及び環境教育の援助金として、現地環境保護関連NGO への援助、森林保護・植林のための苗木購入費用、環境教育の拠点として学校建設、類人猿が生息している国立公園の管理・運営費用などに利用されます。
         どなたでも参加できます! ダイヤルQ2 による募金です。次の電話番号を回してください(携帯電話・PHS・公衆電話からはご利用できません)。1回に付き約100円が
「日本グレイトエイプス保護基金」寄付されます。受付は24時間オーケー。「ゆうゆうワイド」(TBSラジオ 954)の大沢悠里さんも応援しています。お問い合せは・・・ tel. 03-5571-2646 TBSラジオ現業局 制作部内 「日本グレイトエイプス保護基金」事務局まで。

          
「日本グレイトエイプス保護基金」 SAVE THE GREAT APES SOS! 100円ダイヤル募金! TEL. 0990-505-505

2000/08/10   
クマ本icon弊社のクマ本ライブラリーに、蔵書が9冊追加になりました。gif

2000/08/09   クマ目撃情報(長野県)icon弊社のウェブサイトを御覧になった東京在住のM氏より、貴重なクマ遭遇情報をお寄せいただきました。転載の許可を得ましたので、まとめたものをご紹介いたします。Mさんどうもありがとうございました。
          8月3日にM氏がクマと遭遇したのは、長野県と群馬県にまたがる角間渓谷です。長野県真田町の角間温泉にある旅館の裏手から鳥帽子岳へ登る登山道があり、登山道の入り口には駐車場があります。そこから約300m入ったあたりで遭遇したそうです。この道は、渓流釣りの釣り人や、登山者、地元の人が時々入る道ですが、今年の5月の大雨で、途中の木橋が流されてしまい、およそ1時間ほど登ると、道がわからなくなります。
          クマに遭遇したのは、今年の8月3日,午後2時20分頃です。天候は、晴れ、暑い日だったそうです。M氏が登山道を歩いていくと、30mくらい先を左から右へ体長1.2mくらいのクマが、さっと横切りました。すぐにクマとわかり、M氏は立ち止まって様子をみていました。そのあたりは杉の木が多く、下草が茂っていて薄暗く、見通しが悪いところだそうです。しかも、登山道の右側は渓流で、クマが飛び出した左側は切りたった崖になっている。クマは、恐らく下草の中に隠れているとMしは判断し、ゆっくりと後ずさりしながら引き返し、50mほど戻っても後をつけてこないようだったので、事無きを得ました。
          M氏は時々この場所に来るそうですが、クマと遭遇したのは、今度がはじめとのことです。以前、サルとニホンカモシカもここでみています。4年前に来たときは、群馬県との境のあたりにクマ出没の立て札がありましたが、今は無かったとのことです。後で、クマ関係のサイトで調べたところ、もし、クマに気付かずにそのまま行けば、多分M氏はクマの退路を立つ形になって危険だったことがわかったそうです。ヒグマの危険性についてはよく知っていましたが、最近はツキノワグマによる人身被害が多いと知り、M氏は驚いているそうです。なお、M氏は東京在住ですが、長野にはよく遊びに来るとのことです。「何も知らない都会人が山にゴミを捨てることで、一層、クマを人里に近ずけていることになると思います。時々、バーベキューなどして、残飯を捨てて帰る無知な人が多いのに腹が立ちます。」というメッセージを頂戴しております。


2000/08/09   テレビ番組iconNHK科学番組部が3年がかりで製作した『アジア・知られざる大自然』がまもなく放送になります。特に第3回目では、北極海に生きるホッキョクグマの迫力ある映像が楽しめるとのことです。ぜひご覧ください。

          放送予定   
第1回 プロローグ モンスーンの奇跡〜インド亜大陸〜8月14日(月)19:35~20:33 (総合)
                 第2回 青い宝石 淡水の恵み〜亜寒帯の河と湿原〜  8月21日(月)20:00~20:43 (総合)
                 第3回 氷の王国 夏の輝き〜シベリア北極圏〜    8月28日(月)20:00~20:43 (総合)




2000/08/04   クマ出没情報(岩手県)icon8月3日に"4X4MAGAZINE"(フォーバイフォーマガジン社)の取材があり、岩手県松尾村の松川温泉郷に行って来ました。狭雲荘の御主人からの情報では、樹海ラインのの起点付近で、ここ数日の間に親子グマを目撃した方が何人もいるそうです。この付近は観光地ですので、いまの季節はドライブや登山、ハイキングやキャンプなどで訪れる人が増えています。クマを見かけてもいたずらに刺激したり、不用意に近づかないように注意することが必要です。なお、狭雲荘では生ゴミの処理を徹底しているので、クマが餌付く心配はないとのことです。

2000/08/02   
クマ出没情報(岩手県)icon7月31日午後5時頃、岩手県釜石市大町2丁目の寺院敷地内に、クマが出没しているとの通報が釜石署と釜石市役所に寄せられた。市は防災無線で注意を呼びかけている。現場は釜石市中心部の北側裏山周辺。清掃作業をしていた地元住民が雌の成獣と見られるクマを目撃した。近くには市民病院、保育園、公園などがある。(平成12年8月1日 岩手日報)


         
【コメント】岩手県釜石市には毎年多数のクマが出没し、人身被害や農作物被害、家畜の食害、住民の精神的被害など様々な軋轢が発生している。釜石署では「クマ出没マップ」を作製しているが、昨年は地図がクマ出没マークで埋め尽くされるほどクマが出没した。以前にもクマがお墓のお供え物を食い荒らした被害が起きているので、今回のクマ出没も同じ原因ではないだろうか。もうすぐお盆を迎えるが、クマ出没地域ではお墓にもクマが出没する可能性があるので注意が必要である。

2000/08/02   クマ目撃情報(福井県)iconホームページを御覧になったお客様からクマ目撃情報が寄せられました。Aさんどうもありがとうございました。
          7月30日に福井県福井市で、Aさんはクマ(体長70センチぐらい)を目撃したそうです。ちょうど福井祭りの花火をやっていたので、山の上から見ようと思い車で出かけたところ、20時くらいに道路を走って横断する黒い生き物を発見。最初は「ネコか?」と思ったそうですが、あの黒光りする毛並み、すっと通った鼻筋、短い足と独特の走り方はどうみてもクマでした・・・とのことです。近くの山でも数年前にクマが出没しましたが、そのときはワナを仕掛けて射殺されてしまいました。「クマがでたぞ」と騒ぐとその時と同じ結果になってしまうのではないかと思い、誰にも言わずにいたそうです。(偉い! 拍手)


2000/08/02   クマ情報(東北各地)icon宮城県、山形県、福島県内の取引先(アウトドアショップ)の方から、様々なクマ情報を教えていただきました。確認を取っていないので、内容に不備があるかもしれませんが、皆様の参考になると判断し掲載します。
         宮城県内でも今年数件の人身被害が発生しています。そのうちの1件は仙台市秋保町で起きたとのこと。
         山形県内でも人身被害が発生しています。今年6月に米沢市で、網戸を破ってクマが家に侵入。食事をとっていたおばあさんに怪我を負わせ、食べ物を物色したそうです。さらに、クマと遭遇した男性が、クマを投げ飛ばした(!)という珍事件もあったそうです。これらの件で、詳しい情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、弊社までご提供いただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。


2000/08/02   クマ出没情報(北海道)icon北海道中標津町立武佐小中学校近くの町道で7月4日、ヒグマの足跡が確認された。これを受けて同校は保護者に対し、5、6の両日の登下校は車で送迎するよう求める文書をファクシミリで送付。町も一両日中に、現場付近にクマ出没を示す看板を設置して注意を促す。(北海道新聞)

2000/08/02   クマ出没情報(北海道)icon北海道浦臼観光協会は、6月18日に予定していた樺戸連峰の山開き行事を中止することを決めた。6月上旬から登山道付近でヒグマの目撃情報が相次いでいるため。山開きは昨年まで30年間行われており、中止となるのは初めて。ただし、同連峰への入山規制はいまのところ行われていない。浦臼町によると、6月5日に山菜採りの人が於札内川上流の登山道近くでヒグマを発見したほか、9、10日に登山道の草刈り作業をしていた業者が、ヒグマの糞を発見している。 (北海道新聞)

2000/07/26   更新情報icon久しぶりに、「Coffee Break」を更新しました。 gif

2000/07/26   
更新情報iconBear Garally 2にクマの保護管理策視察(米国モンタナ州)の写真を4点追加しました。重たくなりましたが、カレリアン・ベアドッグを利用したグリズリーベアの追い払いについて、情報を増やしました。お問い合わせのありました、威嚇弾(ビーン・バッグ弾)についても画像を載せました。gif

2000/07/25   
更新情報iconBear Garally 2にモンタナで行った、クマの保護管理策視察の写真を6点追加しました。世界初(?)、ATVに乗ったカレリアン・ベアドッグの写真他。

2000/07/25   
人身被害発生(岩手県)・続報icon7月21日に岩手県盛岡市で発生した人身被害の続報です。県や猟友会が現場を調べたところ、複数のクマの足跡が見つかったそうです。状況から判断するとこうです。子グマと親グマの間に、クマがいることに気がつかなかったNさんが入ってしまい、子グマを守ろうとして飛び出した母グマに、Nさんは背後から襲われてしまった。これは、最も人がクマの攻撃を受けやすいパターンです。マスコミの報道にはありませんでしたが、事故が起きた現場付近では、何回も親子グマが目撃されており、地元の人は注意していたそうです。それでも、人身被害は不幸にして起きてしまったのです。このような不幸なトラブルを防ぐために、カレリアン・ベアドッグを利用したクマ対策を、早く日本でも実施してもらいたいものです。

2000/07/25   
クマ遭遇情報(山梨県)icon東京在住のH氏から、クマ目撃情報と、クマの痕跡を示す画像が送られてまいりました。ご本人の了解を得ましたので、ご紹介します。Hさん、どうもありがとうございます。7月20日に山梨県の飛龍山へ山登りに行ったH氏(東京都)は、途中、水源巡視路の大常木山付近でツキノワグマと遭遇しました。お寄せいただいたメールから、クマ遭遇時のレポートを下記に転載させていただきました。貴重な情報なので、ぜひご一読ください。H氏は冷静な判断と落ち着いた行動によって、トラブルを回避できたと思います。

          (転載開始)「前方4、50mあたりで一本の木からバキバキと音がして木片が落ちて来るのを見つけました。もしかしたら、と思いましたが、さらに2、30mまで近づくと、クマがスルスルとお尻から降りて来るではありませんか。クマは木から降りるとすぐに脇のヤブへ駆け込みましたので私は安心してクマが何をしていたのか知りたくなり、降りてきた木へ近づいて写真を撮ったりしていましたが、ふと気配を感じてクマの駆け込んでいったヤブの方を振り返りますと先程のクマが2、30m先で鼻先をクンクンと上げ2歩3歩とこちらへ戻って来るような動きをしています。 私は距離をとろうとしましたが、このような時は
背中を見せてはいけないと聞いていましたのでクマから目をそらさないようゆっくり後ずさりしながら、先日御社より送っていただいたスプレーを取り出し安全装置をはずして身構えていました。 10m程後退したあたりで身を隠せる程度の木が見つかりましたのでクマとの間に木を置くようにして見ていますと、クマは先程のヤブから体の前半分程を出し、しばらく鼻先を上げクンクンと様子を調べる様な行動をしていましたが程なくクルリと向きを変え再びゆっくりとヤブへ戻っていきました。 今年は奥多摩近辺でも春先よりクマの剥ぎ跡、足跡等の痕跡を多数目にし、気になりましたので御社よりカウンターアソールトを購入しました。 このような近距離で遭遇したことは始めての経験でしたがカウンターアソールトのおかげで、最後の一手があるという心のゆとりからか落ち着いて行動できたのではないかと思っています。 今回は実際に使用する事はなかったのですが、この経験を元に山行の際には必ず携行し、使用するは最後の最後と考え、できるかぎり使用しないで済む行動をとりたいと思っております。」(転載終了)

2000/07/25   
人身被害発生(山梨県)icon6月13日午前9時半頃、に山梨県東八代郡御坂町上黒駒の桃畑で、袋かけの作業をしていた農家の主婦(63)が、クマに攻撃を受けて顔や腕などに約2週間のけがを負った。石和署の調べなどによると、現場は国道137号から約500メートル西側に入った山あいの桃畑。主婦は一人で作業をしていた。現場に残された足跡から判断して、子連れの3頭のツキノワグマがいたと思われる。主婦を襲ったのはその中の1頭。御坂町は地元の猟友会に駆除を要請。さらに「熊出没注意」の看板を現場近くの二カ所に設置するとともに、広報車や防災無線を通して付近の住民に注意を促した。また現場近くの御坂東小は、安全対策のため、現場付近の坂野、道場、駒止の三地区児童約二十人に対し、教師が付き添って集団下校させる措置を取った。山梨県内では今年に入って3件のクマによる人身被害が発生している。5月14日には市川大門町で、山菜採りをしていた男性(67)がクマに襲われて死亡する事故が起きている。

2000/07/23   
人身被害発生(岩手県)icon7月21日午前10時20分頃、岩手県盛岡市上米内字米内沢の農業Nさん(70歳)が自宅近くの農道でクマに襲われ、右頬を爪で引っ掻かれるなど重傷を負い、盛岡市内の高次救急センターに収容された。Nさんは自力で自宅に戻り消防署に通報した。盛岡東署の調べでは、現場はNさんの自宅から約200メートル付近。Nさんが畑に向かって歩いていたところ突然、背後から襲われたらしい。同署ではパトカーで付近住民に注意を呼びかけた。近くの米内小学校は集団下校をさせたほか、米内中学校も同日の終業式で、「(人身被害が起きた)現場付近を避けて帰るように」と指示した。盛岡市米内、桜台付近では、6月以降5回もクマの出没が目撃され、民家付近での出没も多い。7月9日には米内中学校裏の市道で、乗用車を運転中の男性が親グマ1頭、子グマ2頭を目撃するケースもあった。(岩手日報 平成12年7月22日朝刊)

          コメント/ついに不幸な事故が起きてしまった。実は、盛岡市役所の知人から、市内のクマ出没について、内々に相談を寄せられていた。そこで弊社では、クマ出没が多い県内の市町役場並びに管轄する警察署に対して、クマ対策の資料を今月の上旬に配付したばかりだった。クマが小学校や中学校の付近に頻繁に出没している地域では、子を心配する親御さんから、役所に対して相談や苦情が寄せられるのは当然だと思う。特に盛岡市の上米内付近では毎年のようにクマが出没している。盛岡市内とはいえ、北上山系から続く丘陵や雑木林、杉の植林地が住宅や学校のすぐ近くまで接している。おそらく、クマの行動域と人間の生活域が重なっている地域なのだろう。平成10年にも6月から約3ヶ月の間に、今回と同じ地域で25件以上のクマ目撃・被害情報が市役所と盛岡東署に寄せられている。

          考えられる対策としては、第1に
リスク管理対策について地域住民に周知徹底をはかる。クマの行動域に生活している以上、「クマが出没して当たり前」という認識(前提条件)を、地域住民は持つことが必要である。すなわち、その場所で生活するということは、クマと遭遇し、運が悪ければ被害を受けるリスクを背負わなければらないと、共通意識を持ってもらうように、行政は住民を教育する義務がある。その上で地域住民は「クマが出没しないようにするにはどうしたらよいか」(クマと遭遇するリスクを限りなくゼロに近づけるための方法)について個々で考え、行政や警察署、猟友会、学校など関係機関と話し合い、努力を続けていく必要がある。次の段階が危機管理対策である。「クマが出没した場合の対策」、「クマと遭遇した場合の対策」、「クマに攻撃を受けたときの対策」についても、リスク管理の場合と同じように、話し合い、努力を続けていく必要がある。

          今回の盛岡市の場合は、人身被害が発生する不幸な状況となってしまった。今後は有害鳥獣駆除による捕獲、捕殺又はお仕置き移動放獣などが、盛岡市と市から依頼を受けた地元猟友会によって実施される可能性が高くなった(平成10年は捕獲された親子グマ3頭は移動放獣されている)。私が6月に米国モンタナ州へ視察に行った最大の目的は、このような状況下でのクマ対策を、クマ対策とクマ保護管理の先進地から学ぶことだった。クマ被害対策の専門家・キャリー・ハント博士が考案し、彼女が創設した
"WIND RIVER BEAR INSTITUTE"が米国とカナダの各地で実施している、特殊犬(カレリアン・ベアドッグ)を利用したクマ対策プログラム(THE PARTNERS IN LIFE PROGRAM)こそ、盛岡市上米内で起きている人とクマとの軋轢に対して、とても有効な方策なのである。盛岡市だけではない、全国各地で問題になっている集落依存型のクマや、キャンプ場・山小屋・別荘地・観光施設・民家などに出没している餌付け熊の対策としても、とても有効な方策であると確信している。

           さらに、クマ出没地域の子供達や住民を対象とした
「クマ教育プログラム&教材キット」も必要不可欠である。幸いなことに、日本で初めての「クマ教育プログラム&教材キット」が、私の友人の努力で既に作られている。それについても、近々紹介することになるであろう。もしも、「特殊犬(カレリアン・ベアドッグ)を利用したクマ対策プログラム」と「クマ教育プログラム&教材キット」について詳しく知りたいという方は、8月26日と27日に、宮城県仙台市で開催する「第8回クマを語る集いIN仙台」にご参加ください。それらについても、詳しく発表されることになっている。また、「特殊犬(カレリアン・ベアドッグ)を利用したクマ対策プログラム」については、ヒグマフォーラム2000(9月)、日本クマネットワーク総会(9月)、日本哺乳類学会(9月)や獣害対策学習会(11月)など様々な機会で紹介していく予定である。さらに、近い将来、キャリー・ハント博士と"WIND RIVER BEAR INSTITUTE"のスタッフ、カレリアン・ベアドッグを日本へお招きし、国内数カ所でレクチャーしていただき、特殊犬(カレリアン・ベアドッグ)を利用したクマ対策プログラム(THE PARTNERS IN LIFE PROGRAM)を日本各地に普及啓蒙していきたいという夢も持っている。この夢の実現に向けて協力していただける方がいれば、ぜひご連絡ください。

2000/07/23   
熊出没情報(岩手県)icon7月21日午後4時頃、岩手県葛巻町葛巻の県道一戸葛巻線沿いの馬淵川で、水浴びをしていたクマを通行中のドライバーが目撃して岩手署に通報した。同署によると、クマは成獣と見られる。一度山に逃げたが、再び川沿いに姿を現し、同4時20分頃、近くの山へは行っていった。(岩手日報 平成12年7月22日朝刊)

2000/07/23   EVENTicon9月2日、3日に北海道札幌市で、「ヒグマフォーラム2000」(ヒグマの会主催)が開催されます。今回のテーマは、「サハリンと北海道のヒグマーヒグマ生息地回復モデルと開発」(仮題)と「ヒグマの共存、緊急問題解決に向けて」です。詳細はこちらをご覧ください。情報によると、昨年私たちがサハリンのヒグマ生息地視察の際に大変お世話になった通訳のワシリー氏や、ヒグマの研究をしているサハリン総合大学生物学部の学生や教官も来日し、ヒグマフォーラムに参加するそうです。

2000/07/21   
EVENTicon8月26日、27日(土日)に宮城県仙台市で開催する、『クマを語る集いin仙台』の講師並びにプログラムが決まり、イベントを主催する実行委員会からリリースされました。詳細はこちらをご覧ください。宿泊参加の申し込み締め切りは8月20日(日)です。主な講師と発表の内容は次の通りです。基調講演/『現代のマタギ』(狩猟を通じて見た人とクマの関わり 過去〜現在) 講師:田口洋美(狩猟文化研究所代表)、各地からの発表/『クマに関する教材の開発と紹介』(仮題) 山崎晃司/奥多摩ツキノワグマ研究会、茨城県立自然博物館、『北海道のヒグマ対応指針(案)について』(仮題) 間野勉/北海道環境科学研究センター、『猟友会の取組 クマの畑〜その後の報告』(仮題) 佐藤善幸/宮城のハンター代表(元宮城県川崎町有害鳥獣駆除隊)、『北米で注目されている先進的クマ対策の紹介』(カレリアン・ベアドッグを利用したクマ対策プログラム) 藤村正樹/岩手県ツキノワグマ研究会、他。

2000/07/20   Apple Computer Inc.が新型G4 Mac, iMacを発表!icon7月19日から米国ニューヨーク市で開催されたMACWORLD Expo/NYにて、Apple Computer Inc.のカリスマCEO, Steve Jobs氏が基調講演で、新しい光学式マウス、新型G4 Mac "Cube", 新しいiMacを発表しました。日本でも人気の高いiMacは、新たに4つのライン(iMac, iMac DV, iMac DV+, iMac DV SE)に分類され、インディゴ、ルビー、セージ、スノーホワイトの新色が加わりました。価格もリーズナブルに! 新型G4 Mac『Power Mac G4 Cube』 は、四角い立方体のシンプルで、とてもパワフルな魅力的なマシン(価格も魅力的)です。詳細はMacWIRE ONLINEのホームページをご覧ください。

2000/07/20   
哺乳類学会2000年大会icon乳類学会2000年大会が平成12年9月28日〜10月1日に、大阪市立大学で開催されます。毎年クマ関係の研究発表が多数あります。会員以外の方も参加はできます(有料です)。詳細は哺乳類学会2000年大会のホームページをご覧ください。

2000/07/20   
JUDY AND MARYとクマの関係?iconかなり時期を外した情報で恐縮です。(^^; 人気J-POPグループ "JUDY AND MARY"が、今年の3月にリリースしたベスト・アルバム『JUDY AND MARY Fresh』(SONY MUSIC ENTERTAMENT)のCDには、なぜかクマの交尾がプリントされています。よく見ると、若いヒグマが交尾ゴッコ(?)しているようにも見えるし、なんだか作り物のクマのようにも見えるし、見れば見るほど疑問がわいてくる写真です。なぜ "JUDY AND MARY"のCDに、クマの交尾(?)写真がプリントされているのか、ご存じの方がいらっしゃれば教えていただけませんか?

2000/07/20   PDAicon7月14日に紹介したPalm OS搭載のソニー製PDA「PEG-S500C」のモックアップ(模型)が、なんと本日(7月20日)から23日までの4日間、JR秋葉原駅(東京都)電気街口前広場で開催される、「アキバックス2000インターネットショー in 秋葉原」で特別展示されます!(特別展示は今回のみ)「アキバックス2000インターネットショー in 秋葉原」についての詳細はこちらのホームページをご覧ください。 http://www.akibax.com 

2000/07/16   
日本ツキノワグマ研究所icon日本ツキノワグマ研究所(米田一彦代表)からのお知らせです。『この度日本ツキノワグマ研究所のホームページを少々手直ししました。外見はほとんど変わっていませんが。ブックマークされていたかたがたは、URLの末尾、/home/kmaita/index.htmを/home/kmaita/index.htmlに直して下さい。』 それから、クマと遭遇したときの心構えや対策について詳しい情報が紹介されていますので、ぜひ日本ツキノワグマ研究所のホームページをご覧ください。

2000/07/15   
中国のタクシーとクマ&炎天下の車内はアッチッチiconJAF(社団法人日本自動車連盟)のニュースレター・「JAF-MATE 」8月9月号(発行/JAF MATE社)の海外ニュースによると、中国雲南省の省都・昆明を走るタクシーには、リアウィンドーと助手席のダッシュボードに動物のステッカー(動物のイラストと2桁の数字)が貼られているそうだ。種類は熊、蛙、シマウマ、恐竜、イルカ、ピューマなど様々。苦情や忘れ物の際、乗ったタクシーがすぐ思い出せるのに有効だ。運転手のマナー向上にも役立っているそうだ。ただし、イラストの動物と運転手の性格との関係は不明。
          また、今月号では
「炎天下の車内は危険温度!!」という特集を組んでいる。弊社の熊撃退スプレーにも関連することなので、簡単に内容をご紹介する。皆さんも経験があると思うが、真夏の炎天下では、駐車中の車内温度は急激に上昇する。炎天下の車内に置き去りにされた赤ちゃんが、死亡するという悲惨な事故も毎年発生している。JAF MATの実験は、早朝からの5時間と、気温がピークになる午後の3時間で、車内温度がどのように上昇するかを、車内6カ所に設置したセンサーで、30秒ごとの自動計測で調べたものだ。午前7時にはダッシュボードの温度が40度に、さらに午前10時を越えると75度前後に達した。車内温度も上昇を続け、なんと60度前後に達した。午後のテストでは、同型のセダンを2台用意し、A車には何も対策を取らず、B車にはフロントガラスの内側に市販のサンシェードを取り付け、比較を行った。午後の天候は、晴時々曇り、気温は32度前後だった。最初にエアコンをかけて車内の温度を17度前後に冷やしてから、エンジンを止めて温度上昇の変化を調べた。それによると、どちらのダッシュボードも、エアコンが止まってから急激に上昇し、約40分後にはA車は75度、B車は48度となった。室内温度は1時間後では、両車輌ともは58度となった。また、ハンドルはA車は71度、B車は50度、ドリンクホルダーに未開封の状態で置いていたアルミ缶の炭酸飲料は、A車は59度、B車は48度となった。さらに、A車では計測して30分後にはアルミ缶の表面温度が約55度になり、缶が膨張し大きな音を立てて変形し、いつ破裂しても不思議ではない状態となった!
          弊社で輸入販売している熊撃退スプレー・カウンターアソールトのスプレー缶は、国が高圧ガス保安法で定めている基準をクリアーしている。その耐圧能力とは「50度における容器内圧」「50度おける容器内圧の1.5倍又は1.3MPaにおける容器の変形」「50度おける容器内圧の1.5倍又は1.3MPaにおける容器の破裂」の3項目である。カウンターアソールトはその全てに適合している。ただし、車内温度が75度になった場合に、容器内圧がどのくらい上昇するかは不明だ。車内にカウンターアソールトを置いたままのユーザーも多いとは思うが、(特に真夏は)危険なので注意が必要である。私の友人で、勤務先の駐車場に停めていて車の中で、灯油を入れていた携行缶を爆発させた者がいる。幸い炎上はしなかったが、一歩間違えれば大惨事になっていた。また、「JAF-MATE 」の特集の中で、「高温になったチャイルドシートの金属部が、子供の皮膚に触れて火傷を起こした」例を紹介している。子供を守るはずのチャイルドシートが、親の不注意で凶器にもなる。
           太陽熱を吸収したダッシュボードが、熱を蓄熱するストーブ化現象が、車内温度を上昇させる原因の一つと見られるようだ(ダッシュボードを蓄熱しにくい材質に変更するように、JAFはメーカーに働きかけていただきたいものだ)。そこで、
JAFが紹介している有効な対策は、サンシェードでダッシュボードの温度上昇を防ぎ、窓ガラスを開けること。ただし、実験の結果、ウィンドフィルムの遮熱効果はあまり期待できないそうだ。しかし、それらの対策を施していても、体温をはるかに超える約50度という危険な温度になることを、私たちは忘れてはならない!(「JAF-MATE 」8月9月号 発行/JAF MATE社 定価100円 お問い合せ先/電話 03-3436-2811)

          
●JAFの会員は無料で、「JAF-MATE 」のバックナンバー(6年分)をインターネットで検索が可能です。
           詳細はJAFのホームページをご覧ください。
  http://www.jaf.or.jp/

2000/07/14   
BOOKSiconクマ被害と被害対策の専門書・『ベア・アタックス』の発売日が決まりました。8月10日に北海道大学図書刊行会から発売になります。弊社でも『ベア・アタックス』を取り扱うことに致しましたので、ただ今予約を受け付け中です。上下刊ご予約者には、送料無料!

2000/07/14   PDAicon以前にもご紹介したことがある、ソニー製のPalmOSを乗せた携帯端末(PDA)が、9月9日から発売になります。価格は6万円前後になるようです。詳細はソニーのホームページをご覧ください(ソニーPDAの開発者インタビューなど情報満載です)。それにしても、アップルコンピューター製のPalmOSを乗せた携帯端末(PDA)はいつ発売になるのでしょうか?

2000/07/11   熊出没情報(北摂)icon6月29日以降大阪府の北摂山地の能勢町、箕面市、茨木市などで、ツキノワグマとみられる野生動物が目撃されています。日本クマネットワークのメーリングリストに寄せられた専門家の話では、北摂山地ではここ20年近く確実なクマ情報がなかったが、比較的自然度の高い地域でクマの生息分布の北端に位置するのではないかとのことです。また、北摂とは地理的にかなり近い兵庫県篠山市やその南の三田市でも、6月にクマの出没情報があったとのことです。これらの両地域は、行政にも地域住民にもクマに対する免疫がなかったために、クマに対する過剰反応(パニック)が起きているそうです。弊社からのアドバイスとしては、クマの生態や被害対策に詳しい専門家(研究者)や行政担当者(熊出没地域の行政担当者)にアドバイスを求め、冷静さを保つことが必要です。行政の過剰反応や誤った判断は、住民の不安を増大させるばかりです。

2000/07/11   
熊出没情報(岩手県)icon岩手県江刺市伊手字寺地の県道沿いで、7月10日午後4時頃、通行人が子グマを目撃した。通報を受けた江刺署では、クマは伊手郵便局から米里方面に1.5キロ入った地点。母グマも一緒と見られるが、住民や農作物への被害は報告がない。付近では8日にもクマの目撃情報があった。周辺住民に注意を呼びかけている。(岩手日報 平成12年7月11日)

2000/07/11   
熊出没情報(岩手県)icon岩手県釜石市箱崎町の箱崎小学校付近で、7月10日午前8時頃、成獣のツキノワグマ1頭が歩いているのを住民が目撃し、釜石署に通報した。署員、猟友会のメンバーらが爆竹をならし警戒にあたったが、クマは発見されなかった。付近の山に逃げたようだ。  出没現場付近で最近、家畜の被害がでており、同署と猟友会は10日夕方、付近の山林に罠を仕掛ける。(岩手日報 平成12年7月10日夕刊)

2000/07/11   
熊出没情報(岩手県)icon岩手県盛岡市桜台2丁目の市道で、7月9日午前11時頃、乗用車を運転中の男性が親グマ1頭と子グマ2頭を目撃した。届け出を受けた盛岡東署によると、現場は米内中学校付近。目撃した男性がクラクションを鳴らしたところ、親子グマが同校の西側の山に逃げていったそうだ。同署はパトカー2台と署員4名で約1時間、付近の住民に注意を呼びかけた。(岩手日報 平成12年7月10日夕刊)

2000/07/07   
『Bear Attacks』がまもなく出版!!iconスティーブン・ヘレロ博士(カナダ・カルガリー大学環境デザイン学科環境科学名誉教授)が執筆された、クマ被害と被害対策の専門書・『ベア・アタックス』がいよいよ翻訳出版になります。出版予定は8月初旬で、価格は上下2巻・各2400円です。『Bear Attacks』が最初に出版された1985年当時は、カウンターアソールト(弊社が輸入販売している熊撃退スプレー)が開発されたばかりで、その効果がまだよく知られていませんでした。そのために本書の中ではカウンターアソールトについてあまり詳しく書かれていませんでした。しかし、その後カウンターアソールトの熊撃退効果が各地で実証され、多くのクマの研究者が学会などでカウンターアソールトの効果について発表しております。また、著者のスティーブン・ヘレロ博士自身も、カウンターアソールトの実証試験に加わり、その効果を確かめられています。そこで、翻訳出版するにあたり、カウンターアソールトについて書かれた前文が削除訂正され、スティーブン・ヘレロ博士によって新たに加筆されました。翻訳者の嶋田みどりさんは「アニマ」(平凡社)の元編集者で、故星野道夫さんの友人の一人です。星野道夫さんがカムチャッカで、TBSのテレビ番組「動物奇想天外」の取材中に、ヒグマに襲われて死亡された事件をきっかけに、クマの人身被害について興味を持たれ、この『Bear Attacks』に出会いました。そして、星野道夫さんに起きたような不幸な事故を防ぐために、本書の翻訳を決意されました。また、『ベア・アタックス』の翻訳作業には、日本クマネットワーク会員のクマ研究者が多数お手伝いをしています。日本のツキノワグマやヒグマについての解説も、新たに加筆されています。ぜひ多くの方に読んでもらいたい本です。当社でも取扱を検討中です。お問い合わせは北海道大学図書刊行会までお願いします。

2000/07/07   
動物公園内にクマ出没?icon岩手県盛岡市岩山にある盛岡市立動物公園で、6月末から2回、野生動物の糞が見つかり、ツキノワグマが園内に侵入した可能性があるとして、臨時休園する騒ぎがあった。糞は6月28日と7月3日に職員が見つけた。最初は入り口の近くの猿山裏でナガサ15センチのものが2本、次は近くの売店前でナガサ8センチのものが1本落ちていた。道園地角でクマが目撃されたこともあり、4日に臨時休園し休園日の5日と合わせて、2日間にわたって猟友会員も加えて約30人体勢でクマの探索にあたった。同園では6日までにクマが侵入した形跡が確認されなかったので「厳戒態勢」は解除された。(朝日新聞 平成12年7月7日)

2000/07/07   
盛岡市内にクマ出没icon岩手県盛岡市内にある岩山展望台付近に、6月26にツキノワグマが出没した。7月3日に現地に行ってみると、クマが出没したことを知らせる掲示がされていた。被害は出ていないようだ。

2000/07/05   
広島県は西中国山地のクマ保護策を転換か?iconいつもクマ情報を送ってくれる広島県在中のF氏と島根県在中のK氏から、西中国山地のクマに情報が届きました。どうもありがとうございます。
          広島県、山口県、島根県が西中国山地で実施したツキノワグマの生息調査で、
生息数は約480頭(プラスマイナス200頭)という結果をまとめた。3県で唯一、6年前に保護条例を定めた広島県は、「条例制定時より生息数が増えている」と見て、保護を重視してきた方針の転換も検討する。調査を委託された財団法人自然環境研究センターは、1998年、1999年に広島県吉和村・戸河内町・芸北町・山口県錦町、島根県匹見町・金城町の3県6町村でクマの生息数調査を実施。標高600メートル以上の主要生息地の26箇所に檻を仕掛け、延べ65頭を捕獲(9頭を再放獣)した。その結果、西中国山地全体のツキノワグマの生息数を480頭(プラスマイナス200頭)と推計した。 環境庁の1992年度の調査では、生息数は同庁が「保護管理策の強化が必要」としている250頭〜350頭だった。それを基に広島県は1994年、野生生物保護条例を制定。有害鳥獣駆除として捕獲されたクマも、手負いの場合などを除き、山奥に放獣してきた。 今回の調査結果について、「個体数は増えているのではないか」と分析。クマが人を襲う事故も増えているため、秋にも研究者や関係市町村などで「ツキノワグマ保護管理検討会」(仮称)を設置。放獣を減らすことを含め、保護方針の見直しを検討する。 これに対して、金城町でクマの保護管理問題に取り組む小金進さん(65歳)は、「推計値の誤差が大きいし、生息数が増えたから殺しても良いというのは疑問だ。人とクマの共存を図るため、3県が協力して保護区を設けるなどの対策に取り組むべき」と話している。(中國新聞 平成12年6月30日)

2000/07/05   
クマの人身被害(岩手県)icon6月30日午後零時45分頃、岩手県大迫町内川目の大谷地牧野付近の山林で、同町の農業男性(65歳)がクマに攻撃を受け負傷した。男性は山林の下刈り作業の準備中にクマに遭遇し、右ほおや右胸に約1週間の怪我をした。自分でバイクを運転して自宅に戻り、近所の人に病院へ送ってもらった。花巻署と大迫町役場では、近くの集落などに広報し、注意を呼びかけている。(岩手日報 平成12年7月1日)


2000/07/01   
モンタナ州のクマ保護管理を視察icon今年6月に約2週間ほど、仕事を兼ねて米国モンタナ州で行っている、クマの保護管理策を学ぶための研修旅行に行ってまいりました。その時撮影した写真を「BEAR GALLERY #2」にアップしました。まだ数点ですが、徐々に増やします。たまにチェックしてください。

2000/07/01   
ヒグマ対応時のマニュアルicon北海道の斜里町役場自然保護課の山中正実氏(ヒグマ・スペシャリスト)が作製した、ヒグマとの遭遇時の対応に関するマニュアル(平成12年6月27日改訂版)アップいたしました。北海道旅行を計画されている方はぜひご一読ください。特に知床国立公園に行く方は必読です。ツキノワグマ遭遇時のマニュアルとしても有効です。

2000/07/01   
白いツキノワグマ!?icon6月25日早朝、岩手県盛岡市川目の国道106号線落合トンネル付近で、左側の道路のり 面にいる白いクマが通りかかったドライバーに目撃され、撮影された。撮影者は盛岡市湯沢在住の及川氏。6月27日の岩手日報朝刊に写真入りで紹介され ました。県立博物館主任学芸員調査員・藤井忠志山のコメントでは、「このクマはツキノワグマのアルビノで、体長1メートル前後、3,4歳程度の成獣と思われる。」県内では、過去に住田町、遠野市などで3頭のアルビノクマが捕獲されている。「盛 岡市内での発見は初めてではないか。しかもアルビノクマの撮影は大変珍しい」(藤井)。趣味の山歩きのために、奥様と峠ノ神山(新里村、岩泉町)へ行く途中にアルビノクマを発見した及川氏のコメント。「近づいて見るとクマだったので慌てて撮影した。」撮影後は「人間に捕まるなよ」と心に念じ、その場から立ち去ったそうだ。(岩手日報 平成12年6月27日)


gif. Old Bear Information 2-3 (2000.01.11~2000.06.23)

gif. Old Bear Information 2-2 (1999.10.04~1999.12.24)

gif. Old Bear Information 2-1 (1999.01.17~1999.09.28)

gif. Old Bear Information 1-1 (1998.03.06~1998.12.14)

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